ドラゴンと僕

羊の群をぼんやりおって牧草地を歩いていた一人の少年の目の前に突然老人が現われたのは、もう5年前のことだった。
老人曰く
「お主には魔力【マナ】を操る天性の素質がある、どうじゃワシのもとでその道を極めて魔法を習得するきはないか?」
「ないです」
少年はにっこり笑ってそう言うと、羊の群の後ろをトコトコ歩く。
「まてぇい!わかっとるのか?魔法使いになればいいことずくめじゃぞ!宮廷で王宮付きになるもよし、大きな町の守護者になることだってできるのじゃぞ!」
「お金儲かるの?」
「うっ……まぁそこそこ」
「じゃやってみようかな」
「うっ……単純じゃな、ところでお主名は?」
「僕?僕はエセル・タイムだよ、爺さん」

そして5年の月日が過ぎた。


「ワシがお前に教えることはもうなにも無い」
目の前の老人、少年の魔法の師匠、5年前羊飼いの少年を魔法使いの弟子にさそった老魔法使いフォルカスが苦渋にみちた声をだす。
「やぁ嬉しいな、僕もう一人前なのですね」
エセルはニンジンの皮をむく手を止めて振り返った。
「本当にそう思うか?」
フォルカス師匠がため息をつきながら魔法の杖の先で、水洗いしたジャガイモをつつく。
「そうですね、なんとなくそう思います」
エセルは手早くニンジンを剥き終わると、今度はキャベツの千切りを始める。
「ばかもん!そんなわけあるか!いまだに火を起こす魔法の一つも知らんお前が一人前のわけあるか!たわけ!だいたいこの5年お前は何をしておった!」
「う〜〜ん、ご飯の用意に洗濯、掃除、それに後はドラゴンの世話かな?」
最初の頃は魔法の勉強もしてたような気がする。
でも初級の本さえ読めなくてすぐやる気を無くしてしまったのだ。
目の前の爺さん、フォルカス師匠はこの魔法使いの世界でも、沢山の弟子を持っていることで有名であり、今もエセルの他にも30人もの兄弟子達がいる。
何でも世界に名を残すような魔法使いを育てるのがフォルカス師匠の趣味らしく、少しでも魔法の素質【マナ】を持つ人がいれば手当たり次第声をかけてまわる節操のなさと、とりあえずどんな人間でも弟子にすることで有名だった。
そんなわけで呪文以前に文字さえ読めないエセルも連れてこられたわけだ。
稀有の力とはいえ魔法の素質があるだけのただの羊飼いの少年に、いきなり難解な魔法の知識を覚えこまそうなんて素人目にみてもどだい無理な話だった。
そしてエセルはそれに加えてやる気もないのだから……その結果は誰だって予想がつく。
「ドラゴンの世話かな?じゃないわ!このスカタン!」
プンプンとご老人が湯気をたてて怒り出す。
これでも聖人マスティアや賢者ガームスの師匠であり、世界の教師と呼ばれる存在なのだ。
まぁその影にはエセルのように大成しそうにない凡人の弟子が山のようにいるわけで……
まぁ下手な鉄砲数打ちゃあたるって奴だった。
「それで爺…いえお師匠様?何で僕に教えることはもうないのですか?」
「お前が覚えることができんからじゃ!」
…あぁなるほど教えること無いってのは、教えられないってことなのか。
エセルはあまり回転してない脳ミソでそう納得するとウンウン頷く。
「なるほどそうですか、じゃあそこどいてください、夕食の準備の邪魔ですから」
少年はこれっぽっちも尊敬してない態度でフォルカス師匠の横をスタスタ通ると、秘蔵の亀壺の蓋を開け、リンゴ酒を取り出し煮立った鍋にトプトプ注ぐ。
「ばかもん!そうですかではない!この5年で成長しとらんのはお前だけじゃ!このままではワシの弟子を辞めてもらうことになるぞ!」
「え?」
エセルにとってそれは大変困ることだった。
羊飼いの養父の所から大金持ちを夢見てやってきた彼には帰る所なんてないのだ。
それに戦乱に明け暮れるこのご時世、フォルカス師匠の「魔法使いの塔」は食べ物にも恵まれ野党や山賊の心配も無い安全な衣食住完備の言うこと無しの抜群の環境なのだ。
「ワシだって折角の魔法の素質を無駄にしたくない、そこでじゃ、エセル君、ものは相談なんじゃが……」
ニヤリとフォルカス老師が笑いかけてくる。
エセルはとってもいやな予感がした。
たいていこの爺さんが「エセル君」だなんて言う時は決まってろくな事はないのだ。
「いい話があるんじゃよ」
それは世界の教師と呼ばれる魔法の師匠の顔ではなく、どう見ても強欲な商人のソレだった。


「ギャオス」
エセルはあんぐりと口を開く陸ドラゴンの口に生肉を放りこんでやる。
陸ドラゴンというのは牛より二周り程大きなトカゲの親玉のような生き物である。
その四肢はずんぐりと太く大地を踏みしめており、硬い鱗に覆われて皮膚はめったなことでは傷つかない。
大変力が強く頑強なため、このハイランド世界の西南に位置するセル・アーネイ大陸では主に荷物の運搬用に使役されることが多い大型生物だった。
「大事に食べなよ、最上級のカームス牛のヒレだからね」
「ギャウ」
ぜんぜん解ってないだろう真っ黒な鱗をもった陸ドラゴンは生肉の塊をゴクンと一口で飲み込む。
「あぁ〜あ、それ一切れで金貨10枚もするんだぞ」
まぁ僕が払ったわけじゃないけどさ…とエセルは気楽にへらへら笑う、
大型牛並の大きさのある黒い陸ドラゴンの背中に無理やり結びつけた大きな袋には、まだまだ大量の貴重な食材やら色んな物が押し込まれているのだ。
どれもフォルカス師匠の住む「魔法使いの塔」から頂いてきたものだ。
まぁ正確には無断で拝借した。
簡単に言えば窃盗だ。
「5年分の給料と思えば安いものだよね、クロ」
「ギャウ」
クロと呼ばれた陸ドラゴンは、チロチロと二股にわかれた舌を出しエセルの頬を舐めてくる。
「うひゃ、くすぐったい、獣くさ!やめろよクロ」
「キュ〜〜ン」
大きな身体を丸めてクロは身をすぼませる。
小柄なエセルの一声でその真っ黒な巨体を縮こませる姿はなんとも滑稽だ。
もともとこの世界、ハイランドではドラゴン種は本来「龍」と呼ばれ、強力な魔力を秘めていた高貴な種族らしい。
らしいってのはエセルはその本物の「龍」を見た事ないからだ。
有名な「龍」では、「古代竜の巣」に住む邪紫龍バルドゥーンや「火吹き山」の火赤龍ザゴール、「狂気の雪原」の名も無き氷白龍、「死の廃都」に潜む暗黒龍モライアなんてのがいると伝え聞いている。
そんな有名どころでなくても、無名の「龍」一匹に国が滅ぼされた何て事ははたまに聞く話であり、「龍」はどんなにがんばっても人間では太刀打ちできないこのハイランド世界最強の生物なのだ。
全て伝聞なのは、なにせ「龍」に合って生きて帰った人がめったにいないのだから仕方ない。
なんにせよ、遥か昔には神々とも対等に戦った「龍」が、常識外れの存在なのは間違いなかった。
唯一の救いは、「龍」の個体数が極端に少なく、めったに人間と関わる事が無いことだけだった。
そして「龍」とは対照的に、このセル・アーネイ大陸に沢山生息しているドラゴン種は、そんな「龍」が退化した生き物だと言われている。
そしてエセルの横で荷物運びをさせているクロも、そのドラゴン種に属する陸ドラゴンだ。
現にクロの背中にも、退化した小さな蝙蝠の羽根がかろうじて残っている。
この愚鈍な陸ドラゴンの祖先は大空を飛びまわる力も持っていた最強生物だったのだろうか?
「ギャウ」
陸ドラゴンは、知性も魔力ほとんど無くただの大きな爬虫類にしか見えない。
退化した羽では空も飛べず、象のような寸胴の四本の脚でのしのし地面を歩くことしかできない。
しかしエセルは、一般の人よりは多少「龍」について詳しいと言えた。
なにせ、クロはそんな退化したドラゴンの中でも、亜龍と呼ばれる少々先祖がえりをした超希少種の陸ドラゴンなのだ。
本当にごく稀にドラゴン種の中から生まれる先祖がえりの特徴をもつドラゴンは、亜龍と呼ばれ「龍」のもつ力の燐片を持っている。
クロの場合は、普通の陸ドラゴンと比べて、黒い鱗をもった巨体はとんでもなく頑丈だった。
残念なことに知性はまったく開花しなかったようでオツムはトカゲ並らしく、空腹で暴れて手がつけられず害獣として都の衛兵達がフォルカス師匠に駆除を依頼したらしい。
しかし、その頑丈すぎる「龍」の不死性をもった体は、どんな魔法でも毒でも殺すことができず、しかたなく「魔法使いの塔」の地下に魔法の鎖で縛り付けられていたのだ。
エセルが始めてその亜龍の陸ドラゴンを見た時は、塔の地下で骨と皮だけにやせ細って餓死寸前だった。
しかし、エセルが料理の残りの残飯をあげているうちにどんどん元気になり、いつのまにか彼に非常に懐いていた。
そのことにはフォルカス師匠も他の兄弟子達も大変驚き、エセルを得意満面にさせた5年間で唯一のことだった。
だが実際のところ、羊やヤギなんて家畜を飼っていた少年にとっては獣なんて餌をやってなぜていればいつかは懐くものという感じでしかなかった。
それに本当のところは、余った材料や腐った野菜をわざわざ「魔法使いの塔」の外に捨てにいくのが面倒でドラゴンにあげていたけなのだ……
まぁ、そのおかげで5年間の代価として「魔法使いの塔」から拝借してきた沢山の荷物を持ち出す荷車として役に立つと言う幸運をエセルにもたらしてくれたのは間違いない。
それに超希少種の亜龍ともなれば、町に行けば高く売れるのは間違いなだろうし…
まさに一石二鳥だった。
「ギャウ」
そのクロが名前の由来になった真っ黒な鱗をピカピカさせて物思いにふけるエセルの顔を心配げに見つめてくる。
「魔法使いの塔」の魔法使い達はこのドラゴンを「奴」とか「アレ」とか呼んで名前を聞いても教えてくれなかったので、少年が勝手に名づけたのだ。
「大丈夫だよ、なんとかなるさ」
エセルは暢気にクロの鎧のような分厚い鱗を撫でてやる。
他の人がやると嫌がるが、何故か少年が撫でるとクロはその縦に開いた瞳孔を細めて喜んでくれる。
昔兄弟子の一人が少年のマネをして腕を食いちぎられたことがあったのだが、本人はいたって暢気に黒い鱗を撫で続ける。
「グルルルルル」
無邪気に喉をならすクロ。
そんなクロを撫でながらエセルはぼけっと目の前の光景を見つめていた。
そこには鬱蒼と茂るジャングルと何処までも連なる険しい山脈が壁のように立ちふさがっていた。


