ソウルタワー
おこげあめをなめながら、車は私たちをお決まりのおみやげやさんに連れて行った。なんでも、会長は少し前に友達が韓国にいったらしく、うなぎの皮のド派手なムラサキ色の財布をおみやげにもらったとか。さっそく、おばあさんたちがよってきて、買いませんか攻撃。無視してぐるぐるみてまわる。そしたら、会長がもらったといううなぎの皮の財布があった。「これこれ。」「ああ、それは8000円です。」「えーーーー。」友人に8000円の財布?高いのにびっくりした。あれもこれもどれもこれも、「とぼけている」ほど高い。おこげあめもあった。三袋で1000円。円で表示してあるからおかしい。3つで1000円もする飴?「たかーい。」結局、私たちは「たかーい」を連発して何一つかわなかったけど、ある程度ほしいものの値段だけは聞いていった。3日間の中でここの店が一番高かった。うなぎの財布は、免税店では5000円。とんでもんでは、4000円。さらに値切ると1500円だと言われた。ガイドが案内する店では買い物しないほうがいい。きっぱり。ガイドさんにとって、私たち3人は、きつい客だったかもしれない。
 ソウルタワーは、南山公園というところにあった。ソウルタワーに登る韓国人はあまりいないが、その周りを走る道路はデートコースによく使われるそうだ。ガイドは、きれいですねーと自然をほめるけど、私たちは自然がいっぱいある田舎からきたので、そんなにおどろかない。車をおりたら、すごい坂道が待っていた。ガイドさんは、背が高い。
なのにこんなことをいっていた。「きょう、ここが観光コースにはいっていましたから、ふだんはもっと高いヒールなんですけど、低いのにはきかえてきました。」ほんとに、すごい。後ろ向きにあがったほうがいいような坂道。若いロンちゃんはその日の夜に、会長は帰る日に、筋肉痛になった。私は筋肉痛にならなかった。日ごろの鍛錬のおかげ?わら。ぜーぜー息が切れたところで、記念撮影。おえっとなるくらい高速のエレベーターに乗ると、上のほうにあがっていった。いい景色。すごく広い範囲で高層のアパートが立ち並んでいる。3人で記念撮影をしたのだけど、こわれかけたコンパクトカメラは、うしろの景色に焦点をあわせていた。もう。ぐるっとまわってソウル市内の説明を受けて、すぐに降りた。降りるとスターバックスコーヒーがあった。「ケイちゃん。スターバックスはいいとね?」「うん・・・」その反対側のところにとてもおいしいアイスクリームを発見していたので、私はそれを買った。自動販売機を使って何かを買ったのは、最初で最後だった。つぶつぶの氷のようなアイスクリーム。1000ウォン。100円だ。このアイスは、城島後楽園では280円で売ってた。さっき、ビビンパプを食べたばっかりだというのに。ロンちゃんと会長にひとさじづつあげたけど、彼女達はたばこを吸い始めた。車にはでっかく、禁煙と書いてある。すぐに禁断症状がでるので、観光の合間に、買い物の合間に、ぷかぷか。灰皿がないのでゴミ箱の横で吸っているとガイドさんがいった。「韓国では、まだ女性が、道端でたばこを吸うことはないです。タバコを吸っているのは日本からきた女性だけです。」「じゃあ、どこで吸ってるの?トイレ?」「若い人はたまにそういう人もいますが、あまりみかけません。」「へえ」ガイドさんがそういう話をしても、なんら彼女らには関係ない。わら。私はロープウエーに乗りたいといったが、ガイドさんは「あれには乗りません・・・・」ときっぱり。ころげおちそうな坂道をまた車まで歩いて帰った。その途中で、鳩がたくさんいるのを子供が嬌声をあげておっかけて走り回っていた。「どこの国も、おなじやねえ。」途中、石を積んだ小山があったので、あれは何かと聞くと、願をかけて石を摘むのだとか。賽の河原をイメージしてしまった。下につくと、すごいいきおいで、ガイドが手を打ち鳴らした。運転手がくあーと寝ていたから。びびる私たち。この人、本当はすごく、きつい人なのかもしれない・・・。車は、公園の中の坂道を下っていった。ガイドさんは、あたりまえのように新羅(しるら)免税店によってから、東大門(とんでもん)に行きますといった。免税店?。まだ、本格的な発音の地名になれないものだから、新羅をシルラと言ってるとわかったのは、かなり後だった。
コンビニとガソリンスタンド