2005.12.18

「名牝・アドマイヤグルーヴ」

   
       昨年の金鯱賞でのアドマイヤグルーヴ

 アドマイヤグルーヴが今日のレースで引退しました。
 引退レースは「阪神牝馬ステークス」(芝1600M)。ダントツの1番人気は,今年の桜花賞・NHKマイルカップを制したラインクラフトでした。ラインクラフトが1番人気になったのは当然だと思います。何せ,先日のマイルチャンピオンシップでも,古馬の牡馬と互角にやりあいました。とにかく,マイルでの実績は文句のつけようがありません。
 一方,アドマイヤグルーヴは,徹底的に中距離で使われてきた馬。マイル挑戦は何と,桜花賞以来2回目とのこと。最近の勢いとマイル適正を考え合わせれば,ラインクラフト有利と考えるのが自然だったでしょう。
 でも,私の本命はアドマイヤグルーヴ。グルーヴの単複のみを買いました。正直,単勝に自信はありませんでしたが,今日はグルーヴを買うしかありませんでした。
 レースは,ラインクラフトが絶好のスタートを切り,そのまま先頭をひた走るという意外な展開に。ペースもスローになり,第3コーナーでは,このままラインクラフト楽勝かと思わせました。しかし,その辺りからグルーヴが外から上がってきました。手応えも悪くないようです。そして,第4コーナーであっという間にラインクラフトに並びかけると,そのままラインクラフトを置き去りにします。直線では,ペリエのレクレドール,アンカツのマイネサマンサの追撃を振り切り,見事,昨年のエリザベス女王杯以来の勝利を挙げました。ゴール直後,武豊がグルーヴの首を叩いてあげていたのが印象的でした。
 振り返れば,3歳馬・ラインクラフトに女王の意地を見せつけた1600M。これだけの強さを見せれば,武豊ならずとも「マイルの方がより適正があったのでは」と思ってしまいますね。

 私にとって,グルーヴは大好きな馬でした。3歳の頃は大嫌いだったんですけどね(笑)。なぜなら,私は当初,専らライバルのスティルインラブを応援していたので。。。
 古馬になって,グルーヴは牡馬と戦うようになりました。中距離牝馬にとって牡馬との戦いは,あまりに過酷です。現に,スティルインラブは全く歯が立ちませんでした。グルーヴもかなり苦戦しましたが,その姿に私は共感するようになりました。
 そういう馬ですから,牝馬限定戦には強かったですね。牡馬と日々戦う馬にとって,牝馬限定戦など,赤子の手をひねるようなものなんですね(たとえば,今年のエリザベス女王杯のスイープトウショウなども同様)。その“弱い者いじめ”する姿がめっぽうカコイイわけです。その点からして,ベストレースは昨年の「マーメイドステークス」「エリザベス女王杯」でしたね。

 かつて中京競馬場にグルーヴを見に行ったことがあります。昨年の金鯱賞でした。そのときは超豪華メンバーで,タップダンスシチーやザッツザプレンティー,スティルインラブなども出走していました。グルーヴはとても“美人”でした。何といってもサンデーサイレンスとエアグルーヴの仔ですからね,上品この上ないという感じでした(ちなみに,そのときは5着)。来年からは繁殖馬として活躍するアドマイヤグルーヴ。きっと自らのような気品あふれる仔を輩出してくれるのではないでしょうか。

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