2001年製作分 作品解説

哀しみの向こう側

完成日:2001年初頭
初出:現とらハSS投稿掲示板
自己評価:E−


 h_yさんが主催している、現行の投稿掲示板に投稿した、初めての新規作品。
 ……にして、最大の失敗作。
 元はと言えば、3の那美シナリオで、『祟り憑き』を祓ったエピソードからのインスパイアだったのですが……その辺りもあまり上手く生かせませんでしたね。
 オカルトの資料として昔つくったノートを見なおしているうち、『蠱毒』の項目を見つけてしまったあたりから話がおかしくなり……完成してみれば、こんな話に。
 本当は、『その存在を否定する事だけが『祓う』事ではない』という事を表現したかったわけで、故に戦闘シーンなど無用であったはずなのですが……
 その辺りを踏まえなければ、まあまあ読める話ではあるかもしれません。
 現在、当サイトでは未収録ですが、いずれ暇が出来れば、書き直してみたい話です。

 ちなみにこの話。『少年ガンガン』に連載されていた『夢幻街』というマンガの第一話に途中までがそっくりです。
 そっくりですが……実は全くの偶然です。
 掲示板でそういう指摘を受け、このコミックを買った後に気がついたのですが……私もこのマンガ、途中の話から知ってるマンガだったんですよね。
 でも、第一話を読んだ事は無かった(そもそも、第一話はガンガンではなく別冊に収録されていたらしいので尚更)ので、やっぱり無実です。
 ネタに使った『魚鱗癬状紅皮症(ぎょりんせんじょうこうひしょう)』という症例も、私は『ブラックジャック』から知ったものですし。
 ……しかし、悪役の名前が第二話の悪役の名と全く同じなのは驚きました。
 こういう偶然っていうのも、あるものなんですねー。



おもいよとどけ(原題:LETTER)

完成日:2001年6月
初出:現とらハSS投稿掲示板
自己評価:D


 前作『哀しみの向こう側』のリハビリ(結果的にですが)として、また、ラブちゃ箱をやり直して『薫と七瀬の仲が悪いままで終わるはずはない!』という個人的な願望と欲求(微苦笑)から生まれた作品です。
 『てのなかにあるもの』同様、真一郎の一人称を使用したのですが……なんか、今ひとつすっきり行っていない感が……
 プロット的にも大して失敗した訳でなく、要は私の文章力不足、というただ一点につきるという、そういう意味で報われない作品だったかもしれません。
 ただ……幽霊だからといって、その存在自体が悲壮である、という観念を払ってくれた『ラブちゃ箱』の七瀬は、偉大だと思います。
 生きていようが死んでいようが、身体が炭素有機物であろうが鉱物無機質であろうが、その存在自体には貴賤はない。貴賤を求めうるなれば、その生き様によってである。
 この一点のみにおいても、私はとらハ本編の七瀬より、『ラブちゃ箱』の七瀬の方が、好きです。

 ……ひょっとすると、爆弾発言かも。



美由希のお弁当

完成日:2001年7月
初出:現とらハSS投稿掲示板
自己評価:C−


 このSSの大元を思いついたのは、別件で美由希シナリオを再プレイ中の事でした。
 ……らぶらぶになった美由希が、恭也のために料理を作ったら、恭也はどうするかな?
 答え。なんだかんだ言いつつ、結局は食べるだろう。

 ……ただそれだけの事から、できてしまいました。
 私の文章にしては珍しく、ひねりもテーマもなく、ありがちな日常を書いた『サイドストーリー』でした。
 ちなみに、そこから『忍だったら……』とか色々と想像が膨らんでしまい……『お弁当シリーズ』としてシリーズ化する事が確定してしまうのです。



忍のお弁当

完成日:2001年8月
初出:とらハSS投稿掲示板
自己評価:C−


 お弁当シリーズ第二弾は、とらハ3で一番のお気に入りキャラ、月村忍さん。
 ……実は、忍は原作内では特に『料理が下手』と断言されていません。
 彼女の料理の腕に関して触れられているのはたった一行、
 『料理なんて、学校以外でしたことないよ』
 という彼女の台詞のみ。
 しかぁし!
 単に『美味しいお弁当を食べる』だけでは話のネタにならない!
 ここはひとつ、恭也には『漢』になってもらおう!
 ……という両者に対しての歪んだ愛からできてしまったSSです。
 ちなみに、ここで言う『漢』とは、無論『犠牲者』と同義です。

 しかし……何故かこのSSの後、『忍は料理が下手』という説が一般化してしまうという事態が発生、今日に至る。
 ……忍ちゃん、ごめんね。



やきもち

完成日:2001年9月
初出:現とらハSS投稿掲示板
自己評価:A


 SSとして初めて、一人称ではなく三人称で書いた初めての作品。
 ちなみに『SS以外なら他にも書いた事あるのか?』とは聞かないでください。手元に原稿ありません。
 最初に落として、最後のハッピーエンドを際だたせる、という割とベタな手法を用いていますが……成功しているか否かは判然とせず(苦笑)
 テーマが『やきもち』、タイトルも『やきもち』ということで、最初読んで下さった方はかなり少なかったです。
 しかし、参照数のわりに頂けた感想の数は多く、それなりに評価して頂けるものに仕上がったのかな? などと思い上がっています。
 特にLEYさんには過分な感想を頂き、恐縮の至りです。

