エピソード2(札幌〜名寄)

 96/8/6 札幌〜美唄

    1年振りに札幌時計台に帰ってきた。国道5号線から国道12号線にバトンタッ

    チ。東橋を過ぎ、大谷地で(そのまま真っ直ぐ進むと実家のある長沼町に至る)

    左に折れる。野幌のあたりで開道100年記念の塔が右に見える。この辺りは学

    校が急速に増えたところで歩道も走りやすい。やがて江別を過ぎ、道の左の土手に

    上がると石狩川がゆったりと流れている。しばらく土手の上を走る。石狩川と別

    れると、岩見沢までは水田が広がる田園風景。徒歩で岩見沢まで行くと言う女子

    学生にあった。とその時無粋にも携帯電話が、客先でトラブルだと。東京まで戻 

    るわけにはいかないと対応を会社に依頼。岩見沢市ではバイパスを通ったが直進

    した方が良かったかも。美唄の手前から美唄、奈井江町、砂川市そして滝川市に

    至る道は日本一長い直線の国道で約30km、道の左に看板で示されていた。北

    海道はとにかく直線道路が多い。

       石狩の 水引く青稲 涼しげに

     美唄の親類宅泊  走行距離64km

96/8/7 美唄〜神居古潭

    さて久しぶりに親類に一泊歓待されて、アルコールがやや残るが美唄から直線道

    路の続きをひた走る。明治大正昭和の開拓移民の女性3代を描いた「新十津川物

    語」の舞台、JR札沼線の新十津川駅もほど近い滝川で直線道路が終わったと思

    ったら、またも約10kmの直線道路、単調で飽きる。深川市音江のコンビニで

    食料を補給、とラジオから渥美清さんが亡くなったとの訃報。あの寅さんが死ん

    でしまったのか、走りながら冥福を祈る。もたもたしていたら日が暮れてきた。  

    神居古潭で宿を探すがその気配なく、やむなく土木工事の人の車で旭川まで乗せ

    て貰う。おまけに宿まで同宿させて頂き、感謝感謝。

       百年の 新十津川の 田草取り

     ニュー旭川ホテル泊(2食付き¥5360) 走行距離61km

96/8/8 神居古壇〜塩狩温泉

    昨日の人はまた神居古潭まで戻るというので図々しくも送って頂いた。春志内を  

    過ぎ、12号線の旧道に入る。サイクリング道路になっていて、ローラースキー

    の集団に遭遇。大学のスキー部がノルディックスキーの合宿とのこと。やがて昨

    日泊まったホテルを通り、旭川市内へ、国道12号線の終点である。ところが国

    道12号線の終点がはっきり判らないまま、国道40号線に突入。そしてまた長

    い約10km直線道路、自衛隊の駐屯地を過ぎ、旭川盆地にお別れ。途中で一人

    の30歳ぐらいのランナーに逢った。会社に辞表を叩き付け、退職記念に宗谷岬

    から地元の静岡まで行くと言う。それから職安で職探しですよと日焼けした顔が

    印象的だ。互いにエールを交換して別れる。実際の列車事故に基づいて描いた三

    浦綾子の小説で有名な塩狩峠の緩い登りが始まる。士別まで行く予定だったが塩

    狩峠の1軒宿、ユースホステルに泊まることにする。

      茂りたる 塩狩峠 汽笛去り

     塩狩温泉ユースホステル泊(2食付き¥5180:夕食は定番ジンギスカン鍋)

                走行距離47km

96/8/9 塩狩温泉〜名寄

    ユースで知り合った京都の自転車青年、町田市のバイクのお嬢さんに激励され、  

    名残惜しくもスタート。峠の下りは快調、和寒町を過ぎ、北上するに従って気温

    も下がるかと思いきや30度を越している。名寄盆地のせいかと納得する。士別

    市を過ぎ、風連を経て今回の旅の終わり、名寄市に到着。駅前の果物屋で土産の

    ブドウを買い、親類宅へ。

     疲れしも 訛り軽やか 麦酒酌む

     親類宅泊       走行距離 49km 

97年夏エピソード3(名寄〜宗谷岬)へ続く。 

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