その場に居合わせた数十パーセントの人に発症する可能性がある・・・・

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

災害、事故など、人間が普段の生活の中で体験する範囲を越えた生命にかかわる外傷的出来事を経験した後に生じる様々な心的障害をいう。日本では北海道南西沖地震、阪神大震災、中越地震、中越沖地震、地下鉄サリン、911ニューヨーク同時多発テロ事件などで注目を集めた。

.PTSDの診断基準

  1. 心的外傷体験・・以下の2つの心的外傷体験にさらされたことがある。
     1)生命に関わる危険な体験あるいは目撃
     2)恐怖感、無力感、戦慄などの反応
  2. 再体験・・外傷的な出来事が以下の一つ以上のかたちで再体験され続けている。
     1)体験(出来事)の反復的で苦痛な想起
     2)体験の反復的で苦痛な夢
     3)フラッシュバック
     4)類似の体験で心理的苦痛
     5)類似の体験で生理的反応
  3. 持続的回避と反応性の麻痺(3つ以上)
     1)体験の関連事項の思考、感情、会話の回避
     2)体験を想起させる活動、場所、人物を避ける
     3)解離性健忘
     4)生活意欲の減退
     5)孤独感
     6)無関心、感情の減退
     7)将来の希望減退
  4. 持続的な覚醒亢進症状(2つ以上)
     1)睡眠覚醒スケジュール障害
     2)易刺激性または怒り
     3)集中困難
     4)過度の警戒心
     5)過剰な驚愕反応
  5. 2、3、4の症状が1ヶ月以上
  6. 障害が他の重要な領域(社会的、職業的)における機能の障害を引き起こしている
  7. その他
     急性:症状の持続期間が3カ月未満
     慢性:症状の持続期間が3カ月以上
     遅発性:6カ月以上たって症状出現

.PTSDの危険徴候

○ 解離症状(自分が自分でない感覚)
   フラッシュバック(日常のわずかな刺激が引き金となって外傷体験がよみがえる)
   自分の体験を人に話したがらない
    周囲との関係を拒絶する
    家庭崩壊状態
    死別による病的悲嘆
    履歴現象(後悔が愚痴っぽくなっている)
    アルコール依存
    薬物依存
    記念日反応

3.PTSDの対策
      メンタルケア
      急性期のストレス障害に対するすばやい対応
     患者のいる現場に出かけること、話をきくこと(専門家の訪問相談)、知人等で本人が心を許す身近な人が話を聞いてあげる。
     情報の一元化
     コーディネーターと支援体制の構築