 内容の裏話については……私の作品にしては珍しく、書きそびれや書ききれなかった事が少なく、わりと満足いくものができたかな?と思っています。
 私のとらハで一番好きなキャラ、千堂瞳さんが嫌われる最大の理由は『やきもち』。
 ――やきもちって、そんな悪い事なのかな?
 そこから生まれた作品です。
 資料以外にも、知り合いなどに取材してたりと、手間(だけ)はかかっています。
 真一郎や瞳ちゃんの言葉と、さくらが最後まで踏み切れなかった理由、そして忍と恭也がその線を踏み越えられた理由。
 それだけ読みとって頂けたら、満足です。

 難点は……やはりまだ文章が荒く、細部において書き直したい所が多い事。表現の方法に、もう少しやりようがあったかな? というのが残念の理由です。
 尤も、今の所、これを越えて好きになれる作品を書けていない今、この『やきもち』は私の壁のようなものでもあります。

 後……この作品から、普通行われる『最初から最後までを順番に書いていく』方法から『書きたいシーンや伝えたい言葉を先に書き、それを繋ぐシーンや言葉を入れて文章にする』という方法をとっています。
 後で知ったのですが……実はこの方法、あの田中芳樹先生も同じ方法をとっているらしく、知った時は脂汗だらだらでした。

 なお、当サイトに掲載しているものはバージョン2で、初出のものとは少し内容が異なっています
 と言っても、終盤に少し書き足しただけですが。
 さらに、デルタプロジェクト用にバージョン2.5がありますが……万一手に入れられた方は、違いを比べてみて下さい。



背中の温度

完成日:2001年11月
初出:JCSDF
自己評価:C+


 2009年1月7g日現在?)で唯一の、私の『ガンパレ』SS。
 小難しい裏設定を潔く無視した、速水と舞のらぶらぶSSです。
 やっぱり速水は舞ですよねっ!(偏見)
 ジントとラフィールっぽく見えるのは……笑って見逃してください。私も完成して初めて、気がつきました。
 冒頭の戦争シーンですが……私の頭の中では、5121小隊はいつもあんなノリで戦争してます。こんな最強部隊も、アリですよね?

 作品のなかでは見事に速水君に振られてしまった士翼号ですが、実際の性能は、運用するプレイヤー次第、といった感じです。
 複座型と同様の運用をしていたら、はっきり言わずとも役立たずですが、近接一撃離脱戦法をとった場合、この機体について来られる敵は存在しません――無論、着地地点を誤ると、そこで袋だたきですが。
 私は速水自身の体力と運動を上げ、さらに整備を徹底的に行う事で回避力を限界まで上げて、敵中にジャンプで飛び込んでパンチで殴り倒す、という戦法を使っていました。
 実際、パンチは操縦者の体力が上がるにつれてどんどんダメージが上昇していくので、ステータス次第ではバズーカを超えるダメージがでます。マジで。
 GKW(パンチ)からWG(すり足)さらにパンチ……という、通称『オラオラコンビネーション』(笑)は、かなり凶悪なので、お試しを。



結婚式――新婦の母

完成日:2001年12月
初出:日々凹み Fallin Sphere
自己評価:C+


 さて、このSSを思いついたきっかけは何だったか――
 自分でもそれが思い出せないくらい、突発的に思いつき、それを勢いで文章にしてしまった作品です。
 何と、構想から完成まで1日、という私としては恐るべきペースで完成してます。
 時期的にわりと丁度よかったため、この子をプレゼントSSとして、お二方のサイトへお嫁に出した訳ですが……2本書かなかったのは、単に余裕とアイディアが出なくて書けなかっただけです(苦笑)
 それでも、雅さんの所でも、kyonさんの所でも可愛がって頂けて、一安心でした。

 結果論ですが、書けて満足しているのは、『戦う美沙斗さん』『親馬鹿な美沙斗さん』という世間の流れに全力で逆らって、『母親の美沙斗さん』が書けた事。
 ……流行っている、とか大人気、とかいう言葉を聞くと、つい逆らいたくなる性分なのです。
 一部、『やきもち』とかぶってしまったテーマもありますが、これはこれで良しかな?などと勝手に自己完結しています。

 しかし……私の文章は、回を追う事に堅苦しい言葉回しになっていきますね……
 言葉回しを見ていると、まるきり田中芳樹先生の劣悪な模造品みたいです。
 実は、私は言葉回しは『星界』シリーズなどでお馴染みの、森岡浩之先生の方が好きなので、真似ようと思っているのは森岡先生の方なのですが――何故か大抵出来上がってみると、田中先生テイスト。
 ……何故?


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