「自分たちの命や地域は自分たちで守る。だって地域は大きな家族だもん」

  自主防災組織って?

まずは、近隣や自治(区)会の人たちで、災害の発生時や、発生の恐れがある時にお互い助け合い、協力できるよう日頃から心がけることが大切です。

阪神・淡路大震災のときには、同時に複数の場所で火災や建物の倒壊が発生したため、消火活動や救出活動が難しい状況でした。また、発生直後は、電話が不通となり、倒壊した建物で道路が塞がれるなど、情報や交通網の混乱で警察や消防署等の防災関係機関は十分な機能を果たすことができませんでした。しかし、そうした中で、防災関係機関が到着するまでの間、急を要する消火活動・人命救助に活躍し、火事を食い止めてガレキの下敷きになった人々を救出したのが、地域住民の日常的なつながりにより組織された自主防災組織近隣の有志の人々でした。ボランティアとして実際体験した中に、「おい、ここのおかあちゃん家の下敷きになっているぞ。兄ちゃん手を貸してくれ」 「確か、ここのおばあさんは1人じゃ動けないよなぁ。いつもこの辺に寝ているぞ」 「重くて持ち上がらない。誰かあそこの重機使えるか?」 「こっちで声がしているよ。「お〜〜〜い、聞こえるか」」 などなど。これって、普段の隣近所の付き合いがあったからこそできたこと。いざというときの大きな災害に備えるためには、地域における助け合いと協力が非常に重要であるということを阪神・淡路大震災は尊い犠牲の中から教訓として残しています。日頃から災害に備え、また被害をできるだけ最小限に抑えるために地域で活躍する組織を「自主防災組織」といいます。


住民の方は自主防災組織や訓練に積極的に参加しましょう。

災害が発生すると、なかなか思うように身体が動かないものです。また、物事を正常に判断できなくなります。地域住民の方全員が被災者だからです。その中で組織として動くには、自分にはどんなことができ、どんな役割ができるのか、どんな行動をしたらよいか分かってないと活動することはできません。
いつ災害が発生しても対応できるように、繰り返し訓練を行い、防災活動に必要な技術や知識を覚えることが大切です。
自分たちで模索しながら計画をたてるのを大切なことですが、正しい技術を習得するために、消防署、あるいは、多くの情報や技術を持った方の指導を受けたり、訓練終了後に反省会行って内容を見直したりすることが重要です。

地域に合った防災計画を


高齢者の方が多い、団地が多い、昼間留守にしている家庭が多い、木造家屋が多い、建物が密集しているなどなど、地域にはさまざまな違いがあります。防災計画を作成する際、訓練をする際、地域の特徴・状況を十分考慮することが大事です。


☆自主防災組織の活動内容(参考)

○平常時
・ 防災知識・知識・物の普及啓発
・ 地域と各家庭での災害に備えた安全点検
・ 高齢者・障害者等の災害弱者(要援護者)の確認
・ 防災用資機材の点検・整備・管理
・ 地域に合った計画を立てた上での防災訓練の実施

○災害時
・ 情報班・・・・・・・災害情報の収集と伝達
  消火班・・・・・・・出火防止および初期消火
・ 救出救護班・・・負傷者の救出や救護活動
・ 避難誘導班・・・住民の避難誘導
・ 給食・給水班・・炊き出し、水・食料などの配布

☆防災訓練(参考)

情報収集伝達訓練

・ 地域を回り被災状況の確認結果、避難状況などの情報を早く、正確に収集・伝達できるか。
・ 噂やデマに惑わされないよう正確な情報を地域の人に正しく伝えられるか。

消火訓練

・ 消火器・消火栓・消火ホース・バケツなどの消火用資機材の使用方法や消火技術の習得。
・ 火災からの身を守る方法の習得。

救出・救護訓練

・ 応急手当の方法、はしご、ロープ、バールなどの救出用資機材の使用方法を習得し、倒壊した家屋からの救出方法や、落下物にあたってケガをした人の救護活動。

避難訓練

・ より安全な避難の方法を学び、指定された避難場所まで早く安全に避難誘導できるか。
・ 災害弱者(要援護者)を安全に避難させることができるか。
・ 取り残された人はいないか。
・ 住民の避難時の服装や持ち物は良いか。

給食給水訓練

・ 炊き出しのほか、限られた資機材の中で、食料や水を確保する方法や配分する方法の確認。

担当する班

平  常  時

災  害  時

情 報 班
(収集・伝達・周知)

地震や風水害について、正しい知識を吸収し、普及啓発に努める。

○印刷物の配布や講演会などによる啓発。

○災害時の情報収集伝達の訓練。
2次災害・被害拡大防止を呼びかける。

○迅速に災害情報を収集して、自主防災本部に伝達報告する。

避難命令の伝達、警戒宣言の伝達。

○噂やデマ情報の防止に努める。

○正確な被害状況を集約し、行政や関係する防災機関へ連絡する。

消 火 班

○初期消火の訓練の実施

消火用水の位置、機材の点検と確認・確保。

○各家庭への初期消火器具の設置を促進する。

家庭での初期消火方法の指導。

○組織としての消火体制を確立する。

○出火防止の呼びかけ。

火災警戒・見回り。

○初期消火活動。

○迅速・的確な初期消火活動。

救出救護班

負傷者の救出・救護に必要な用具調達と取扱い方法の確認。

○技術の習得と指導。

防災資機材、備蓄品を点検・調達・管理する。

○救出、救護訓練の実施、特に高齢者等災害弱者(要援護者)の救出体制等を計画する。

○負傷者・自力行動不可能者の把握

○負傷者の救出・救護。

防災資機材物資配分。

○自力行動不可能者の救出。

避難誘導班

○安全な集合場所、避難経路の巡回点検。現状把握。会員へ周知。

避難訓練の実施。

○災害弱者(要援護者)の把握。

○町内の危険箇所の点検。

避難場所、避難路の安全性の確認。

○避難者の確認

○避難誘導

○避難世帯及び人員の確認。

給食給水班

非常持ち出し品(備蓄品)の啓発。

炊飯用具・食料品などの点検・調達・管理。

○物資の調達計画の検討。

○炊き出し訓練。など

○給食、給水訓練の実施。

○給食・給水用備蓄品の確認、管理。

○炊き出しの実施。


○給食、給水の配分。