観艦式レポート

観艦式とは、海上自衛隊が3年に1度行う大規模な演習です。
平成15年度は、10/26(日)が本番で第24回目にあたります。当日は、自衛隊最高司令官(内閣総理大臣)小泉純一郎総理を向かえ、艦艇隻53(海上保安庁の巡視艇含む)、航空機66(陸、空自衛隊機含む)の予定で相模湾に集結します。
10/22はあいにくの雨でした。ほんと、降りました、残念(泣)
何分、千葉からの道のりは遠く、東京を通過して神奈川ですから、夜も明けぬ5時代の電車に乗り出発。運良く、途中で雨が上がるのを期待して一路横浜へ・・・・・。
左は、横浜のシンボル、ランドマークタワーやコンチネンタルホテルの風景。なんと、ランドマークは、上が雲に隠れ富士山状態でした。基地の手前の受付に並んでいたときに撮影しました。
雨で冷えるのも考え、カメラやビデオ(ほとんどオタクだ〜〜)以外に、カッパやビニールシートなども持参しました。
今回参加メンバーは、仕事仲間3人組。観艦式2回目のNさんとめちゃめちゃ張り切っているMさん、子供のように興奮状態のみっちょん。
タラップ前で、隊員さんからおみやげをいただき、いざ乗艦!観るものすべてめずらしい〜〜。だって、軍艦なんて、真近で見ることないし、乗るなんてはじめての体験。主砲だ〜〜、レーダーが回ってる〜〜、脱出用ボートだ、もう興奮状態。
お客さんは、年配の男女が多かったですね。たまにお姉ちゃんもまじってますが、私たちは若い方だったかも〜〜(笑)甲板先端で、気さくに声をかけられ、お客さん同士で写真を撮り合いました。
荒波に、いざ出向!天気は相変わらず雨混じり・・・・。午前8時50分、瑞穂埠頭を出ました。ベイブリッジをくぐり(ベイブリッチを下から見るなんてあまり出来ない経験)相模湾目指して進みます。「いそゆき」は、先導艦でした。はじめに出た「はるゆき」たちを、ぐんぐん抜いてトップへ。
ところで、フェリーくらいしか乗ったことのない船。モーターボートは別として、軍艦って早いスピードでびっくり。確かにちんたら進んでいたらいざ何かが起こったとき問題になりませんが・・・・。「いそゆき」は、燃料満タンでハワイの往復が出来るそうです。

                   編隊を組んだ護衛艦たち

  4203「てんりゅう」

   DDH143 「しらね」

  LST4003「くにさき」

護衛艦の射撃訓練を支援する訓練支援艦。標的機運用能力を持っている。    観閑艦「しらね」
観艦式当日、小泉首相が乗り、旗艦を務め主艦。
   輸送艦「くにさき」
戦車など揚陸にLACを運用する輸送艦。

   DDG174「きりしま」

  潜水艦「おやしお」

  南極観測艦「しらせ」

イージス艦「きりしま」
走るレーダー艦。世界最先端の護衛艦。
海自で、最新のタイプ。索敵・情報処理能力にたけている期待の潜水艦。 観艦式には参加していませんが、南極観測の艦も海自所属です。
いそゆきのコントロールルーム。まさか、こんなところまで撮影させていただけるとは思いませんでした。この部屋は、甲板より2階層下に位置しています。
ブリッジからの指令を受けて、この部屋で艦の操縦をしています。ブリッジで直接操縦するわけではないのですね。
このパネルで、艦の全ルームの管理をしています。 ブリッジの指令は前面に表示され、指示どうり2名で操縦しています。

 観艦式の歴史は古く、1341年、英仏戦争でイギリス国王エドワード三世が自ら艦隊を率いて出撃する際に行ったのが起源とされています。日本では、明治元年、明治天皇が大阪・天保山沖の艦艇を観閲した「観兵式」が最初とされています。「観艦式」と称されたのは、第4回、明治33年神戸沖で行われたときから。昭和15年、横浜沖で行われた第19回特別観艦式は、艦艇98隻、航空機527機が参加した壮大な規模でした。昭和31年、自衛隊記念日が制定され、翌年から毎年実施されていましたが、オイルショック後一時中断され、昭和57年に再開されてからは節目の年に行われています。平成8年より、三自衛隊が持ち回りで行うことになり、今回で3回目。昨年は創設50周年記念が行われ、海外11カ国・17隻の海軍艦艇の協力を得て、大々的なイベントが行われました。

 観艦式に集結する護衛艦は、全国から集まってきます。那覇・佐世保・呉・横須賀・八戸などから、相模湾に集結します。
 当日は、小泉首相をはじめ、各国大使・一般招待者・公募の乗艦者なのが集まり、一大イベントを観閲します。
 今回の特色は、ミサイル艇「おおたか」「くまたか」(はやぶさ型)、空自の早期警戒機「E−2C]が参加、「はるな」「じんつう」の洋上給油、「とね」「しらゆき」が甲板散水とIRフレアー同時発射をすることです。また、横浜港の大桟橋から、陸自の隊員が輸送艦「くにさき」に乗艦するのも、見ものです。
DD127 ISOYUKI

観艦式(事前訓練)報告!