そうあの時…
「いい話があるんじゃよ」
そう切り出したフォルカス師匠の提案はまさに無理難題だった。
「青龍シルヴァーナの撃退」それがフェルカス老師の提案だった。
なんでも北のクリン公国からの依頼で、海峡の神殿に住み着いたその龍をどうにかしてもらいたいってことらしかった。
はっきりいってそれはエセルに死んで来いって言うのと同じようなことだ。
だいたい「龍」を退治するなどそうそうできるわけが無く、世にドラゴン殺しといって持ちあげられている英雄だって、「龍」ではなく亜龍の端の端の方、知性も力もほとんど無くしブレスも吐けない退化した大蜥蜴もどきを殺して威張っているぐらいだ。
それを本当の「龍」を倒せというのは途方もない無理難題なのだ。
「いやです!「龍」は不死身だって師匠も言っていたじゃないですか」
少年は皿をどんっとおいてニヤニヤ笑う老人を怒鳴りつけた。
実際、見た目は強欲な爺だけどフォルカス師匠はこの世界ハイランドでも指折りの魔法使いだ。
その師匠でさえ「龍」の不死性の一端を先祖帰りさせた末裔の亜龍、陸ドラゴンのクロさえ殺すことができず「魔法使いの塔」の地下に縛り付けるだけで精一杯だったのに……
「だれも倒せとは言っておらん、青龍を神殿から追い払うだけで良いのじゃ」
「同じ事です」
エセルは老人の狡猾な目を見ながら声を張り上げる。
邪魔になった弟子は死んでこいってことなのか?
そう邪推したくもなる。
「青龍シルヴァーナは高い知性を持つ温和な性格らしいと聞くぞ、お前がちょいといって話をつけてちょっと神殿から出て行ってもらうだけでいいのじゃよ」
「話をちょいとつけてって……相手は「龍」ですよ!」
「なんじゃい、塔の地下の陸ドラゴンを手懐けたではないか?同じじゃよ、うほほほほ」
そう言うとフェルカス師匠は、用は済んだとばかり背中を向けてよたよたと厨房から出て行こうとする。
「あれはただ残飯をあげただけです」
「うほほほ、ただ残飯をあげただじゃと……うほほほ、まぁ、いいんじゃよ辞めてもな、じゃがその時はこの「塔」から追放じゃ」
ちらりと此方を見つめる師匠。
誇り高い「龍」が人間のいうことなんか聞くわけがない事は解っているのだ。
どうせフォルカス師匠が見栄をはりたいだけなのが、長い付き合いのエセルにはまるわかりだった。
国から依頼された手前魔法使いを送らないといけないが、大切な弟子をむざむざ「龍」相手に失いたくない……そこで厨房の肥やしと化している自分のことを思い出したのだ。
「ううっ」
「まぁがんばるのじゃな、我が不詳の弟子エセルよ」
こうしてエセル・タイムは青龍シルヴァーナの撃退…もとい説得という土台無理な大クエストを無理やり受けさせられたのだった。

「ふんだ、いいですよ、そっちがその気なら…」
そしてその夜、フォルカス師匠のコレクションの魔法の品々と塔の備蓄食料、それに地下で厳重に封じられていた陸ドラゴンが姿を消した。


「ギャウン」
少年は、陸ドラゴンのクロの漆黒の鱗をポンポンと叩く。
他の陸ドラゴンもクロのように見事な真っ黒な鱗をしているのか知らないが、今のエセルにとってこのクロだけがたよれる相棒なのだ。
その太い首には煤けた鎖がジャラジャラと巻かれ、鎖の先端が地面に届くあたりですっぱり切れている。
「魔法使いの塔」から逃げ出したあの日、少年がこの真っ黒な陸ドラゴンを封じていた魔法の鎖を切った名残だった。
「どうせ追い出されるなら」とフォルカス老師の隙をみて盗み出した魔法の品々と貴重な食料を抱え逃げようとしたその時、いつも餌をあげていたこのクロのことをふと思い出したのが幸いだった。
盗んだ品の中にあった魔法除去の呪いがかかった短剣で鎖を切り、自由にしてやったのだ。
まぁ最初は陸ドラゴンが暴れてフォルカス師匠が困ればいいかなって思ったのだが、予想を裏切り都で暴れまわったと噂の漆黒のドラゴンは少年の胸に擦り寄ってきたのだ。
「一緒にくるかい?」
「ギャウ」
そんなわけで少年は荷馬がわりの陸ドラゴンにありったけの財宝を積み込むと5年間を過ごした「魔法使いの塔」を後にしたのだった。

それがほんの10日前、
そして今、エセルは完璧に道に迷っていた。
5年住んでいてなんだけど「魔法使いの塔」は険しい山脈の果てにあり、人里に出るまで魔境のような密林地帯を通っていくしかなったのだ。
残念ながらフォルカス師匠のように転移や飛行の魔法を知らない少年はただただ歩くしかない。
だいたい羊を追っていた牧草地か「魔法使いの塔」しか知らない彼にとって猛獣やモンスターが跋扈する魔境は未知の場所、まさに死地だった。
もし頑強な亜龍の陸ドラゴンであるクロがいなければ、今頃凶暴なモンスターの餌になって死んでいたのは間違いなかった。
昨日なんて、朝起きたらクロの周りでゴブリンの死体が20体も転がっていたのだ。
「ほんと感謝しているよ、でもこれでお前が空も飛べたらなぁ」
もっと肉を頂戴って感じで首を伸ばしてくるクロの頭を撫でながらエセルはため息をつく。
まぁ贅沢を言ってもしょうがない何としてもこの秘境をぬけて人里に出ないと。
エセルは腰のポーチから地図を取り出し予定の道順を確かめる。
このままだと一番近い町まで後1ヶ月はかかるだろう。
盗んできた魔法の品の中には役に立つものがあったかも知れないが、実際ろくに魔法の知識が無いエセルには盗んできたアイテムの使い方がほとんどわからず歩くしかないのだ。
「まいったなぁこんな辺境だったなんて」
すでに歩き過ぎて足は大分痛くなっている。
最初の数日はクロの背中に掴まっていたのだが、黒光りする鱗の背中は人が乗るようにできておらず、すぐに手が血塗れになってしまった。
「ギャウ」
その時、クロがヒクヒクと鼻を鳴らしだす。
その拳大の水晶玉のような大きな黒い瞳がぐぐっと茂みの奥を凝視している。
「ん?なにかあるのかい?」
エセルは杖代わりにしていた木の棒で茂みを掻き分けながら歩き出す。
するとものの数分もしないうちに大きな湖に辿り着いていた。
「やぁこれは綺麗だ」
水はそれほど澄んではいないが、煮沸すれば飲めないことはないだろう。
それに湖畔は欝蒼と茂ったジャングルとは異なり下草が生えた平地になっていて居心地も良さそうだ。
「ちょうどいいや今日はここにキャンプを張ろう」
ここなら、焚き火をたいて鍋もかけれそうだ。
「ギャウウゥ」
少年はクロの背中に縛りつけた荷物を降ろそうとするが、陸ドラゴンは嫌そうに身体をよじる。
「何だよクロ?今日はここで寝るんだよ、ほら、荷物降ろして」
「ギャウゥ」
それでもクロはいやいやっと言うように長い首を左右に振り、鼻からブシュ〜っと蒸気を吐いている。
「いいかげんしろよ、僕はもう脚が痛くて歩けないよ、それにここだったらクロの好きなシチューも作ってあげられるよ、どうだい?」
クロが嫌がる時は食べ物でつるに限る。
恐ろしい力を秘める亜龍のドラゴンでも、そこは獣、食べ物の誘惑にはすごく弱いのはこの5年間で確認済みだ。
「ギャウ」
案の定クロはおとなしく背中の荷物をドスンドスンと湖畔の低地に落としだす。
「ははは、やっぱクロは単純だなぁ」
少年は笑いながら荷物の中から大鍋をひっぱりだすと、早速料理の準備に取り掛かっていた。


