『嵐の夜…』

 
「しもうたなぁ…これほど荒れるとは思わなんだ」

 嵐の夜…

 道に迷う男が居た。

 烏 天狗之助と言う名の医者である。

 隣村に診療を行った帰り道、突然の豪雨に祟られた。

 帰途を急ぐ余り、獣道に入ったらしく、山道に迷う事と相成る。

 風雨は止むどころか、強まる気配。

 これは堪らんと、雨宿りの出来そうな廃屋を見付け、飛び込んだ。

 其処には麗しい先客が居たという次第…

「誰…ですか?」

 年の頃は、ピーッ!才位か、幼くも美しい乙女。

 片手で羽織りの合わせ目を引き寄せる様に半ば横たわっている。

 娘は勇ましい男装でいきなりの闖入者に太刀を向けて威嚇した。

 然し、持ち上げるのもやっとな様子で、か細い腕に振るえる力など無い事は明らかであった。

 酷く怯えた様子で、がたがたと切っ先が揺れる。

「あ〜、失礼致した。怪しく見えるかもしれぬが、怪しい者では御座らん。ほれ、この通り…」

 娘の怯えた様子からともすれば、斬られかねないと思ったのか、天狗之助は着物を開いて何も武器の無い事を示す。

「…差物は御座らん。この雨風が止むまで軒を貸して頂きたいだけじゃ」

「ち、近寄らば、斬ります!」

 然し、野盗ばかりか、魑魅魍魎跋扈する物騒な世の中。

 何ら身を守る物を持っていない事で一層、娘の不安を煽ってしまった様だ。

「弱ったのう…」

 武芸百般に通ず…という訳にはいかないが、天狗之助は徒手空拳で身を守る術を心得ている。

 とある事件以来、武器は死ぬまで持たぬと誓いを立て、これまで来た。

 ”やっとう”を持たぬ事で怯えられたら御手上げであった。

 十分に娘と距離を取り、土間に腰を下ろす。

 然し、今度は濡れ鼠で寒くて敵わない。

 見れば、囲炉裏があり、薪もあるではないか…

「火を起こして貰いたいのだが…良いかの?」

 囲炉裏の傍には、件の娘が居る。

 近付けぬのであれば、請うしかない。

 すると、娘は戸惑いながら意外な事を口にした。

「あ、あの…ひ、火を起こすには如何様にすれば、良いのでしょうか?」

「はぁ?」

 見れば、娘も雨に打たれていたのだろう。

 冷え切って唇まで青くなっている。

 先ほど切っ先が震えたのも、寒さが手伝っての事だった。

(火を起こす事も出来ぬとは、何処ぞの姫君でもあるまいに…)

 そう思っても、出来ぬであれば、待っていても埒が空かない。

「其方には何もせぬが、怖ければ、離れておいで…」

 娘に言い置いて火を起こし、雨水から湯を沸かす。

 白湯をくれてやると漸く娘も落ち着いた様だが、依然、顔色は悪く、直ぐに床にへたり込む有様であった。

「大分加減が悪い様だが、診て進ぜようか?」

「貴方様は御医者か?」

「左様…『ヤブ』と頭に付くがの」

 すると娘は一瞬喜色を露にしたものの、暫し逡巡する素振りを見せ、そして、項垂れた。

「…いいです」

「何故?」

「お金…ありませんから…」

 巷の医者に倫理無く、一度診察すれば、患者の身代を喰い潰すまで金を搾り取る非道な輩も居るという。

 診ては貰いたいが、法外な金額を請求されると思ったらしい。

 確かに娘の身形は悪くないが、着物は大分着古した様子で所々擦り切れていた。

 疲れ切った様子から大分困窮している事が伺える。

「見た目と違い、儂は鬼ではないぞ?病人を前に銭金を云々言わんよ」

「………」

 娘の返事を聞く前に近付き、脈を取る。

「儂は烏と申す。烏 天狗之助…」

「わ、私は福狸藩用人 葉桜健吾が一子、雪之丞と申します」

 驚いた事に男装した娘ではなく、男子だと言う。

 然し、そう聞かされても、にわかに信じられない。

 それほど雪之丞は、か弱く、見目麗しい少女そのものであった。

 髷は結っておらず、額も剃っていない。

 伸びた髪を無造作に結び、馬の尻尾の様に垂らしている。

(やれやれ、信用が無いのぉ…)

