アンナ・マデリーナ
アジアンテイスト度☆☆☆☆☆ 役者大好き度☆☆☆☆☆
総合評価☆☆☆(趣味が合えばどうぞ)
(左:アーロン・クォック 中:金城武 右:ケリー・チャン)
チャン・ガーフ(金城武)は平凡なピアノの調律師。彼は調律に行った先で自称小説家の遊牧人ヤン・モッヤン(アーロン・クォック)と出会う。奔放な生活を送るモッヤンには住む家もなく、いつのまにかガーフのアパートに住み着いてしまう。ある日、彼らの部屋の階上にモク・マンイー(ケリー・チャン)が引っ越してくる。ピアノの練習を始めたばかりマンイーは、朝からバッハの練習曲、メヌエットを弾く。そんな彼女に対してモッヤンは“創作の邪魔になる”と怒鳴り込む。ガーフは初めて会ったときからマンイーに心惹かれていたが、いつしか彼ら二人の喧嘩の調停役のような立場になってしまう。
マンイーが下手なピアノを弾き、モッヤンが怒鳴り込み、ガーフが二人を止める。そんな状況を繰り返しているうちにモッヤンとマンイーは接近していくが、その反面喧嘩が絶えない。そんな中、モッヤンは突然二人の前から姿を消す。傷ついたマンイーはガーフに「部屋を見に来たときに、モッヤンに一目惚れして、それで彼の住んでいるこのアパートに引っ越してきた。」と打ち明ける。ガーフはショックを受けるが、マンイーへの想いとその絶望を誰にも話せず自分の心に秘めたままでいた。
そんなガーフをよそに、ふらりと舞い戻ってきたモッヤンはマンイーと仲直りをする。意外にも放浪生活を送ってきたモッヤンが、マンイーとの関係を真剣に考え始め、彼女との安定した生活を過ごす決心をしたのであった。モッヤンは自分の荷物を持って階上のマンイーの部屋へ向かう。モッヤンの去った部屋の中にひとり残ったガーフ。彼が居候するまでは一人で住んでいたなぜかさみしく感じられてしまうガーフ。モッヤンの残していった真っ白な原稿用紙に、ガーフはマンイーへの言葉にできなかった“想い”をこめて物語を綴っていった・・・。
それは遠い国“H”で繰り広げられる“幻の愛”のを探す旅の物語。主人公の“バツ(ガーフ)”と“バツ(マンイー)”は、さまざまな困難を乗り越えて“幻の愛”を見つける。そして二人の間にも、確かな“愛”が生まれていく・・・。幻想的な恋愛物語は完成しガーフはそれを出版社に持っていく。そして、それぞれの三人の人生は微妙に変化していく・・・。
金城武、ケリー・チャン、アーロン・クォック、この3大スターの共演は、今後実現不可能と言われるほど香港では伝説となっている。さらに共演として華をそえるのはレスリー・チャン、アニタ・ユン、そして友情出演のためにクレジットには名を挙げられない香港のスターが意外なところに登場している。
現代の若者の日常と恋愛観を、ユーモアを込めて写実的に描いた恋愛映画で、とってもまったりできます。香港映画大好きの僕としてはたまらない作品です。メヌエットが耳から離れなくなってしまいます。ちなみに僕はこの映画を見た後、髪型をアーロン・クォックそっくりにしました(笑)