チチチチッ
鬱蒼と茂ったジャングルの奥地、何処からともなく名も知らぬ鳥の声が聞こえてくる。
すでに日もとっぷり沈み、折り重なった木々の隙間から血のように真赤に染まった満月が顔をだしていた。

パチパチと生木がはぜる音が数度響き、湖畔に急場で作られた焚き火が火の粉を散らす。
そしてその横では毛布に包まれた少年が「す〜す〜」と無邪気に睡眠を貪っていた。
つい先程まで、鍋の中のシチューを美味しそうにたらふく平らげた後、なんの警戒もなく「お休み、クロ」といってコロンと横になり、ものの数秒で眠りについてしまったのだ。
「グフゥウウ」
その側で小山のように横たわっていた陸ドラゴンがのそりと立ち上がる。
しばらく辺りをキョロキョロと眺めると、その長い首がにゅぅつと伸ばされスヤスヤ眠る少年を舐めるように見つめる。
その縦にひらいた瞳孔は昼に少年が見ていたものと異なり、驚くことに知性の輝きに満ちていた。
「グルルルル」
やがて、少年の寝息が規則正しく深いものだと確信すると、その闇より暗い鱗をもったドラゴンはのそっと巨体を動かす。
首に巻かれた太い鎖がジャラッと鳴る以外に、一切の音を立てずドラゴンは静かに身を起こし、血のように真赤な満月に向けてその長い首を伸ばす。
「グルウウウゥ…GURUUUUUUU」
喉の奥から迸るような低い唸り声が、深い闇に包まれた辺境のジャングルに響き渡る。
「GURUUUU…GRUGRUGRU」
やがてそれは何重にも重なる呪文のような響きに変わりだし、真っ黒な巨体が満月の光を浴び周囲の闇を吸収するように黒く輝く。
「GURUGURUDOGURAZAZAZAAA」
すでに声は獣の遠吠えではない、はっきりととした呪文の詠唱へと変わっていた。
「GURA!!!!」
吼えるような力ある言葉がドラゴンの口から吐き出される。
周囲の闇がまるで恐怖するようにピンと張り詰めていく。
次の瞬間、小山のような巨体がぐぐっと大きく変化していた。
黒い鱗に包まれた背中から夜の闇を覆うような真っ黒な翼がメキメキとあらわれ、額から凶悪な角が伸び、巨体は更に逞しく生まれ変わるかのように大きくなっていく。
そこには退化した愚鈍な陸ドラゴンのクロではなく、力ある存在本物の「龍」が佇もうとしていた。
「GURUU!!GAAAA」
しかし、濃厚な闇の鱗を持ったドラゴンが突如苦しげな声をだす。
その二まわりも大きくなった首に鎖が巻きついているのだ。
魔法のかかった太い鎖はドラゴンの首を締め付けそれ以上大きくなるのを防いでいた。
「GURUUUUU」
ドラゴンは苦しげな声をだしブンブンと首を振るが、鎖は今まで以上にその首に絡みつき、漆黒の鱗を砕くほど肉の中に食い込みミシミシと音を立てる。
「GURAAAA」
やがてドラゴンは諦めたように首を垂らすと、その巨体が力なく地面に倒れこむ。
そして光の中で影が姿を消すように、その真っ黒な身体はドンドン小さくなっていく。
黒く剣呑な鱗は溶ける様に姿を消して褐色の艶やかな肌へとかわり、重鈍な脚は長く美しく伸び、凶悪な蜥蜴の顔がみるみる人のモノへと変わっていく。
やがて……
「あぁぁ、たくっ今夜も失敗かよ」
そこには一人の女の人間がどかっと裸であぐらをかいて座っていた。
切れ長の瞳にすっと通った鼻筋、肉食獣を思わせる口元。
年の頃は10代の後半ぐらいだろうか、月の光を受けて輝く褐色の肌に、濡れガラスのような黒い髪、それに引き締められ出るとこは出た抜群のプロポーション。
おそらく100人がみて100人が美女と称えるだろう。
だが、その瞳の奥では、爬虫類のような縦長の黄色い瞳孔がギラギラと輝いていた。
「たく、こいつのせいでまったく…フォルカスのクソ野郎め、あたしを誰だと思ってんだ」
ブツブツいいながら褐色の肌の美女は自分の細い首に手をやる。
そこには太めの鎖がジャラジャラと巻きつけられていた。
鎖の先は、剥き出しの形のいい大き目のバストの間を伝わり、きゅっと締まったウエストの可愛らしい臍の辺りでスッパリと切れている。
そして、その細い首には、うっすらと赤く鎖がつけた痣が残っていた。
「あぁぁまったく忌わしい呪いの鎖、こいさえなけりゃあんな姿にまで力を封じられることもないのにさ」
ふんっと形のいい鼻に皺を寄せた美女はひょいっと立ち上がると、パチパチ燃える焚き火に薪をくべる。
「ふん、今日は夜の闇に満月の力も借りたから上手くいくと思ったんだけどな」
ブツブツ文句を言いながら元陸ドラゴンのクロだった美女は消えかかっていた焚き火の火を燃え上がらせる。
「ふん、こんなもんかな」
その焚き火の暖かさは、側で何も知らずスウスウ眠る少年へと向けられていた。
「たく、焚き火の番もしないで眠りやがって……ほんとお前はどうしようもないクズだな」
ばさっと腰まで伸びた黒い髪を翻すと、今度は少年の側に置かれたバッグを開ける。
「あった、これこれ」
そこには昼間少年が必死に眺めていた地図がある。
「たく、北と南逆さに見て道に迷ってちゃ世話ないよ、ほんと馬鹿」
その綺麗な指先が黒炭のペンを掴むと、少年がつけた目印の印をサラサラと書き直していく。
さらに、コンパスのメモリを調整したり、寝るときに脱ぎっぱなしになったシャツを畳んで明日の用意を始めたりする。
「明日は冷えそうだからな、靴下二重だな」
なるべく暖かそうなのをカバンの底からひっぱりだしちゃんと畳んでおいたシャツの横におく。
「ふぅう、こんなもんか」
一通り今日のフォローと明日への準備がすむと、陸ドラゴンが変化した褐色の美女は「ふぁああ」っと大きなあくびをして安眠を続ける少年の側に座り込む。
「だいたい、あたしがいなけりゃすぐに死でんだぞ、おい、聞いてるか人間」
クロはそう言いながら、指先でぐにゅぐにゅエセルの頬を押してみる。
最初の夜は起きないかと多少遠慮していたが、今ではそんな心配がさらさらないことを彼女は嫌と言うほど知っていた。
なにせゴブリン20匹と彼女がすぐ側で乱闘していた時でさえグウグウと寝ているとんでもない奴なのだ。
「たく、お気楽な奴……こんな馬鹿そうそういないよ、ほんと」
ぐいっと鼻を摘むと少年は苦しそうにうんうん唸る。
それが面白いのか枕元に座る裸の美女は、嫌がるエセルの耳をひっぱったり、頬をつねったり悪戯の限りを尽くす。
「だいたいさ、この天下無敵超最強のあたしに残飯を与えるなんてどういうことかわかってんのか?おいこら?ほれほれ」
「うう〜〜ん」
寝苦しそうにくるっと横を向くエセル。
それをうひひっと笑いながら反対側まで追いかけ、また鼻を指先で摘まみあげる。
「今日のシチューだってあたしの分は底にとごった焦げ付いたヤツだっただろ?なにが「クロは単純だなぁ」だよ、え?鱗が黒だからクロって名前をつけるお前のほうが単純なんだよ」
そう言いながらニヤニヤ笑う美貌が、少年の顔に寄り添う。
クロと名づけられたドラゴンの化身の美女は、少年の顔に接近しその褐色の頬を摺り寄せていた。
その顔は口調のわりにはとても嬉しそうにほころんでいる。
「ほんとお前はあたしがいないと、てんで駄目なんだからな」
まるで子供のようにすやすや眠るエセルの頬に美女の舌がチロッと這い回る。
「んんっ……ほら、口を開きな」
蜥蜴のように舌の先が2つに分かれた舌が丁寧に頬を舐め、そのままチロチロと寝息をたてるエセルの唇を無理やりわって滑り込んでいく。
肉厚の唇が少年のそれを塞ぎ、蛇のように長い舌が唾液をかき出すように這いまわり、口腔内を丹念に味わいだす。
「うぐぅ…ううん」
相当寝苦しいのだろう、それでも少年はまるで魔法にかかったように目覚めようとしない。
だが、口の中の苦しさに自然と舌が異物を押し出そうとする。
「んふ」
まるでそれを狙ったかのように、褐色の肌の美女はエセルの舌を絡めとると丁寧に唾液を塗しじゅるっと自分の口の中に引き入れる。
その一方的な接吻は焚き火の明りがうっすらと小さくなり、かすかな白い煙を上げるまで続けられていた。