スペシャル・レポート


 護衛艦「いそゆき」データ
      全長 130メートル
     全幅 13.6メートル
     基準排水量 2,950トン
     主機 ガスタービンエンジン 45,000馬力
     速力 56キロメートル
    乗員 190名

今回、私が行ってきたのは、10/22(水)に行われた事前訓練でした。横浜・瑞穂埠頭より護衛艦「いそゆき」に乗艦しました。
平成15年10月22日(水)
  海上自衛隊
      観艦式(事前訓練)

        横浜・瑞穂埠頭出航
        護衛艦「いそゆき」
左からNさん・Mさん・みっちょん

        <装備>
   76ミリ単装速射砲 ×1
   20ミリ高性能機関砲 ×2
   短SAM8連装 ×1
   アスロック8連砲 ×1
   短魚雷3連装発射管 ×2
   SSM4連装 ×2

「いそゆき」は、対潜水艦・対空・対水上の現代戦に対処するため、昭和60年1月に就役した汎用護衛艦はつゆき型の6番艦です。所属は佐世保地方隊。
甲板下は3層に分かれ、2階層が、居住区および、機関室等、重要ポジション。3階層には、燃料タンクおよび2機のエンジンが備わっています。
各部屋は細かく仕切られ、各扉にはゴムパッキンで覆われているため、真相が最小限に防げる仕組みです。
集結する相模湾までは、ゆれることなく順調な船旅でした。というのも、スピードを出して走っているうちはいいみたいですが、現地に到着して減速するととたんにゆれを感じるようになりました。
正午より、演習開始。二列に艦が均等に並ぶ中を、護衛艦や潜水艦がやはり等間隔の距離を保ち進みます。相変わらずの雨風に悩まされつつも、ブリッジのさらに上の展望台(とは言わないでしょうが)で、がんばって見学しました。
クルーの皆さんは、とっても親切でさわやかでした。普段はそうそうおしゃべりなどしないでしょうに、ゲストのために一生懸命尽くしてくださいました。
艦内を見学していて気になったことを質問してみました。各装備品には担当責任者の名前が貼ってあるのですが、同時に破壊責任者も貼ってありました。破壊責任者?けっこう気になりますよね。もし戦わなければならないとき、この艦が沈むようなことがあったら、のちに情報を知られないため粉々に破壊して艦を降りなければならないそうです。やはり、軍艦なんですね、改めてそう思いました。
吹きすさぶ雨風の中、カッパを着てがんばったのですが、Nさんは船酔いで、みっちょんは寒さに耐えらず、中に引っ込んでしまいました。(今思えばくやしい・・・)ただ一人、Mさんだけは元気でがんばって見学。そして、様々な演習を生で見学してきました。天候悪化のため、予定していたメニューすべてが披露されたわけではなかったようですが、それでも感激の嵐だったそうです。そして、気がついたら、Mさんだけが展望台に残り、クルーの泣きそうな顔がそばにあったそうです。
護衛艦や潜水艦以外に陸上自衛隊のヘリの編隊飛行も迫力でした。戦艦が編隊を組んで行き来するのを観るのもあまり経験できませんが、ヘリが5.6台まとめて飛んでいる姿もお目にかかれません。5台も集まれば音もものすごいし、迫力もあります。残念だったのは、百里基地からFー15(イーグル)が、演習に参加予定だったのに天候不良で不参加になってしまったこと。実は、みっちょんはその昔、戦闘機が好きだった時代もあり(ああ、オタク街道進んでる・・・)百里の航空祭に行った経験を持ってたりします(笑)当時は、F−4(ファントム)が主力でした。そんなみっちょんですから、ぜひ編隊を組んだイーグル・・・見てみたかったです。
さて、普段は食堂ルームもゲストの休憩室になっていましたが、とても生活観のある空間でした。他がまず生活観のない場所ばかりなので、クルーの普段顔が覗けたような気がしました。マイカップの並んだ棚、醤油やソースなど調味料が置いてあったり。
長い航海の余暇時間に読むのでしょう。テレビの下にある本棚には、小説がぎっしり。けっこう、知った作者の本も多く、中には読んだことのある本が数多くありました。
演習が終わり、横浜までの道のりは休憩タイム。毛布を用意してくれ、座ったり横になったりのんびりできるようにしてくださいました。
予定よりはやく横浜には到着。名残惜しい気がしながらも艦を後にしました。クルーの方々が、また来てください、と声をかけてくださいました。「また来たいです。ぜひ!」と答えましたが、3年後、また来れるといいのですが・・・・。陸に上がったゲストに甲板から手を振るクルーが印象的でした。
さて、出航のときもいた方々。帰ってきたときもやはりいました。
背中に海上自衛隊・爆発物処理班と書いてありました。なにやら、危険か香りが・・・でもすんご〜〜く明るい人たちでしたよ。寒いでしょうに、ほんとご苦労様でした。
今回初めて観艦式の事前訓練を見学したのですが、とてもたのしい1日を過ごすことができました。何度も言うようですが天気には泣かされましたが・・・・。晴れていたらこんな風だったろうに、と想像してしまいました。次回、機会が作れれば、また乗りたいですね。
これを機会に、小説でも海自が舞台の本を読み始めました。またひとつ新しい「好き」ができて、うれしい限りです。
私のレポートは、専門的なことは何一つご紹介できませんが、今まで知らなかった世界を体験した素人が純粋に感激した!という気持ちが伝えられれば良しとします。だって、本当に楽しかったのですもの。

                                            2002.10.29 みっちょん
<お断り>
自分で撮れなかった数点の写真は、資料より抜粋させていただきました。また、コントロールルームに関しては、ご迷惑がかかる懸念より、加工させていただいています。