エピソード4(門司港〜阿久根)
92/12/30 20時発の臨時急行寝台"玄海"で横浜を出発
朝10時25分門司着、鈍行に乗り換え門司港に11時8分着。
一年振りのレトロな駅舎が懐かしい。11時15分スタート。途中で牛
丼の昼食を取ったが、これが失敗だった。スペースワールドのすぐ横を
通り過ぎ、黒崎駅近くを走っている途中で気分が悪くなりもどしてしま
った。以降はアップダウンもなく体調も復活。海の中道方面の標識が見
えた。しかし国道3号線をひたすら進む。と思ったら福岡の手前で新し
い高速インター入り口?に迷い込んでしまう。怖い思いでなんとか脱出
したが冬の日は短い。香椎近くではとっぷり暗くなってきた。ラジオで
紅白歌合戦を聞きながら九州大学の側を走っていると、頭上すぐを着陸
態勢のジェット機が時折通り過ぎる。福岡駅に21時40分到着。駅前
のカプセルホテルで年取り。
漆黒の巨翼に追われ 大晦日
福岡駅前カプセルホテル泊 走行距離:80km
朝8時スタート。福岡から10km過ぎの公園でおにぎりを食べ終え、
トイレを済ませて走り始めた時、一人のランナーに出会う。後で見野さん
と判る。「元旦の奇遇」、まさにグッドタイミング。見野さんは元旦3社巡
り(香椎宮、箱崎宮、太宰府天満宮)マラソンの途中であった。しばらく
萩往還の話をしながら一緒に走る。太宰府の分かれ道で、名残惜しくも別
れた。(この道中で、一緒に走ったのは見野さんだけ。後日、萩往還の参
加名簿をつてに手紙を頂いた。)鳥栖で昼食、八女市の手前で昼火事に遭
遇、しばし野次馬。その後山鹿市までは小栗峠など何度も峠があり、気温
も次第に下がってきた。きつくてバテル。またも暗くなってしまったが、
山鹿温泉の側溝の湯煙でほっとする。宿探しは1時間以上も断られ続け、
なんと22時目前、大広間でもいいからと言って泊めてもらった。熱い温
泉につかり、50畳位の大広間に一人で寝た。
初春に 着飾ってゆく 芝居小屋
ビジネスホテルやすらぎ苑泊(¥9200おせちの朝食付き)
走行距離:82.5km
朝9時スタート。2、3kmで持病の左膝が痛み出す。タップソール8を
塗り、テーピングをしても痛い。歩道を避け、田んぼのあぜ道みたいなと
ころを選んだが痛い。熊本市まではほぼ下り、市街が見えてきた。約25
kmほとんどを歩き通す。情けない、今日の目標は八代市までなのに・・・
熊本泊。氷を買いホテルで膝を冷やす。明日は横浜へ帰ろうかと気が弱い。
里に降りて とぼとぼと行く 初詣
熊本駅近く、アスコットホテル泊(¥5500) 歩行距離:27km
93/1/3 熊本〜肥後高田
朝9時、おそるおそるスタート。何とか走れる。氷で一晩冷やしたのが効
いたみたいだ。タップソール8を塗った膝が熱く、痛みを忘れさせている。
八代市に着いたが少しでも距離を稼ぎたいと、肥後高田まで足を延ばす。
ホテルを見つけ投宿。ホテルで赤酒の御神酒を頂く、おいしい。今日も氷
で冷やしたタオルを膝に巻いて、眠った。
旅半ば 古代の屠蘇に 夢つなぐ
八代プラザホテル泊 走行距離:45.5km
朝9時スタート。左に柑橘畑を、右に海を見ながら走る。大きなみかんの
お化け(晩白柚=ばんぺいゆと教えてもらう)にはびっくり。何度もトン
ネルを通過。なかでも佐敷トンネルは1460mと長く、また歩道の段差
がなく、緊張した。芦北の"ルート3"というレストランで昼食。徹夜で
走らなければ翌日の西鹿児島13時42分発つばめ(切符は予約済み)に
間に合わないと、あせる。結局無理しないことにして出水市の手前、米ノ
津まで走る。ここで電車に乗り、出水市へ。
ころ転げ 行く手遮る 晩白柚
ビジネスホテル 鶴泊(¥4223素泊まり) 走行距離:60km
出水市から電車で米ノ津に戻り、そこから再び走る。途中、大きく横道に
それ荒崎のツル観測センターでナベヅル、マナヅルを見学をして阿久根市
に到着、南国の海、そして風を感じた。今回のゴールとする。栄屋旅館の
ボンタンを浮かべた温泉風呂(入浴料¥280)で汗を流し、14時48
分発の本来、西鹿児島から乗るはずだった新型特急"つばめ"に乗る。博
多で寝台急行"玄海"に乗り換え、帰途に。
黒つるの 波紋ひろがる 休耕地
走行距離:30km
93/1/6 横浜10時28分着。トレパン姿のまま会社へ直行、今年初の夢のような
旅が終わった。九州縦断を完走できなかったが、まずは大満足。
全走行距離:約325km