「んはぁ」
やがて、粘着質な音をたてて美女が顔をはなすと、二人の間に唾液の橋がタラリと落ちる。
「ふふふ、さてといつもの通りマッサージをしてやるよ、その前に」
クロは消えかけた焚き火に薪を再度くべると、火を起こす。
暖かな光が湖畔に投げかけられるのを確認すると、再度ぐうぐう眠るエセルの側にしゃがみこむ。
「さてと、お次は…」
クロの爬虫類のような縦長の瞳がかっと見開き、その唇から人間には発音できない呪文がこぼれ出る。
「IYAAA,HASSTAAA,URUUUNGU,RURURURU」
ぼんやりと黒く光る球体が生まれ出ると、エセルの体に吸い込まれていった。
心身喪失と幻惑を高度に複合させたクロの特別な魔法だった。
魔法の力は深く眠る少年の心を精神的な朦朧状態に落としてしまう。
これで何があったとしても、今夜のこれからの事はエセルにとっては夢の中での出来事だ。
「そのなんだ…マッサージを受けるときはリラックスするものだからな、こうした方がお前の疲労がはやくなくなるんだ、本当だぞ」
誰が聞いているわけでもないのにブツブツ言い訳するクロ。
そして、すうすうと穏やかな寝息をたてるエセルを再度確かめ、ぺろっとその頬を舐める。
「それじゃさっそくマッサージをたっぷりしてやろう♪」
その美貌をニンマリと笑みに変え、歌うように呟きながら、そっと少年の包まる毛布に手をかける。
「たくっ、なんだこの寝巻きは」
毛布の中のエセルは、辺境の密林の奥地で野営してるとは思えない、猫の柄のファンシーなパジャマに身を包んでいた。
「はぁ、昨日はクマだったし、お前はどっからそんな能天気な寝巻きを持ってくるんだ、たく、こんな物はあたしが没収だ」
クロはクスクスと笑いながら、エセルの寝巻きを慣れた手つきでひん剥いていく。
ドラゴン柄の寝巻きがあればいいなと思いながら。


密林の奥から聞こえる鳥の鳴き声。
真っ赤な月が照らす光の中、褐色の肌の全裸美女が横たわる無力な少年にのしかかり、ゆっくりと淫らに体をくねらせ伸し掛かっていく。
「さてと、まずは体をほぐしてやらないとな」
八重歯が尖った口から、とろっと唾液に塗れた舌が伸びる。
舌先はまるで蛇のように二つに割れ、驚く程長い。
その異形の舌がエセルの薄い胸板をべろっと舐めまわす。
「んっ、汗臭いぞ、せっかく湖の側にキャンプを張ったんなら、ぺろっ、ちゃんと体を洗え、んっ」
そのままちゅちゅっと音を立てて唇をすべらし、唾液を舐め広げていく。
さらに、クロはそのたっぷりとした褐色の双球を少年に押しつける。

くちゅ れろっれろっ ぴちゅぴちゃ

子犬が水を飲むような音をたてて、舌がエセルの体を這い回る。
「んっ、脇の下も綺麗にしないと…んっ、汗まみれじゃないか、ほらペロペロしてやるから腕をあげな、んっ、れろれろっ」
「はぁはぁ…あううっ…ああっ」
体の上に伸し掛かられエセルは苦しそうに息をはくが、一向に目覚めそうにない。
褐色の美女は、それを幸いにさらに、音をたてて少年の肌を舐め清める。
ルクスとは違う意味で、その呼吸は荒く、興奮した黒い髪が魔力を帯びてわさわさと動き回る。
「そういえば歩き過ぎで足が痛いとか言っていたな、なんだ赤く痣になってるぞ」
少年の身体上で向きをかえたクロは、その腹の上に丸いお尻をのせ、今度は下半身にとりかかる。
濡れた舌が伸ばされ、エセルの太ももから、赤みを帯びているふくらはぎまで丹念にべっとりと嘗め回していく。
「たく、ほとんど歩いてないくせに、こんなにして貧弱な奴」
漆黒の髪をもつ美女は、少年の足を抱え込むようにしてペロペロと嘗め回し、しなやかな指先で丹念にこわばった筋肉を揉み解していく。
「れろ、んっ、足の指先まで、んっちゅ、ちゅるっ、綺麗にしておかないとな、んっ」
エセルの足の指一本一本まで、真っ赤な唇が咥え込み、指の間までねっとりと舌を差し込む。
暗闇の中でもはっきりとわかる美しい容貌を、うっとりと緩ませながら、ドラゴンの化身の女は少年の体を貪り舐め続けていた。
エセルのお腹の上に卸した小麦色の艶々としたお尻の下は、すでにべっとりと唾液以外の液体で濡れだしている。

じゅるっ びちゅびちゃ くちゅくちゅっ

卑猥な音と、月光を浴びて輝く美女の満足げな吐息。
たっぷりと時計の長い針が一回りする間、クロの特別なマッサージは続けられていた。



いつの間にか真っ赤な月は、雲に覆われたのか姿を消し、変わりに深夜の闇が辺りを包みこんでいた。
何処かで鳴いていた鳥の声も既になく、辺境の密林の湖はしんと静まり返っている。
そんな夜の帳に包まれた湖畔を、焚き火が暖かな明りで灯している。
そして、焚き火の側の草地で、ゆらゆらと揺れる炎に照らされ一組の男女が絡み合っていた。

くちゅ れろれろ にゅるにちゅにちゅ くちゅ

パチパチと焚き火のあげる音に混じり、粘着質な卑猥な舌が奏でる音が暗闇の中に響きわたる。
既に少年の寝巻きは下着を除いて全て奪い取られ、毛布と一緒に脇に追いやられていた。
そして毛布の代わりに少年を包み込むのは、柔らかな褐色の肌と、絡み尽く長くしなやかな手脚だった。
「はぁはぁ…あっ…あぁっ…ううんっ」
時間がたつにつれ夢うつつのエセルの荒い息は、既に快楽の声へと変わっている。
朦朧状態とはいえ、これだけたっぷり愛撫されたのだ。
既にその体は、無意識の内に自分に絡みつく女の匂いを感じとり、ほんのりと火照りだしていた。
「れろっ、んっ、たくっ、れろっ、お前は何を気分をだしてるんだ、これはマッサージなんだぞ、決して邪な行為では…んっ」
相変わらず意味の無い言い訳を自分に言い聞かせるように繰り返すクロ。
その圧倒的な美しさをもつ褐色の肌は、汗に濡れ、焚き火の明りを受け妖艶な輝きを放っていた。
「だから……ここも綺麗にしないとな」
そんな神秘的で淫らなドラゴンの化身の美女は、ごくりと唾を飲み込み、震える指先でエセルの下穿きをゆっくりとおろしていく。
「すっ…凄い事になってるな」
下着から飛び出た少年のペニスは、既に精気を溜め込んで大きく元気になっていた。
はうっと万感の思いを込めた吐息が彼女の口から漏れる。
そしてそのままうっとりとした表情で、口を開けると、少年のソレをゆっくりと飲み込んでいく。

