チェーンソー作業従事者特別教育について
チェーンソーを用いて行う立木の伐木作業については「労働安全衛生規則」
により特別教育を必要とすると定められています。12月4,5日に「チェーンソー
作業従事者特別教育」を受講してきました。今回はこの様子をレポートします。
開催日時:
12月4日(火)、5日(水) 9AM〜5PM(年に2,3回行われています。)
開催場所:神奈川県農業総合研究所(平塚からバスで約30分)
(7月に森林作り公社のボランティアで下刈りをしたところです。)
受講料 : ¥9,000(テキスト¥17,00、修了証手帳、消費税を含む)
募集定員: 80名(但し今回は申込多数により120名が受講)
主催 : 林業・木材製造業労働災害防止協会
(略しても長い、林材業労災防止協会)神奈川県支部
受講の様子
1日目:あいにくの冷たい雨、8時45分に会場に到着。既に会場は満員に近い。
受付後、開講挨拶があり、座学がスタートした。講師は主任安全管理士
の松隈 茂氏。
9:05関係法令→伐木作業で年間約60人が死亡事故、うち30人は伐倒作業
でさらに半数が下敷きによる死亡。保険の労災率は他の野外作業
30/1000に較べて伐木とトンネル作業は133/1000と極めて高い。この特
別教育を終了していなければ労災の適用は受けられないとの事。
林業40年のプロで4日以上の休業災害を平均2.2回起こす確立になる
そうな。
10:00伐木作業に関する知識→服装、保護具、作業準備などを始め伐木造材
作業の詳細についてテキストに沿って講義。
12:45〜13:45昼食
13:45伐木の方法→かかり木の処理、追いづる切り、三段切りなどについては
ビデオ画像により学習。午後の授業は眠たかったが、欧米との講習テキ
ストの違いなどの説明もあり大変参考になった。
15:30振動障害予防に関する知識→レイノー現象(白ろう病)などを予防する
為チェーンソー操作時間は1日2時間以下、連続時間は10分以内と
すること。
16:30予定より30分も早く終了。
2日目:天候晴。絶好の伐木日和。チェーンソー実技があるので安全靴を履いて
きた。チェーンソーメーカーの共立のカタログ、安全のしおりが配布される。
9:00 チェーンソーに関する知識→日本チェーンソー協会の藤巻 亮二氏
(共立のえらい人らしい)による自社製品の宣伝からスタート。
チェーンソーの構造、取り扱い方法、特にキックバック防止について講義。
10:00チェーンソーの点検整備→10班に別れ、チェーンソー実物を分解しなが
ら点検方法について学習。ときおり自社の特徴を自慢気にはさまれる。
私の班には林業20年のプロがおり、控えめながら色々補助解説をして
くれた。彼はスチール社のチェーンソーが一番振動が少なく、使い勝手
が良いと。次に目立て作業の方法についてビデオ画像により学習。
この目立てをマスターしたいために来たと先ほどのプロが言っていた
ほど一見の価値あり。
目立てが悪いと、作業効率は悪く、燃料を食い、さらにはチェーンソー
故障の90%はこれが原因であるとの事。
12:45〜13:45昼食
13:45 チェーンソーの操作実技→駐車場そばに移動し、実際にチェーンソー
の操作を行う。直径約35cm、4m長の丸太が2本、そして実技用チェ
ーンソーはたったの2台。120名にたったの2台ですよ。2班に別れ、
順番にV字切りに挑戦。スイッチをON、スタータハンドルを引きエンジン
をかける。正しく握り、丸太を切った。まあまあの出来。
そしてまたまた景気のよい共立の経営状態の話などがあって実技終了。
15:10閉講式、修了証授与。予定より2時間近くも早く終わってしまった。省令
でもっと長い時間割まで指定されているというのに・・・まあ冬は日が暮
れるのが早い。明るいうちに終了するのも安全教育の一つか?
¥9,000はちと高いが受講の価値あり。受講者はほとんどが男性。女性
は4名くらい。東京電力の若い現場員が20名ほど来ていたのにはびっく
りした。ボランティア作業のために来ている人も沢山いたようだ。