ー早くしてくださいー
スキューバダイビングの国際免許をとるために、健康診断が必要になりました。しかし、学校があるのでなかなか病院にはいけません。ドライバーさんに、学校に一番近くて心電図がとれるところはないかと聞き、そこまで連れていってもらいました。病院に着くとそこはぼろぼろの建物で、人がごったがえしています。Healthiness examination(ヘルシネス イグザミネーション)を受けたいという意向を説明し、随分と待たされたあげくに診察室に通されました。パンツ一つになり、ワセリンを塗られ、電極を胸や足につけられて横たわっているときに、救急車がやってきました。その診察室の壁は、がばっとあくようになっていて、交通事故があって危篤の人がいるからということで、私は裸のままたくさんの人の目にさらされたままになっていました。医者や看護婦が総動員して心臓マッサージなどをしているのです。50才ぐらいの男性です。マニラは毎日のように交通事故があるのです。酸素マスクや点滴などもしています。私はすっかり忘れ去られた感じになってしまいました。しばらくしてやっと私の番が回ってきました。するとそこには看護婦の研修生が10人近く集まってきて、心電図をとる練習をしたいから、モデルになってくれないかと言います。承諾するとその女医さんはあなたはハポン(日本人)かなどと聞いて来ます。フィリピノ語はできるかときいてきたので、うろ覚えの「イキナ ガガラク コンマキララ カヨ」と答えると。そこは拍手かっさいになりました。結局心電図をとるために1時間もかかって病院をあとにしました。お金を払うときに、女医さんは名刺をくれて、私にプライベートビーチを売りつけようとしました。日本人は誰でも金持ちと思っているのでしょう。

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マニラの朝