じゅるるるっ じゅぅるっ

「ふぁっ、ひょうは、いっそう、汗くさひ…んあっ…もう、んんっ、ほれは…犯罪的らぞ…んっ…じゅるぅつっ…んんっ」
れろっとドラゴン娘の長い舌が、少年の亀頭の裏側を捕らえ、一日歩きづめで溜まった疲労と汚れを舐めとり啜りこんでいく。
唇で締め付け、たっぷりと唾液の溜まった口腔内で肉棒を嘗め回す、濃厚すぎるフェラチオだった。
「んっ、んっ…くちゅっ…んあっ、んっ、れろっ、じゅるるっ、んんっ…ろうら、あたしのマッサージ、だいぶうまく…んっ…なってきたらろ?」
黒い髪の美女は、肉棒を含んだままモゴモゴと頬を動かしながら、その爬虫類のような縦長な瞳孔の瞳で、眠り続ける少年の顔を見つめる。
「ああっ…うあぁ…ふぁ」
エセルは気持ち良そうな声をあげながら、枕代わりにしたバックパックに顔を擦り寄せて体をくねらせていた。
「ふふふ、そうか…きもちいいか、んぐっ…ぷはぁ…だったら、もっといいことしてやる、今日上手い肉をくれた礼だ」
ビンビンに硬くなった肉棒を、ちゅぽんっと吐き出す褐色の美女。
その艶やかな口元からエセルの肉棒の先端まで、とろっと銀色の唾液の橋がつながっていた。
「こんなに硬くなってるからな、ここで揉みほぐしてやるよ」
そう言ってクロは自分の胸をぐいっと突き出す。
瑞々しい張りを称えた、たぷんっと重量感たっぷりのバスト。
まったく型崩れのしていないその魅惑的な褐色の球体を、クロは無造作に両手でぐいっと持ち上げ押し広げると、その深い谷間にエセルを挟み込む。
「どうだ柔らかいだろ?」
ふふふっと不適に笑う褐色の美女は、バストを左右からむにっと押しつぶすと、そのまま容赦なくグイグイと上下に揺すりだす。
「んあっ、どうだ?気持ちいいか、んっ、疲れはとれそうか?んっ、んっ、昨日の尻の穴を舐るのとどっちがいい?おっ、硬いのが胸の中でビクビクしたぞ……ふふふ、そうか、こっちがいいのか?」
美女が長い黒髪を揺らして体を上下させる度、ペニスを包んで押しつぶされた柔らかな肉乳が淫らにたゆむ。
すでに唾液でベトベトになっていたエセルのソレは、クロの淫乳の肉塊に挟まれシゴかれていた。
小麦色の双球の割れ目からは、にゅにゅっと亀頭が顔をだし、先走りの液を気持ちよそうに吐くと、また豊かな乳房の中に埋もれていく。
「はぁはぁ、んっ、んっ、んっ、このマッサージ、あっあたしも、けっこう…好き、んっ」
身体全体を使うように淫らに動くドラゴン娘は、ほんのりその頬を染め上目使いで、「ああっ」と喘ぐエセルを見つめる。
急カーブを描いて盛り上がるその見事な褐色の肌の上を汗が伝わり、ピンク色の乳頭からぽたぽたが滴り落ちる。
口唇から突き出されたトカゲの舌先が、胸の谷間から少年の亀頭が顔出すたび、ペロペロと嘗め回し、隙をみては鈴口にもぐりこむ。
そんな美女の奏でる舌先の愛撫と双球のシゴきに応えるように、エセルの肉棒の先端にぐぐっと力をこもる。
「んっ、ちゅっ、ちゅっ…んっ、先っちょ、ピクピクしてきたぞ」
「んあっ」
寝転んだ少年の背中がきゅっと反り返る。
そして次の瞬間、エセルはあっけなくドピュッと白濁した濃い精液を噴出していた。
「うわっ…こらっ、あっ、あん…めっ目に入った…ああっ髪まで」
クロのことなどお構いなしに噴出するスペルマは、その美貌にビュビュッと振りかけられ、白い液体が褐色の肌を汚していく。
やがて、たっぷり美女の顔に精液を撒き散らし、白濁液の噴出は止んでいた。
「…ううっ…ふぁぁっ…はぁはぁはぁ」
エセルは本当に満足そうな顔をしながら、どさっと下草に背中をつけると、またすやすやと寝息をたてる。
「たくっ、あたしの顔にぶっかけやがって…いい気なもんだなお前は」
褐色の肌の美女は、その額から整った鼻筋まで白濁液をどろっと滴らせると、恨めしげな視線で、気持ち良そうに眠りこける少年を見つめる。
……ほんとは起きてんじゃないのか?
なんて思わず自分の魔力を疑ってしまうクロだった。
だが、すうすうと心地良さそうに眠るエセルの顔を見ているうちに、そんな疑惑も徐々に晴れていく。
「はぁ…鈍感バカなお前があたしの魔法に抵抗できるわけないか、うわっ髪の間までお前のザーメンでドロドロじゃないか、これは匂いが落ちないぞ、染みついちまう、お前のザーメン臭であたしの身体…もう臭くて、臭くて…お前の臭いで…」
褐色の美女は、すんすんと鼻を鳴らして顔中にかけられたスペルマの臭いを嗅ぎながら、髪や頬を垂れ落ちるその粘つく液体をゆっくりと指先で拭い取る。
「はぁはぁはぁ、すごく臭い、鼻が曲がりそう、生臭くって、濃くって、こんな臭いザーメン毎日ぶっかけられた…あたし…あたし…」
クロは指先で拭ったエセルの白濁液をじっと見つめる
その蜥蜴の瞳は、霞がかかったようにトロンと蕩け、唾液と先走り塗れになった豊かな胸元がはぁはぁと荒い息に合わせて揺れている。
「こんな…こんな…クソ人間のダメ野郎の…濃くって臭くて…匂いが取れそうもない汚いモノを…この…このあたしが…あたしが…」
とろっと彼女の指先から滴り落ちる人間の濃縮ザーメン。
褐色の美女は、憑かれた様にそのドロドロとした液体を見つめ続ける。
いつのまにかその艶やかな唇が開かれ、舌先の割れたトカゲの舌が無意識のうちにチロチロと這い出していた。
「…はぁ…はぁ…あたしが…こんな臭い奴の…こんな…こんなっ」
その舌先はぶるぶると震ええながら、ゆっくりとザーメン塗れの指先に迫っていく。
そして…
「くそっ、もう我慢できるかっ」
ぐるるっと喉の奥で獣の声をあげるクロは、精液が滴る自分の指先にむしゃぶりついていた。
じゅるるるっと音をたて白濁液を啜りとる。
「んっ、んっ、んっ。くさひっ、臭くて、美味しいっ」
そのまま指先にちゅうちゅうと吸い付き、爪の間に入り込んだスペルマも残さず吸い取っていく。
やがて指がふやけるまで吸いつつづけたドラゴン美女は、こんどは自分の顔や髪にわずかに残る精液の残滓に長い舌を伸ばし舐めとっていく。
「んっちゅぱっ…んあっ、ああっ髪のも、んっ、臭くて、はんっ、ちゅぱっ、んんっ、くさいのぉ、ああっ、クソ人間の臭い精液ぃ」
すっかりエセルの性の匂いに酔ったケダモノは、知性をかなぐり捨てただ本能の求めるままに精液を舐めとり、肌に染みつくその臭いにうっとりとした声をだす。
やがて体に付着した全てを、クロは舐めとり褐色の肌にすり込み終える。
「ううぅ〜〜」
整った鼻梁に皺を寄せ、まだ物足りないのか、はしたない唸り声をあげてしまうドラゴン娘。
その鼻先がピクピクと動くと、彼女の求める臭いがたっぷりとする発生源を見つけていた。
そして、その発生源に向かってにんまりと笑みを作る。
「ふふふ、なんだ、まだまだあるじゃないか、ダメ人間のくっさいザーメン」
その目線の先は、勿論、素っ裸ですやすや眠るエセル。
そしてだらしなく広げられた両足の付け根で、パイズリでさんざん精液を搾り取られぐったりと萎えて縮んだペニス。
そこから彼女を惹きつけてやまない匂いがプンプンと漂ってくる。
そのしなやかな身体がもそりと動くと、肉食動物が獲物をかるようにゆっくりと四つん這いでにじり寄っていく。
「はぁ…はぁはぁ…なぁ、いいだろ?もう少しだけ臭いザーメン…あたしに…な?」
すやすやと眠るエセルは勿論返事などしない。
そして、誰も薪をくべることのなかった野営の火が、パチッと最後の音をたて消え、月も隠れた深夜の密林を、ゆっくりと漆黒の闇が覆っていく。
その闇の中、とろっと唾液の糸を引いた褐色の美女の唇が、少年のソレに貪りついていた。


