考察:交通量検証

 

考 察 : 道路交通量検証編 ・・・ 環状道:南19条通 「 4車線 VS 6車線 」


・ 札幌市の道路交通量を基にして 車線数の評価・検証を行いました。 

・ 市中心部の「混雑」状況を調査して 原因・対策の考察を行いました。

・ 「都市計画法」に基づいた「都市計画策定」・「都市計画道路策定」等の
札幌市の企画組織部門をまとめました。
 

 
初版:H27/2015/09/01  改定:H27/2015/12/22  by 道路を考える会 H.Miyazaki

 
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目 次
 

道路と車線数
       1.1 道路の基本
       1.2 交通量と車線数
       1.3 考察 車線/交通容量:
             ケース・スタディー
 

交通量調査
       2.1 交通量の現状
 

混雑緩和対策
       3.1 混雑とは
       3.2 混雑度指標
       3.3 混雑状態の調査
       3.4 混雑緩和対策の提案
 

札幌市 「都市計画」 策定
       4.1 市計画と組織
       4.2 市総合計画と道路・まち創り
 

 



 1 : 道路と車線数
  1.1 道路の基本
  
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 2 : 交通量調査
  2.1 交通量の現状
  


 3 : 混雑緩和対策
  3.1 混雑とは
 
      ・ 一般的に「混雑」とは 平均的な状況に比べて「対象物分布」密度がくなった「状態」を
         表現する言葉であり T・P・Oに依存する主観的な基準判断である。
 
      ・ 交通混雑とは 道路の「許容能力」を越える自動車等の走行により移動速度が遅くなった
         「状態」をいう。
         
      ・ 道路交通上の交通混雑を特に「渋滞」と呼ぶこともあり T・P・O によって判断の基準が
        異なる為 明確な「定量的指標」はない。
       
      ・ ちなみに 混雑時走行,右左折待機が 歩行者・対向車の快適走行になっている事を考えると
         道路という空間を 多様な人々が同じ時間を共有している事に想いを馳せる事は意義深い。
       
      ・ 交通渋滞の定義は、道路管理者や交通管理者ごとに異なっている。 
        例えば、警視庁では統計上、下記を渋滞の定義としている(警視庁交通部 交通量統計表)。
        
          一般道路 : 走行速度が20km/h 以下になった状態 
          高速道路 : 走行速度が40km/h 以下になった状態 
          
      ・ しかし渋滞長がいくら長くても、「1回の青信号で信号待ち車列が全て捌ける」場合は、
        一般には渋滞とは呼ばない。 
  
      ・ 主に日本における渋滞の主原因は 一般道路と高速道路で異なる。
        上り坂が渋滞の原因になるのは主に高速道路であって、一般道路での渋滞の最大の原因は
        「信号交差点」である。
        
      ・ 「不法路上駐車・荷卸停車」なども 一般道路での走行を妨げる大きな要因である。
       

★ 国土交通省は 指標として「混雑度指標(個別路線の評価)」 を定めている。           実体を適切に反映する為に         [ 飽和時間数 (= 時間ごとの 混雑度が1.0 を超える時間数) ]    と云う指標を導入している。

  3.2 混雑度指標

「抜粋」:
  
 ・ 混雑度=交通量[Q]/交通容量[C](個別路線を評価)
 
 ・ 断面混雑度=断面交通量/断面交通容量(一定の断面箇所を評価)
 
 ・ 飽和時間数=時間ごとの 混雑度が1.0 を超える時間数
  
  

  3.3 混雑状態の調査         ・ 札幌市都心部の「混雑緩和対策」 が課題とされている。                              ・ しかし 当市の「混雑」状態は 国土交通省の定める「混雑度指標 ・ 飽和時間数」 が         1.25未満であることから 交通管理者(北海道警察)・道路管理者(札幌市) としては         「重大要対策区域」との位置付けはしていない。                ・ 混雑を緩和する対策は「ボトルネック」となる発生拠点を正しく把握する事が基本である。            「註」ボトルネック :抜粋
  物事がスムーズに進行しない場合、遅延の原因は全体から見れば小さな部分が    要因となり、他所をいくら向上させても状況改善が認められない場合が多い。      このような部分を、「ボトルネック」 と称する。
      ・ このボトルネック地点の先頭に存在する通行阻害要因が解除されない場合には 後続車が          混雑列を作る原因となる。                  ・ 都心部初期混雑のボトルネックを調べると 主として次の地点であることが判明。                  ・ 札幌市都心部の初期混雑は 主として 主要道路との信号交差点地点に発生している。                < 参考:都心部交差点間隔 >            信号付交差点:南北方向 約130m 間隔  信号付交差点:東西方向 約120m 間隔            信号無交差点:南北方向 約 65m 間隔                

