新羅免税店と東大門
「ところで、ガイドさんの名前はなんですか?」と会長がいうと、まるで、オーノウ!?とばかりにびっくりして、大事なことわすれてましたと、ガイドさんは名詞をだしながら、わたしの名前は、なんとかです・・・っていった。聞き取れない。崔(ちぇい)さん。会長は崔さんにいろいろ質問をした。「何歳ですか?」「いくつにみえますか。」「28歳ぐらいかな(若く言ってみたんだと思う。わら)」「わお、うれしい。」「ってことは30代ね。」「結婚は?」「したいと思ってます。」・・・・つまり、30代の独身のガイドさん。日本語は、日本語学校で学んだそうで、日本にいったのは、2回。阿蘇方面と長崎・福岡方面にいったそうだ。ツアーの会社は日本にも支社があるけど、転勤する可能性はまったくないそうだ。家は、ソウル市内。携帯番号を教えてくれて、何かあったときには、そこに掛けてくださいという。崔さんは、日本人と韓国人を見分けることができるそうで、それは、日本人のほうがちょっとファッションといい化粧といい、垢抜けているそうだ。私たちも3日目ぐらいになると、見分けることができるようになったような気がする。崔さんは韓国の女性の中ではきれいなほうですねえ。
「韓国の女性は、整形をしているってのは、ほんとですか。」
「ほんとーですよ。私はあ、していませんけどお、ほとんどの女性があしてます。」
「親がお金をだしてあげるとか?」
「うーん韓国の親は、あまいですね。お金をーたくさんー子供に使いまあす。」
「へえー、ほんとなんだ。」
「あーとお、週末や連休になるとお、プサンのほうは、たくさんの人が日本からきまーす。日帰りで手術できるそうですよ・・・・。」車は大きなホテルの庭にはいっていって、新羅(シルラ)免税店についた。免税店の入り口で、竹塩せっけんをもらう。会長がいらないと私に渡す。バックが重くなった。ずしっ。ガイドさんと1時間後にヴィトンの店の前で待ち合わせした。ぐるぐる動き回る。3人はとりあえず、ばらばらに動く。ひとりになるのがこわいロンちゃんは、どっちかにくっついてくる。とりあえず、あれこれ見て回る。そうそうにお買い物をする気にはならない。最初のお土産やさんよりもさらに安い値段になっているのをみて、みんな憤慨している。レートは1ドル117円。ウォンで頭ぐるぐるなのに、今度はドル。会長がきれいな紫水晶の指輪をみている。いろいろ割引があって、結局6万円ぐらいになるとか。うーんと悩む会長をおいて、またぐるぐるまわる。ほんとに目が回ってきたので、
ちぇいさんが教えてくれた無料の自動販売機でくそまずいコーヒーを飲みながら、実演販売のお菓子を見てた。
蜂蜜のかたまりが糸になり、その糸にいろんなものをくるんでいる。おいしそうだけど、試食はない。ロンちゃんもそこにいたので、ふたりで食べてみたいねといいながら、時間が来るのを待った。集合したとき、会長に指輪を買ったか?って聞くと買ってないそうで。あそこまで計算させておいて?!会長は自営業でお金持ちなのだけど、秋からきびしくなるらしく、きゅうに物欲がなくなったみたい。またしても、誰も何も買わずに、車に乗り込んだ。いよいよ次は東大門(とんでもん)。東大門のドゥータというファッションビルに連れて行ってもらった。ちぇいさんと2時間後に待ち合わせした。ちぇいさんは、そんなに時間とってだいじょうぶですか?って心配したけど、時間は足りないほうだった。ここはファッションビルとはいうものの、ようするに、バッタ物が山積みされた小さな店が少なくとも400店以上は入ってる雑居ビルみたいなところだ。店主は商品を踏み越えて自分の店の中にはいり、ご飯を食べたり、お菓子を食べたり、留守にしていたりする。車の中で、ちぇいさんから、「かわいいー」という日本語は、ほとんどの人が知ってますから、言わないようにということと、「やすーい」というと、値切るのがむずかしいのでいわないようにといわれた。でも、私たちは、つい「かわいいー」といいながら、立ち止まってしまうので、ついには、わざと「かわいーい」というようになった。すると、おもしろいように店主がよってくる。私は最初、ふたりと別行動で、ひとりで動き回ったのだけど、なぜか、日本人とわかるらしく、いろんな人がいきなり日本語ですりよってくる。韓国何回目?いい物あるよ。って。最初帽子を買ったのだけど、別の店で、もっと安く売ってたりしたので、「ぼったくられた」という気持ちになって、とても、韓国人がきらいになりふくれっつらで、あとの二人と合流した。会長が値切るのがじょうずなので、彼女のうしろをついてあるくことにしたのだ。とにかく、値切る。そうすればいくらでも安くなる。底値になってくると、あちらも、もう売らないという気持ちになるので、そこんとこの駆け引きが、楽しみなのだと、帰るころには、思うようになった。しかし、とんでもんはとんでもないところだと、ほんとにむかついていた。私には合わない、この国は・・・って。わら。さまざまな洋服・バック・帽子・下着・雑貨が、売られていた。とりあえず、帽子をいくつかと、お土産のキーホルダーをいくつか手に入れて、となりのミリオレというビルに入った。そこも、ドゥータと同じようなビルだった。けっきょく、とんでもんでは、会長がバックをふたつ、ロンちゃんがバックをひとつ買った。それぞれ、かわーいーいバックだった。