ちゅっぱ ちゅっぱ ちゅっぱ ちゅっぱ
規則的な吸引音が暗闇の中に響き渡る。
「ああっ…ううっ…ああっ、ああっ…ううぅ」
その音に引きずられるようにして響く、空ろな年若い人間の喘ぎ声。
焚き火の薪は既に消し炭となり、時折吹き付ける風にあわせて、息を吹き返すようにぼんやりと赤く輝くだけだった。
そして、そんな微かな光が照らすたび、人間の少年の腰にしがみつき激しく首をふる褐色の美女の肌が、暗闇に浮かび上がる。
じゅるるっ ちゅっぽんっ
やがて、漆黒の闇よりも黒い髪を翻して喉を鳴らしていた美女は、その口から音をたてて咥え込んでいた少年の肉棒を放す。
それは唾液でべっとりとコーディングされ、たっぷり舌と頬肉でシゴかれ大きくビンビンと天をついていた。
「ふふふ、やっと大きくなった、もう顎がガクガク……さてと」
闇の中、その爬虫類のような縦長の瞳孔の瞳が、貪欲にギラリと光る。
「そろそろ御褒美を頂き…んんっ、もとい最後のマッサージをしてやるよ」
ゆっくりとその麗しい曲線を描く肢体が立ち上がる。
その時、一陣の風によって雲が追い払われ真っ赤な月が顔をだすと、辺境の地の湖畔を照らしていく。
さっと差し込む柔らかな月光。
魔力を持つといわれる月の光が、すくっと立ち上がった美女を照らし出す。
黒く長い髪に彩られた、圧倒的な美しさ持つその美貌。
すっと伸びた眉は美しい線を描き、細められた瞳は嫣然とした強者の輝きを放っている
そして、月の光でぬめる様に光る綺麗な迫力のある褐色の躯。
つんと突き出す張りのある瑞々しい見事なバスト。
ウエストが驚くほど細い割に、程よく肉のついたお尻と太腿は充実し、長くスラッと伸びた脚へとバランスの良いラインを形成している。
そしてそんな彼女が身体に身に纏っているのは、首に巻かれた無骨な鎖だけ。
「ふふふふ、それじゃたっぷりと匂いを染みこませてくれよな、あたしの中に」
そう言うと、ジャラリと鎖を鳴らしながら、その丸みを帯びた女の尻が少年のいきり立つ肉棒の上におろされていく。
「うぐぐっ…いっいつもながら…おっ…おっきくて…うううっ」
きゅっと下唇を噛み締めながら、美女はすべらかな背筋を反らしてしゃがみこむ。
その股間では、聳え立つエセルのペニスの先端が、ずちゅっと卑猥な音をたて黒い茂みの奥で濡れ光るドラゴンの化身の美女のの膣中に飲み込まれていた。
やがて、月光に照らせれながら黒く長い髪を広げた美女は、ぺたんとエセルの腰の上に、お尻を落とし密着させる。
「あふうっ、入った、全部入ったぞ、わかるか?いまここに入って、んあっ、ズリズリってきたっ…ううっ…はぁはぁ、全部お前が入ってるんだぞ」
褐色の美女は、満足げにそう笑うと、はふっと甘い息をはいて奥からお腹を突き上げる肉棒の感触を楽しみながら、そっとその腹部を撫でる。
ジャラリと魔法の鎖が月光を反射して鈍く光っていた。
「どうだ?ふふふ、ドラゴンに食われた感想は?」
目を細めて自分の身体の下のエセルを見つめる。
しかし、心身喪失の魔法で精神が朦朧と夢の中をさ迷っているエセルは、勿論返事などできるはずがない。
「ぁぁぁ…んんっむにゃ…んあっ…ぁぁ」
ただ、股間を包み込む狭いドラゴン女の膣肉の感触に反応して無意識のうちに心地よそうな声を絞り出すだけだった。
「たくっ、せっかくこのあたしが特別マッサージをしてやってるのに、いつもながらダメな奴だな……まぁいいさ、あたしはあたしで勝手に犯らせてもらうからっ…んっ」
ぐいっとクロの美躯が強引に上下に動き出す。
潤った結合部から粘着質な音があがり、くびれた腰が淫らなリズムを奏でだす。
「んあっ、あっ、あっ、んっ、いいっ、こっ、これいいっ、いいよっ」
クロの身体が踊るよう動く度に、先端が固くしこった豊かなバストがたぷたぷと揺れ、黒い髪がしなやかに宙を舞う。
そして、首に巻かれた魔法の鎖がチャリチャリとリズミカルな音をたてていた。
「ああっ…むにゃっ…んんっ…んっ」
その動きに応えるように、眠るエセルの身体も、欲求を満たそうと反射的に腰を微かに動かし出す。
「んひっ、こっ、こら動くなっ、お前は動かないで休でればいいんだ、こっ、これはマッサージなんだからなっ、んあっ、くうっ……だから動くなっての、膣の中でズリズリされると…ひあっ、あたしがおかしくなっちまう…ああっ」
わずかにエセルの腰が動いただけで、褐色の美女は電撃を淫核に撃たれたようにビクビクと激しく背筋を反らせる。
もし、これで本当にエセルが目覚め腰を振り出したらどうなるか…
クロはそのことを思うともう気が狂いそうだった。
その瞼の奥でチカチカと瞬く快楽の電流の中、自分の指をくっと噛み締め荒ぶる快楽の波が収まるまで必死にイクのをこらえ続ける。
やがてクロがじっと動かず我慢していたためか、反射的に動いていたエセルの腰がゆっくりと収まっていく。
「はぁはぁはぁ……このバカ人間!動くなって言っただろうが、まったく気持ちよすぎ…とっ、とにかくだな、あたしが自分で動くから、お前はただ寝てろ、いいなっ」
最初からずっと寝ているエセルに言っても意味の無い台詞だが、褐色の美女は早口でそう言うと、今度は少年の胸にぺたんと手をついてその動きをおさえ、ゆっくりゆっくり慎重に腰を動かし出す。
ずにちゅ ずちゅくちゅ ずちゅゅっ
先程の律動に比べゆったりとした腰を回すような動きだったが、それでもクロには十分すぎる快感だった。
そして、そんな快楽に耽る小麦色の肌の腹部の奥では、幾重にも重なる濡れた肉ヒダが、少年のいきり立つ肉棒を余す所なく包み込み、奥へ誘うように捏ねあげる。
「うっ…うっ…ううっ」
にちゃにちゃと絞り上げる肉筒の暖かなうねりに、エセルの肉体はまた腰を動かそうとする。
「こら馬鹿!だめ!だめって言ったろ…うあっ…動くなって、あっあたしが代わりにお前の臭いザーメンち○こを膣肉でズリズリしてやるから…なっ、だから動くなって…んあっ…ふぁあ」
汗を滴らせ蜥蜴の舌を突き出しながら、クロはエセルの薄い胸板についた手で必死に少年の動きを抑えつけようとする。
だが、そんなことをすれば無意識の内に逃れようとエセルがさらに身体をくねらすだけだった。
「ひあああっ、やめろっ、あっあたしを…ひぐっ…こっ…殺す気か、そっ、そんなゴリゴリするなっ、うああっ、あひいっ、あひ、あひっ」
不死身のはずのクロは人間の少年のペニス一本でもう息も絶えだえになっていた。
クロが耐え難い程の官能で魅惑的なその肢体をくねらせると、さらに下になったエセルが反応して腰をまた動かしてくる。
その繰り返しがクロの膣肉を責めあげ、快感の電撃を体中に走らせ続ける。
「こっこのエロ餓鬼がっ、あっあたしをこんな風にしやがって…ふぁあん、あああん」
クロはその性格からは想像もできない程、甘い声をあげ、たぷんっと胸を震わせるとあっけなく絶頂に駆け上っていた。
そして睡眠中のエセルは自分のまったくあずかり知らぬ所でエロ餓鬼呼ばわりされたことにも気がつかず、嬌態を晒す美女の下で、驚くほどの心地よすぎる感触に寝息を荒くしていた。
「ふぁああああん、イクぅ、いっちゃううっ」
月光の下、少年を組み敷いた褐色の美女は、さらっと黒い髪を広げ、汗を辺りにキラキラと撒き散らしながら嬌声を張り上げる。
鳥の声ひとつしない密林の闇の中に、クロの絶頂をつげる声が木霊して消えていく。
やがて人間にいかされたドラゴン美女は、はぁはぁと荒い息を吐くと、少年に跨ったままの姿勢で、がっくりと脱力したようにだらんと首をさげる。
流れる黒髪に遮られその瞳は見えないが、赤い唇の端からは、快楽のため止まらなかった唾液が垂れ流され、顎先からポタポタと落ちていた。
褐色の肌の美女は、しばらくその姿勢のまま俯いていたが、やがて黒髪をひるがえし顔を上げる。
その美貌は、欲望で歪み壮絶な美しさを放っていた。
「はぁはぁはぁ……くそおっ、きょ今日こそはゆっくり楽しもうと…思ってたのに」
くっと秀逸な眉を寄せると、身体の下の眠り続ける少年を睨みつける。
「ももういい、もうとまんない、お前のせいだからな、クソたっれの人間、バカで下等な劣等種族っ、そのくせ繁殖力だけ旺盛で、どんなとこでもズコズコさかりやがって」
酷い言葉を吐きながら、うっとりと瞳を蕩かしていくドラゴン種族の美女。
二の腕の間で卑猥に形をかえた乳房の先端は痛いほどにズキズキと勃起し、腰の奥がヒクヒクと物欲しげに疼きだす。
「おまけに、このあたしに臭いザーメンをぶっかけやがるし、あげくの果てには優しくマッサージしてやるって言ってるのに人の腹ん中で勝手に動き回る始末…もう我慢の限界だ」
寝苦しそうな少年の腰の上にぺったりと乗り上げたお尻が、きゅっと引き締まる。
「そう、もう限界なんだ…だっ…だから…だから…」
いまだにクロの膣奥でドクドクと脈打つ少年の肉棒。
あの臭いザーメンをたっぷりと打ち出すその大砲は、間違いなく彼女の膣奥に狙いをさだめていた。
「お仕置き決定だ、今日もあたしの中でたっぷりだすまで許さないからな!いいか間違えるなよ、これはお仕置きなんだからな、くれぐれも勘違いするなよ、別にあたしがお前のザーメンが欲しいってわけじゃないんだからな、こっ…これはおねだりなんかじゃないんだからな…いいか絶対欲しがってなんかなんいんだからな」
ついさっき少年の精液の匂いに釣られてフェラをしていたことなど棚に上げて、褐色の美女はエセルの寝顔を睨みつける。
そして、「絶対だからなっ」と小声でつけたすと、腰を前後に激しく動かし出していた。