  3.4 混雑緩和対策の提案         ・ 都心部混雑のボトルネックの主たる拠点が 人・車両が集中する事業所・商業地区の信号付         交差点近傍である。事から 通常の車両台数であっても 右左折時の走行は 多数の横断歩行者に         妨げられる事になる。                ・ 信号待ち時間は 歩行者・他車量にとっては通行可の時間である。         すなわち 限りある地理空間を 同一時間空間で 如何に有効利用するかが 課題である。                ・ 本題の「混雑緩和対策」として 次の対策を綿密な「計画」を立て 実践する事を提案する。               by 交通管理者(警察) & by 道路管理者(市行政)                  → 利用者の多寡に応じた 公共交通を運行する事。 例:市電ループ化                  → 人・車両の通過量に応じた最適なリアルタイム信号時間管理を行う事。                  → 人・車両の通過量に応じた最適な車線切り替え(時間帯etc)を行う事。             → 恒常的な混雑時間・区間は 適宜近隣代替道路を案内する事。                  → 恒常的な混雑時間・区間は 適宜車両番号(偶数・奇数等)を通行制限する事。                  → 混雑ボトルネックの主たる拠点沿道の 荷卸し・駐停車の規制を実施する事。           → 混雑列長 及び 時間が一定状況を超えた場合には 当該区間の 通行規制を実施する事。           → 恒常的な混雑列長発生区間を 一定時間制限を考慮して 有料化を採用する事。                 

★ 混雑緩和対策の 大前提は 不要不急の車両利用を 自主規制する事。 by 車両利用者   ★ 水路を大きくする分 水量は増加し続ける。            ・ Building new roads and widening existing ones only results in additional traffic        that continues to rise until peak congestion returns to the previous level.             ・ Adding road capacity might make congestion worse even if demand does not increase.        Otherwise induced demand, causing congestion to appear somewhere else.                     ・ 道路を広くすると渋滞はさらにひどくなる:研究結果   参考             ・ What's up with that: " Building bigger roads actually makes traffic worse. "   参考        

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 4 : 札幌市 「都市計画」 策定
  

      
      
      ・ 札幌市の諸計画と担当部部門は 次の通り。 H27/2015/4/01 現在

 

            市組織:企画/計画関連 〜 H28/3/31

           市長            |            |-- 市長政策局 --------- 政策企画部 ----------- 政策調整課            |             |            |-- 市民まちづくり局 --- 都市計画部 ----------- 都市計画課                       | 「都市計画」     |                       | 「マスター・プラン」 |                          |           |-- 都心まちづくり課                       |             「渋滞対策:シャワー通り」プロジェクト                       |                                         |-- 総合交通計画部 ------- 交通計画課                         「総合交通対策調査」    「市電ループ化」プロジェクト                                                          ・ 市内の最大渋滞拠点である駅前6車線道路の一部を 市電ループ化実現の為にに2車線分を         軌道用に使い 車道を4車線に縮小した。           ・ この事から 「都心渋滞緩和」 対策としては「車線拡幅」 よりも「公共交通拡大・拡張」に         より 十分に効果を挙げられる との市判断・方針が示された。              4.2 市総合計画と道路・まち創り            ・ 札幌市は 全市を挙げて「市民まちづくり」を推進してきている。                  ・ 上記「市電ループ化」事業も 「市民まちづくり局・都市計画部」を中心に立案して 「都市計画」           及び 「マスター・プラン」」審査会等を経て決定され 平成27/2015年12月の開通に至っている。                   ・ 更に 「市電拡張計画」として 「都心地域:札幌駅まで」「桑園地域」などの延伸検討を行って                  ・ 「総合交通計画部門」は かねてから                「環状道:南19条通の6車線化拡張」は 都心部渋滞緩和策に欠かせない。           と繰り返し主張して来た。                  ・ しかし 関連法令。北海道警察・札幌市等の交通量情報等々を分析すると 将来を想定しても            当 「環状道:南19条通」は 現4車線のままで 十分に敵応出来る事が判明している。           ・ 関連案件に関した 市議会「財政市民委員会:議事録 第220号事案:平成27/2015年2月12日開催」に           

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