美人美人ソウル
一日目
午前3時半ごろに目が覚めた。NHKをつけると台風情報が静止画像でずっと映し出されている。午前3時に発表された台風15号はもう少しで福岡空港を暴風圏内に飲み込もうとしている。げげっ。それから眠れなくなった。アクセスをしてメッセージを打ち終わったころ、生のニュースで台風情報が流れ始めた。すでに欠航している便の発表もある。その中に、宮崎発長崎行も欠航しているのを見つけた。げげ。せめて、出発して欲しい。旅行は中止になるのだろうか。仕切りなおしができるとは思えない。 でも、いくらなんでも、あと少し寝ておかないと・・・と思いつつ、ニュースを聞きながら、5時まで眠ることにした。携帯のアラームを5時にセットしなおした。
 雨音はショパンの調べが、5時に鳴った。少し眠れたみたい。5時の台風情報を見た。3時と少しも変わっていないように見えた。よし、とりあえず、飛ぶだろう。起きてコーヒーを飲んだ。念入りに化粧をして、髪を梳かし、用意した服に着替えた。そして、繰り返し同じことをいうニュースを見つづけた。
Gパンに白のタンクトップ、その上から深緑の中そでのシャツ。キタムラのトートバックに貴重品をいれて、旅行バックを肩からさげ、6時20分のロンちゃんのシビックが迎えに来るのを待った。
 時間ぴったりにロンちゃんが迎えにきた。ロンちゃんは、助手席にすわるなり、「空港に問い合わせようかと思ったけど、行ってみないとわからないしね。」っていう。10分ぐらいすると会長の家についた。会長のうちは、通路をコの字に曲がった先に庭がある。その曲がり角を曲がれない。ひえー。もう一度切り返すとやっと通った。ロンちゃんは
帰りはどうしようと、いまから、心配し始めた。庭先にでてきた会長は、まだ時間あるからと、リビングで、お茶を出してくれた。6時45分になってやっと会長の化粧が終わった。マスカラは車の中でと言ってる。長い化粧だ。わら
私たちは、会長のパパの自慢のセルシオに乗って、いざ福岡空港へ。高速を使って30分。セルシオには、ナビ兼テレビがついていて、台風の進路を見ながらマスカラつけながら、音もなく走っていく。
台風は時速15キロ。空港まで30キロはある。ここから空港までは台風の進行方向と同じだ。2時間後も、こんな状態なら、飛行機は飛ぶね。るん。
ロンちゃんは、車の中で、旅行直前に、仕事がはいった!旅行のことは聞いてない!といいきった旦那の悪口をいいはじめた。今回の旅行のネックは、まさに、ロンちゃんの旦那さんだった。やっとふーんという了解をもらって、日程がきまったのだから。ドタキャンしなくて良かったね。ほんと。
7時15分に、福岡空港の国際線についた。近ツーのカウンターのお姉さんが、美人美人とかいた札をまさにぶらさげようとしてたところだったので、遠くから指をさしたら、ぶらさげようとしてた看板を後ろに戻した。わら
パスポートを見せると、航空券をもらった。荷物を預けるためにカウンターに並んだ。
朝食を抜いてきたので、おなかがすいた。
さっそく、3人でロイヤルというビッフェ式のレストランに行った。ロンちゃんは黒パンのサンドイッチとコーヒー。
会長は、パンとヨーグルトとサラダとコーヒー。そして、私は生ビールと鳥のからあげ。わら
「朝食だよ?」
「いくらなんでも、11時すぎないとねえ・・」
というふたり。わら。ごちそうさま。ついでに、ロンちゃんのサンドイッチも少しいただいた。8時半までゆっくりして、出国手続きに並んだ。無事に通過すると、少し免税店を見て歩いた。ブランデーの試飲のところにくると、会長が「ほら、ケイちゃん」というので、いただいた。そのブランデーは私がお菓子を作るときにたっぷり入れるあれじゃないか。げげ。こんなに高かったのか。わら
ソウル行きのJAL機は、定刻の9時15分に離陸した。飛行機は2.3.2列となってたので、真中の3列並んだ席だった。小さめの飛行機で、しかも満席じゃない。うーん。
かなり強風が吹いているので、飛行機がゆれる。なんだか、おしりがむずむずする。上昇が終わったかと思ったとたんおしぼりがきた。そして、軽食の弁当がでた。会長はでないといってたのに。JALだからだろうか。わら
途中、一回だけエアポケットにはいって、ぞーんとしたので、機内では悲鳴があがった。げろげろ。こういうのが続いたあげくに墜落したおつたかやまの事件が頭をよぎる。遺書なんて書く余裕はないな。終わらないジェットコースターだ。などと、絶望的な観測をしていたら、それでも、シートベルト着用の表示が消えた。いいのか?わら
ごはんと、ちょっとしたおかずとお茶がひとつの箱にはいってでてきた。私たちは3人ともおかずだけ食べて、紙パックのお茶をバックにいれた。だって、食事したばかりだったから。このときから、私たちはおなかがすいたと思う時がなくなってしまった。弁当がおわるころ、コーヒーをいただいた。そのコーヒーを飲み終わらないうちに、飛行機は着陸体制にはいった。いよいよ到着だ。