ずちゅずちゅずちゅ ずちゅずちゅずちゅ ずちゅずちゅ
クロの肉つきのいい女の尻が前後しリズムをとり、きゅっと引き締まった腰のラインが南国の舞踏の様にクネクネと卑猥な踊りを踊っている。
その膣内では、エセルの肉棒が柔らかでシコシコした無数の肉粒に擦り上げられ、包み込むような肉の輪に絞りられていた。
「うううっ…ああっ…うううっ」
これまで以上の膣肉の与える甘い刺激に、安らかだったエセルの眉が顰められ、その背筋が激しく反り返る。
そして反射的に動く腰が、ドラゴン美女の敏感な膣肉を突き上げる。
「ううあっ、きっきた、また動きやがっ…くそっ、あっ、あっ、人の膣だと思って好き勝手突きやがって…んあっ、お前また今日も、あたしの中に臭くてドロドロのザーメンだすんだな、ひあっ、人間の臭いザーメンであたしの子宮の奥まで汚すきなんだろ、そうだろ?んあっ、そうだって言え、言ってくれっ…んあっああっあああっ、」
どうやら毎日この淫らな決闘をクロは勝手に繰り広げているらしかった。
そして全戦全敗なのは、その感じすぎる体がすでに何度も痙攣し、うわずった声をあげていることもからも明らかだった。
「くるっ、んあっ…ビリビリいって腹ん中で、お前のっ、下等な人間のモノが、んあっ、ズリズリ動いて匂い擦りこんでっ、そっ、そんなに擦り付けたら…ふあっ…あたしの膣がザーメン臭くなっちまうっ…あっ、ひっ、ひあんっ」
褐色の美女は、はひっはひっと息を吐きながら、淫らに動く腰の位置を調整し膣全体に自分から少年の肉棒を擦り付けると、あますところなく膣奥を亀頭に蹂躙させていく。
悪態をつき続けるドラゴン美女の身体は、言葉とは裏腹に少しでも多く少年を感じようとしていた。
「ふぁっ…んっ、たっ、たくっ、クソ人間のくせに、このあたしの子宮に精液でマーキングしようだなんて、ううっ…なっ…なんて奴だ…いくら年中繁殖期だからって、このあたしにまで種付けしようだなんて、あひっ…んっ…こっ…こんな人間他にいないぞ…あっ、あっ、んあっあああっ、あっ、あっああっ」
クロの身体が跳ね上がり何度も上下するたびに、彼女の開きっぱなし口から流れ出た唾液がポタポタとエセルにふりかかる。
肉棒に攪拌される膣からは、小水を漏らしたかのように愛液がビュビュと吹き出つづけ、言葉にできない絶頂へ褐色の肌の美女を放り上げる。
「ううううううっっ」
そして、エセルの身体もまた、激しく求めるドラゴンの美しい化身に誘われるように絶頂へと駆け上っていた。
「ふあっあっあっあっ、でっ…でるのか?でるんだな?あたしの腹ん中に…あぁっ…あの臭いザーメン汁だすんだな?まっ待ってろ、いま、いかせて…んあっ…やるからなっ」
少年の呼吸が今まで以上にはやくなるの感じたクロは、その豊満なバスをぶるんっ激しく揺らせ一気に腰を捻り上げる。
「んああっ…いっ…いけっ人間、どうせ最初からあたしの腹ん中に出す気だったんだろ、だったら好きなだけ…だっ出させてやるっ、ぅぁぁああんっ」
びくびくと振るえる美女の体が満月の光に照らされ浮かび上がる。
ジャランっと鳴り響くその首に巻かれた魔法の鎖。
そして眠ったままの少年の眉がううっと顰められる
次の瞬間、ドラゴンの化身の美女のお腹の中にドクドクと熱い迸りが注ぎ込まれていた。
「あふぅううう、きてるうぅぅっ、お前の臭いザーメンっ、すごっ、腹ん中びちゃびちゃ叩いて、んあああっ、こっこれ全部あのクソ臭いち○ぽ汁なのか、すっすご…すぎ…んああっ、こっ…こんなのされたら覚えちまう、子宮がこの匂いを覚えこまされちまうっ」
ドピュ ドピュ ドピュ ドピュッっ
美女の子宮を叩く容赦のない膣内射精。
クロは自分のお腹の中にたまっていく人間の精液を感じ、プルプルと小刻みにふるえていた。
月光の下その褐色の肌は吹きだす汗でしっとりと輝き、凛としていた美貌はうっとりとだらしなく緩み、子宮をザーメン汁で蹂躙される感触に酔いしれている。
やがてドピュッと最後の人間の一撃が、ドラゴンであるクロの子宮に叩き込まれる。
「あんっ」
それを感じた褐色の肌の美女は、ふらっと力を失うと、黒い髪を広げて体の下で横になるエセルの上にしなだれかかる。
汗にまみれた柔らかな乳房が少年の胸板との間で卑猥につぶれ、長くしなやかな腕が、荒く息をはいて眠る少年を抱きしめる。
そして、満足げな表情の美女は、その頬を少年の鎖骨にのせ横たわると、そっと目を閉じていた。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ」
しばらくの間、ゆったりとした時間が辺りを支配していた。
鳥の声一つしない静寂に包まれた辺境の密林、その奥地の湖畔で横たわり汗に塗れた身体を休める。
やがて荒い呼吸が整ってきた褐色の美女はうっすらと目を開き、腕の中で眠る少年に挑発的に囁きかけていた。
「どうする?お前の臭い精液があたしの中でタプタプいっているぞ、あぁあ、もうこんな奥で出されたから臭いお前の匂いが染み込んでとれやしないよ…ふふふ、どうする人間?こんなスケベな汁であたしの身体にマーキングして…どうだ責任とってみるか?」
すりすりと形のいい鼻を摺り寄せながら、クロは誰も聞いていないことをいいことに甘えた声をだす。
そして自分がそんな声を出したことにひどく驚いたような顔すると…
「たくっ、ほんとどうしたもんだかね、お前も、あたしもさ」
そう呟いて、クロはそっと腕の中で眠り続ける少年に笑いかけるのだった。



