| 11月20日(土) ●今日は通し稽古です。随分長いこと稽古してきた気がしますが、こうして全幕通すのは初めてで、昨日までいくらやってもドンドン出てくる細かいダメ出しと格闘していたので、今日は果たして通るんだろうか、ザウワーさんは何も口出ししないで最後まで黙って観ていてくれるんだろうかという心配もあったりして。演じる私たちもこれまでとは違う緊張感が漂います。 ●そういう気負いも影響したのか、急に歌詞が飛んでしまったり、段取りがおかしくなってしまったり、といったトラブルは随分ありましたが、今日はともかく全部演奏し切ることが第一目標ですから、何とか通せてよかったです。今日は本番ではありませんからね。こうして通してみると、ちゃんとできている所と薄い所、うまくつながっていなかった所などがよく見えてきます。ここから先のみんなの完成スピードはどんどん加速してゆく事でしょう。二期会の公演に出させていただく機会はまだそんなにない私ですが、本番の2週間前のこの時期に既に通し稽古をすることができるなんて本当に有り難いことですね。しかも忙しいキャストの皆さんも(今までもかなり調整されていましたが)ここから全員出席ですから、本当に恵まれた公演、こういう事はなかなかできないと思います。主要キャストの歌の出来やオーケストラのドラマチックさなどでカバーできる公演も多いかもしれませんが、やはりこれだけの人数でこれだけの集中した稽古を積んだ、団体戦のドラマには説得力があるなぁと、全幕見ながら思いました。 ●演技のダメ出しの方も、前に言われた事と逆の事を言われたりする事が多くなってきました。矛盾するのはおかしい!と思ってしまう人もいるかもしれませんが、一度アドバイスした事がやりすぎてしまって逆効果となる場合もままあるのです。発声も同じですが、すべてはバランスなんですね。右に行けばいいと思っていても行きすぎていたら左に行けと言われるのです。本当の地点よりも右も左も体験している方が、バランスはとりやすいのですし、真逆のダメをもらう事はある意味勲章だと思っていいかもしれません。
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