帰宅困難者
帰宅困難者(きたくこんなんしゃ)とは、通勤・通学途中あるいは会社や学校にいるとき、または旅行中などで自宅以外の場所にいるとき、地震などの大規模な自然災害が発生し、帰宅することが難しくなった人のことをいう。なお、次に掲げる事情により帰宅が出来なくなった人を表す場合が多い。
1. 被災地内やその周辺地域の公共交通機関が運休・欠航した場合
2. 被災地を通過あるいは目的地とした公共交通機関が運休・欠航・した場合
3. 道路や橋の破損、土砂崩落などで通行が困難あるいは通行止になった場合
4. 国や都道府県、市町村の防災計画により、運行禁止などの措置がとられた場合
自宅に帰るために
(1)自分で守る自分の命。
突然、襲ってくる災害から身を守るためには、日頃から、準備しておくことが大切です。
(2)通行止めや交通規制などにより、激しい渋滞が発生する。
道路の破損、土砂崩落、倒壊家屋が道路を塞ぐなどの状況で通行止め箇所がある。通行止めにはならないにせよ通行が困難あるいは通行できない。救出・救援用緊急車両専用の交通規制が行われる。車で避難しようとする人々が幹線道路に集中して思わぬ場所で渋滞が発生する。高速道路は安全確保のために閉鎖されるほか、緊急車両通行用の道路確保のために一般車両は通行できない。
(3)大規模地震災害生時や警戒宣言が発令された場合には、被災地内あるいはその周辺地域、または、それらの地域を通過・目的地とする公共交通機関は運行を中止します。
大規模地震発生や警戒宣言が発令された場合、公共交通機関は運行を中止します。また、過去に地震が発生したときの状況を教訓とすれば、運行の再開までにはかなりの時間が必要とされることが予想されます。
自宅に帰るために考えてみよう
(1)まずは、情報の収集から
自宅から離れた場所あるいは見知らぬ土地で被災した場合、急いで自宅へ戻りたい(帰りたい)と考えるのが心情ですが、まずは心と頭を落ち着かせて状況を見極めることが大事です。
1. ラジオ・テレビなどで正確な情報を収集する
2. 出所がわからない情報は他人に言わない
3. 噂やデマに振り回されない
4. 冷静な判断と、適切な行動をとる
(2)家族の安否の確認は
新潟中越地震などの災害が発生したときの状況を教訓とするに、一般電話や携帯電話を使って連絡を取り合うのは不可能に近い。家族・会社・知人との連絡には、@NTTが提供する災害用伝言ダイヤル171(イナイ)やA携帯電話各社の災害用伝言板サービスを使った連絡方法が良い。万が一を想定して平時に@Aの利用方法を覚えておくことを勧める。また、遠くの親戚などを連絡先にしておくのも良い
(3)自宅までの帰宅経路を考える
徒歩による帰宅ルートを平時に確認しておきましょう。
1. 徒歩、バスにより町並みを記憶する
2. 危険個所を把握する
3. 昼と夜では、風景が一変する
4. 住宅街の細い道は、危険が多い
5. 利用可能施設(休憩場所)を確認する
6. 通行止め、交通規制を想定し、迂回路も検討する
(4)帰宅グッズを備えよう
徒歩により帰宅する場合、状況によっては事前の準備が必要となります。
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歩きやすく長距離を歩いても足を痛めないスニーカーなど
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携帯ラジオ
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手袋
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タオル
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救急セット
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携帯食料、飲料水(飴・チョコレート・ビスケットなど)
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自宅までの地図
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懐中電灯
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冬は防寒着・カイロ
職場、学校における備え
(1)水、食料、毛布等の備え
l 飲料水、食料(3日分程度を目安に)
l 毛布、暖房用品
l その他 医薬品 防水シート、テント、ラジオ、乾電池、ヘルメット、軍手、長靴、自転車など
※ 保管場所は、取り出すときの容易さ、耐震性、分散化を考慮する。
※ 飲料水、食料、乾電池等、期限のあるものは定期的な入れ替えを。
(2)災害時に関わる対応内容
l いつ帰宅させるのかの判断基準
l 帰宅の手続き(帰宅指示など)
l 帰宅時の携帯グッズの中身と配布方法
l 帰宅後の連絡方法
l 帰宅困難者対応
l 訪問客、顧客対応
l 出社の判断基準と流れ
l 近隣地域との相互支援体制と連携方法
l 情報の収集、伝達方法の整備
l 社内・関連会社との連絡網の整備と方法
l 災害時の行動リストの作成
l 自主防災組織(チーム)の編成