夜の闇の静寂の中、すうすうと少年の寝息が響く。
その衣服はいつのまにかきちんとした寝巻きに着替えさせられ、つい先程までの情事の名残など一欠けらの痕跡も残されてはいなかった。
柔らかな毛布と、また薪をくべられ火を起こされた焚き火が暖かな温もりを彼に与えている。
その身体にかけられ魔法の効果は消えたのか、すでに少年の眠りの周期は自然なものとなっていた。
そしてその寝顔をまじまじと見つめ続ける黒い髪のドラゴンの化身の美女。
クロと名づけられた彼女は、その名付け親を見守るように目を細めていた。
安らかな夜の時間だけが野営地をゆったりと満たしている。
と、その時、ぴくんっとその褐色の美女の耳が動く。
「ちっまたか」
そっとエセルの側から立ち上がると、クロは湖の水面を剣呑な目つきで見つめ続ける。
その視線の先で水面が波打ちだしゴボゴボと泡立ち始めていた。
「いいかいエセル?昼間とちがってこの辺境の夜はすごく危険なのさ、特にこんな湖の側のいい場所が誰かのテリトリーじゃないわけないのがわからないのかい?」
無論話し掛ける相手が熟睡していることはわかっているが、クロはそれでもついつい説教をしたくなってくる。
前だってどう考えてもゴブリンの集落の側だってわかりきった所にキャンプをはっていたし……
美女ははぁぅっとため息をつく。
退化したドラゴンの姿の時は知性がほとんど奪われているが、それでも危険だと感じ必死に警告しているのだが毎夜毎夜まるでエセルは狙ったかのように危険なモンスターのテリトリーにほいほいキャンプを張ってしまうのだ。
「たく、この馬鹿」
長い足でこつんと寝ている少年の頭を蹴り飛ばすが、何処吹く風で爆睡をつづける。
ほんとよく寝る奴…さっきだって魔法をかけないでも起きる事はなかったんじゃ?
などと思ってしまうクロだった。
「いい気なもんだね」
はあっとため息をつく彼女の目の前で、先程までゴボゴボと泡立っていた湖面からぬっと大きな影が姿を現していた。
「へぇ、ラミアかこんなところにもいるとはね」
そう呟きながらクロは腰に手をやり堂々としたポーズで仁王立ちする。
その褐色の肢体は、首から巻いた太い鎖以外なにも身につけてはいない。
大きく形のいい乳房はつんと上を向いてつきだされ、滑らかな肢体は絵画の中にでる女神のように神々しさまで放っている。
ザワリとその身にかかる黒髪が生き物のように広がり波打ちだす。
そして月光を反射してギラリと光る瞳は、エセルに向けていた視線とはまったく異なる、本物の敵意と殺意がたっぷり込められていた。
その視線の先では、湖の水面からぬぅつとつきでた下半身が蛇の姿を持つ女性の姿をしたラミアと一般的に呼ばれる異形の化け物が姿を現していた。
相当年を重ね魔力を蓄えているのだろう、その姿は邪な力に満ち満ちている。
おそらくこのラミアが湖の主としてここら一体に君臨しているのだろうことは、クロにも容易に想像がついた。
「久しぶりの獲物じゃ」
水を滴らせる異形の女性が喉の奥から擦れたような不快な声が湖畔に響き渡る。
半蛇の化け物はずるずるとその巨体をひきずりながら湖から這い出ると、真っ直ぐにあいも変わらず寝つづけるエセルのそばに寄ろうとする。
その口は耳元まで裂け、中にはとがった歯がびっしりと生えていた。
「ちょい待ちな、これはあたしのもんだよ」
うねりながら這いずる蛇女の目の前にクロがさっと立ちはだかる。
「うむぅ…なっなんじゃ?誰かおるのかえ?」
ゴロゴロと雷のような声をだしてラミアはあたりをキョロキョロみわたす。
何故だか目の前に立つクロに気がついていない。
「あ、しまった、このままじゃ見えないか、もっと力を落とさないと」
すっとクロの縦に割れた瞳孔がすぼまり、波打つように広がっていた黒髪が重力に従ってそのなめらかな腰にさらりと落ちる。
その途端、クロのほんの目と鼻の先にいたラミアがぎょっと血走った目を見開く。
「なっなんじゃ貴様いつからそこに……」
「さっきからだよ、さぁとっと湖に帰りな見逃してやる」
まるでもういいよって感じでクロはヒラヒラと手を動かすとラミアの巨体を流し目で見下す。
「何を言う、そこの人間はわらわが先に目をつけたのじゃ、お主こそいね」
「はぁ、まったく自分のレベルもわからない奴だね、あたしが見逃してやるって言ってるうちにとっとと冷たい水の中に帰んな」
クロは一歩も引かず、じっとラミアを睨みつける。
「くくく、面白ことをいう奴じゃ、人間に化けて偉そうな口を叩きおって…わらわが三百の時を生きた湖の女王ラミュロス様と知らぬかえ?」
自ら女王を名乗るラミアの口から、ふしゅうぅと長い舌が這い出し威嚇のような音をだす。
「ふうん、あんた相当力を蓄えてるみたいだけど…まだまだだね」
昼間の力と知性をほとんど封じられた陸ドラゴンの時なら、もしかしたらヤバイ相手だったかもしれない。
クロは内心少し焦りながらジリジリと間合いをとる。
忌々しいフォルカスの鎖さえなければこんな奴……
その時、しゅっと地面を這ってラミアの鞭のような長い蛇の尻尾が突きだされる。
「あっ!」
首に巻かれた鎖に気をとられていたクロの横を、ラミアの女王ラミュロスの伸ばした蛇の尻尾がすり抜ける。
その尻尾の先は爆眠するエセルに巻きつくと、さっとその身体が引き上げられ女性の姿をした上半身に抱きかかえられてしまう。
「しまった」
「くくく、たわいもないわい」
嬉しそうに裂けた口でそう邪悪な笑みを浮かべながら、ラミュロスは手に入れた獲物をじっくりながめる。
「てめえぇ、あたしのエセルに触るんじゃないよ」
「くくくく、お主のじゃと」
「そうだ!エセルはあたしの大事な……その…食料、そう食料だ」
そこでクロは言いよどんでしまう。
「ほう?ではなんですぐに食べないのじゃ?」
湖の女王ラミュロスは目の前の人間に化けた生き物の強さを測りかねていた。
先程まで自分から姿を隠せていたことから考えて、相当の強さと思っていた。
だがしかし人間一匹に固執することから考えて思い違いだったようだ。
どうせ姿を隠すことにだけに長けた雑魚の類だろう。
「そっ…それはエセルがわたしの大事な…大事な…」
「大事ななんじゃ?」
ラミアはニヤニヤ笑いながら目の前のモゴモゴと口を動かす人間に化けた雑魚を見下ろす。
「大事な……非常食だからだっ」
クロは鋭い犬歯を剥きだしにしてやけっぱちな大声を上げる。
「くははは、非常食か、残念ながらわらわはこの半月ほど肉を口にしておらんでな、これはわらわが頂くとしよう、ありがたく思え雑魚」
「ざっ雑魚だと!ふざけるな」
クロがぎりっと唇を噛み締める。
そんな二人のやり取りの間でも、まだスヤスヤと眠りつづけるエセル。
その寝顔をみるとクロは胃がキリキリと痛み出す。
このあたしが!
世界最強と恐れられたこのあたしがぁああ!
ふぉしゅうっと口の横から濃密な魔力が蒸気のように立ち昇る。
だが、完全にクロを嘗めているラミュロスはそんなことに気がつかない。
ラミュロスはとりあず脅威になりえない三下の雑魚は無視し、自分の腕の中で眠りを貪る人間の頬に顔を寄せる。
妖女の腕の中で、これだけのやり取りにかかわらずエセルは余裕で眠っている。
「ふふふ、ほんに美味そうな童じゃえ、この肉は蕩けるような味がするのじゃろうなぁ」
調子にのった蛇女はドロリと長い舌をだすと、抱きかかえた少年の頬にぺちょりとつける。
もちろん目の前の三下の隠れるだけがとりえの口うるさい奴に見せつけるためだ。
「ふふふふ、いい匂いじゃこの童、魔力の素質があるのぉくくく久しぶりのごちそうだわ」
「……放しな……」
クロが下をむいたままぼそっと呟くような声をだす。
「なんじゃ?なにか言うたか?雑魚が……くくく、くやしくて震えておのるのか?」
「…放しな……はやく……」
長い黒髪が目にかかりその美貌を伺うことはできない。
「ほほほほほほっ、気分がいいわい、どうじゃ土下座をすれば片足くらい食わせてやらんでもないぞよ、ほほほほ」
耳まで裂けたラミアが狂ったような哄笑をあげ、ベットリと少年の頬に垂らした舌を蠢かし舐め回す。
その時、
「放せっていってるだろがぁこの雑魚がぁああああああ」
空気を切り裂く鋭い音とともに一瞬黒い影が月の光を遮る。
「なっなんじゃ?」
何事がわからず呆然とするラミア。
次の瞬間、その顔を青い血が汚す。
「ひぃいいい、わらわのわらわのぉ」
抱きかかえていたエセルの姿がなかった、ラミアの両腕とともに。
すっぱりと切られた切断面から噴出す青い血が蛇体の下半身まで汚していく。
「ひぃいいいいい」
痛さよりも自分の腕がなくなったことに混乱をきたす湖の主。
その耳にどんよりと響く重低音の声が聞こえてくる。
「放せっていっただろ?こいつはあたしの物なんだ、誰も渡さない、誰にも渡さない、誰にも…」
ブツブツとつぶやいているのは、黒い髪をまるで生き物のように波打たす褐色の肌の美女だった。
その豊満な胸に埋めるようにスヤスヤと眠る少年を抱きかかえている。
「こいつはあたしに毎日メシをくれたんだ……あの暗い暗い塔の地下で……骨と皮になったあたしにメシをくれたんだ……いままでだれもあたしにくれなかった物を……神々を殺しても…大陸を沈めても満たされなかった……でも、あの残飯みたいなメシが……簡単に満たしてくれたんだ……だから、こいつはあたしの物なんだ、この腕も身体も脚も髪の毛も、唾液一滴だってやるもんかぁああああ」
吼えるようにかっと見上げたその瞳は毒々しいほどまで真っ赤に染まっている。
「なにをお主……いや、貴方様は!!」
蛇体をうねらせてラミアは自らの青い血に塗れながら、目の前の人型を模した存在を驚愕の眼でみつめる。
「遅いよ、今頃わかっても」
かっと口を広げてクロは喉の奥から溜まりに溜まった声を吐き出しだす。
「GURRRRRRUUUUUUUU」
それと同時にその魅惑的な肢体から濃厚な魔力が湯気のようにたちのぼり、開いた口の奥で轟々と真っ赤な炎が渦巻きだす。
「まっ待っておくれ……知らなかったのじゃ、貴方様と知っておれば手はだしなぞしなかった、それに貴方様は死の都におられるのはずでは…」
自らのキズのことも忘れガタガタと振るえるラミア。
その目の前でクロは爆発的な勢いで濃厚な魔力を高めていく。
それに比例して細い首に巻かれた鎖がまるで生き物ように締まっていき、褐色の肌にギリギリと食い込み皮膚を切り裂き血をにじませる。
「GRRRRRUUUUUUUUU」
だが、クロはそんなことはまったく気にしない。
ただただ腕の中の少年を優しく抱きかかえ目の前の憎らしい敵にのみ意識を集中させていく。
「死ね」
大きくひらいた口の奥から燃え盛る炎が吹き上がる。
「おっお許しをぉ黒龍モライア様ぁあああああああ」
瞬間、闇を引き裂くほどの業火が迸り、じゅっと火のついた棒を水につけるような音が微かにした。
そして、ただそれだけでことは済んでいた。
この湖に住み三百余年、何千という命を奪ってきた蛇体の怪物ラミアはたったそれだけで黒い消し炭と変わり、ボロッとくずれおちると一山の灰の塊になっていた。
「ふん、モライアか……その名はとうに捨てた、今のあたしはクロだ覚えておけ、雑魚」
鼻先で笑い飛ばすと褐色の肌の美女は腕の中の少年を優しくみつめる。
「まだ寝てるよ、ほんと一度寝たらてこでも起きない奴」
ふしゅううぅと溢れ出る魔力の蒸気を口の端から吐きながら、少年を毛布のところまで運びそっと寝かせる。
寒かったのだろうか無意識のうちに少年の手が毛布をたぐりよせ包まろうとする。
「たくさ、なんでこのあたしがこんなチンケなガキにまったく」
そう言いながらクロはエセルの肩で乱れた毛布を丁寧にまいてやり、その横にゴロンと横になる。
遥か昔、黒龍モライアと呼ばれ神々を相手に天空を駆け回り、その溢れ出る力で世界中に恐怖をばら撒いてきた。
その自分が魔力を封じられ知性も力も何も無い陸ドラゴンに姿を変えられ、いまやただの人間の少年の荷物運びだ。
「ふふふ、伝説の「龍」も落ちたものだな」
そう嘆息しながらクロはエセルの頬をちょんちょんっとつつく。
「まっそれも悪くはないか……」
そう言うと彼女は長かった夜を終え、少年を抱きかかえるようにして眠りにつくのだった。


翌日
「ほらクロ、お肉」
「ギャウウ」
エセルの手から嬉しそうに陸ドラゴンは餌を貰いモグモグと食べ続ける。
「しかし、今日は冷えるよねぇ」
はぁっとはく息も白く見えるほどだ。
エセルは朝、いつのまにか出してあった靴下を二枚重ねで履くと、これまたカバンの一番上にきていた厚手のシャツを羽織っていた。
「ええと、街道にでるには…あれ?昨日の進路は逆だったのかな?」
適当に目の前にひろがる山脈を目印にすすんでいたのだが、地図に昨日黒炭のペンでマークしたポイントと異なっている。
「おかしいな、どっちに進んだらいいかな?」
もちろん夜の内にクロが修正した地図のほうが正しいのだが、エセルにはそんなことはわからない。
「う〜〜ん、確かこっちだと…まぁいいやこういうときは間をとって真中を行こう!」
「ギャウウ!」
クロが驚いたような声をあげるが、少年は一向におかまいなしだ。
「なんだよ、クロは嫌なのかい?」
「ギャウウ」
ブンブンと縦に首をふる陸ドラゴン。
必死に少年の持つ地図に顔を近づけようとする。
「大丈夫ダイジョブ、僕を信じなさいって」
エセルは胸をはって根拠のない自信を振りかざし、地図も見ないでスタスタ歩きはじめる。
「さあ行くよ!クロ」
「ギャウウゥ」
しぶしぶ後に続く真っ黒な巨体。


「ところでさ昨日寝ている間に僕の頬を舐めなかった?なんか獣臭いんだよね、べたべたするし…」
「ギャウ…ギャギャギャ」
「なに慌てているのさ?おっ見てあの山の麓、あんなところに綺麗な滝が!今日はここでキャンプしよう!」
「ギャウウウウゥ」


後に世界に名を残すドラゴンテイマー、エセル・タイムとそのパートナー暗黒龍のクロの伝説はまだまだ始まったばかりだった。

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誤字脱字訂正
4/6 クロック様
ありがとうございました。