怪しげ?「陰陽師ツアー」 MAP
◇ 25日(火),日帰りで京都へ行ってきました。今回のテーマは「陰陽師ツアー」。映画・小説・マンガで話題の『陰陽師』ゆかりの地を訪ね歩くのです。ず〜っと行きたかったのですが,冬休みになってやっと実現しました。「陰陽師ツアー」ですからねえ,普段は行きそうもない場所もどんどん巡っていきますよ。それでは,スタートでございます…… ◇ 京都到着は8時08分。まず行くべきは観光案内所。「一日乗車券」を買うためです。修学旅行では大活躍だった乗車券。あちこち行く場合はゼッタイにいいですよ。結果的に安いですし,いちいち小銭を出す手間が省けるのがうれしいですね。 ◇ 最初の見学場所は「東寺」。京都駅から歩いて行ける場所にあります。空海が開いた寺院で,正式には「教王護国寺」といいます。平安京ができたとき,羅城門の東に東寺,西に西寺が造営されました。現在,羅城門と西寺はありませんが,東寺だけは東寺,いや当時の趣を今に伝えています。最も目をひくのは何といっても国宝・五重塔。江戸時代に再建されたものですが,高さ57M。現存する塔の中で国内最高だそうです。それに,南大門と金堂もなかなか立派でした。思わず写真を何枚も撮りたくなってしまうような,雰囲気のいい寺院でした。それにしても,敷地内を堂々と通学していく高校生たち……う,うらやましい…… ◇ 「羅城門」は今はないと書きましたが,場所だけはしっかりと分かっています。東寺から西へ500M行ったところです。せっかくなので足を運びましたが,小さな公園の中央に「羅城門遺址」と刻まれた石碑が建っていました。『陰陽師』で,源博雅が“玄象の琵琶”を取り戻しに来たのがこの門でした。当時,羅城門は盗賊や人殺しなどの“溜まり場”となっていました。その地に立ち,「当時はどんな様子だったんだろう……」と勝手に想像する翠でありました。 ◇ ここからは地下鉄に乗って北へと向かいます。目指すは「神泉苑」。神泉苑は,平安京造営の際に大内裏の南に造られた禁苑です。当時から雨乞いの霊場として有名でした。雨乞い伝説の中で最も有名なのは,東寺の空海と西寺の守敏の法力争いです(結果は空海の勝ち)。昔はかなり広かったそうですが,今では16分の1になってしまったとか。池に架かる朱塗りの橋は,願いを込めて渡れば叶うそうなので,とりあえず渡っておきました。ホントに叶うかな?
◇ 神泉苑から地下鉄とバスを乗り継いで,今度は「北野天満宮」へ。天満宮といえば,祀られているは菅原道真公(菅公)であります。『陰陽師』では,超恐ろし〜い怨霊として何度も登場します。実は,私が『陰陽師』で一番好きなのは菅公でして……だからこそ北野へ北野,いや来たの。菅公は超博学の人で(よって学問の神様なのです),ついには右大臣にまでなりました。それを快く思わなかったのが藤原氏。結局,菅公は藤原氏の陰謀で太宰府(福岡県)へ左遷され,その地で亡くなりました。以来,京では次々に怪異が起きました。度重なる落雷,疫病の流行,そして長い日照り。菅公の失脚に関係した時の権力者も次々に病死。人々はこれを菅公の祟りと考え,恐怖しました。そんな中で整備されたのが北野天満宮。菅公を神として崇め奉り,その怒りを鎮めようとしたのでした。それにしても,菅公の怒りは凄いですね(怒って当然ですが)。 『陰陽師』でも,その形相たるや凄まじいものがあります。でも,そんな菅公に,私はなぜか心ひかれるのです……
◇ 北野天満宮はとても混雑していました。参道には出店がたくさん出ていて賑やか。その中に中高生らしき子が大勢いるのは,「学問の神様」へお願いすべきことがあるからでしょう。いや〜,ナンダカンダ楽しい北野天満宮でした。 ◇ 次に行ったのは「晴明神社」。その名の通り,陰陽師・安倍晴明を祀る神社です。晴明神社は晴明亡き後,晴明邸の跡地に建てられました。しかし,応仁の乱などで焼かれてしまったため,今の地に再建されたとのこと。最近は『陰陽師』のおかげで人気スポットとなった晴明神社ですが,行ってみるとビックリするほど小さな神社。そこら辺にある神社と見分けがつかないくらいです。違うのは,まず絵馬の多さ。有名人の絵馬もたくさんあって,さすが人気スポットだと思いました。それに女性客の多さ。約半数は10〜20代らしき女性なのです。映画とマンガの影響でしょう。グッズ(と言っては不謹慎か?)もよく売れていましたね。そういう私もしっかり買ってしまいましたが。 ◇ 神社のすぐ近くには「一条戻り橋」があります。映画にも出てきました。この橋が「晴明ワールド」への入口なのです。また,晴明はこの橋の下に“式神”を隠していたと言われています。一応,橋の下を覗き込みましたが(私ってアホかも……),何もいませんでした(いたらスゴすぎます)。 ◇ 次に向かったのは「京都御所」。ご存知の通り,とにかく広〜いのです。正確に言えば,京都御所の中に入ることはできません。春と秋の一般公開のとき,もしくは事前に所定の手続きをしたときしか入れないのです(私は高校生のとき,1度入っているのですが,死ぬまでにもう1度くらい入りたいな〜と思っています)。今回は,乾御門から入って京都御所のまわりを歩きました。砂利を踏みしめ踏みしめ歩きます。そして「おや?」と思います。京都御所は四方を築地塀に囲まれています。ちょうど長方形のようになっていますが,なぜか北東の角だけくぼんでいるのです。これぞ京都御所の鬼門「猿ガ辻」です。鬼門だけに築地塀にも細工がされているわけです。さらには,その屋根裏に猿の木像を置き,鬼門を守らせています。しかし,この猿,夜ごとに辺りをうろつき,人にいたずらをしたため,以来,金網に閉じ込められたそうです(確かに閉じ込められていました)。また,ここは幕末に姉小路公知が暗殺された場所でもあります(猿ガ辻の変)。 ◇ 最後に向かったのは「平安神宮」。修学旅行の下見でも訪れましたが,映画『陰陽師』の撮影場所とあっては,今一度来ないわけには参りません。シンボルの大鳥居をくぐり,どんどん歩いていくと,正面に見えるは朱色の大門・応天門。そして,中に入ると……「何じゃ,ありゃ?」何やら大極殿の手前に妙な建物が2つ,できているではありませんか。そこには大きな看板が…「おみくじ」……あ〜,おみくじ売り場ね。正月の準備ですな。でも,ちょっと興醒めだな……大極殿に入ると,奥から何やら音楽が聞こえてきました。ちょうど儀式が始まったのでした。独特の楽器から奏でられる音楽は,いかにも荘厳で,思わず聞き入ってしまいました……
東 寺→羅城門跡→神泉苑→北野天満宮→晴明神社→一条戻り橋→京都御所→平安神宮 |
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