 天狗之助の人相・風体は、髭面・襤褸と、けして良くは無い。

 女と暴棄れて暴行されるのを警戒し、男と偽っていると見た。

「ほれ、薬じゃ…」 

 天狗之助も人が悪い。

 薬湯にある薬を一摘み。

 誠に男子ならば、精力増進、女子ならば、媚薬にもなる代物。
 
 これを一服盛って真贋確かめる心算。

 雪之丞の病は疲労から来ているもの故、回復はするであろうが、もし読み通り女子であったら、この男如何様に始末を付けるつもりか?

「あ、ありがとう御座いまする…」

 雪之丞、男の魂胆を知らず、感涙に咽び泣く。

 純粋故に天狗之助の邪な思惑など気付く気配も無い。

 薬湯を恭しく押し頂き、ぐっと一気に飲み干した。

「のう…雪之丞殿。何故其方は、この様な辺鄙な場所に一人居るのじゃ?大分御苦労された様子じゃが…」

「それは…」

 天狗之助の優しい語り口に雪之丞は、ぽつぽつと事の子細を話し始める。

「父を…父を惨殺せしめた仇を追っておりました。然し、足取りを見失い、金子が尽きた事で後見人にも見放され、病に衰えた私を…て、天まで嘲笑いまする…うっ…ぐしゅ、ひっく、ひっく…」

 慣れぬ野宿をすれば風邪をこじらせ、ひもじさで山に入れば道を失い、雨まで降る始末…聞けば、とことん“つき”がない。

 世間の風が余程冷たかったと見ゆる。

 雪之丞、堪らず嗚咽を洩らす。

「おのれ…おのれ!憎っくき、『藤子黒兵衛』…」

「!」

 幼子に似合わぬ底から響く様な怨嗟の声… 

 その鬼気迫る様子から恨みの深さが窺えた。

「そそそ、それは、難儀したのう…」

 その影で何故か天狗之助の頬に冷たい汗がとろ〜り一筋。

 明らかに動揺した様子で声は高ぶり、病を診る目もそぞろ…暫し手はふらふら彷徨い、漸く雪之丞の肩に落ち着いた。

「んむ?」 

 冷たい。

 触れた雪之丞の肩は、ぞっとするほど冷たかった。

「御主、体が冷え切っておるではないか?何か無いかのぉ…」

 暖める物を求め、天狗之助が家捜しすると布団があった。そして、着替え迄もあった。

 まるで家人がそのまま消えてしまった様な家だ。

(まさか、狐狸の類ではあるまいな…)

 美しい娘が、山中にただ一人。

 雨を遣り過ごすのに丁度良い廃屋が直ぐに見付かったのも、妙である。

 自身が鉢合わせる事も含め、何か妖に導かれたかの様に思われた。

「借りておけ…」

「は、はい…」

 布団を敷き、着替えを渡すと、雪之丞は頬を赤らめながらも、天狗之助に背を向けて着替え始める。

「ほぉ…」

 剥き出しされた雪色の肌、炎の明かりに照らし出される痩身の滑らかな背中に天狗之助は、常ならぬ欲情を覚えた。

 性別を偽り、男の好奇の目に晒されてまでも気丈に着替え始める娘…

 雪之丞の胸乳は少年と言われれば、そのままで済ませてしまえるほど膨らみが薄い。

 然し、其処には青い果実の実る兆しが確かにあった。

 ゴクリッ…

 知らず喉奥に溜った唾を飲み込む。

 雪之丞の乳臭い体臭が仄かに鼻腔を擽ると、押さえ様の無い疚しい影が、心の奥底でむくむく鎌首を擡げてゆく。

 出会うた時は、子供を庇護する者の心持ちであったが、今では眼血走り、すっかり欲情した牡馬のそれであった。

 天狗之助は足音忍ばせ、背後から近付いて行く…

「あっ!な、何をなされます…嫌っ!?」

「こっちへ来う…儂の体で暖めてやろう」

 娘の肩を掴むと、そのまま乱暴に布団へ押し倒した。

「嫌っ、嫌で御座います!御無体をなさいますな!?」

 暴れる雪之丞を押さえ付け、すっかり頭に血が上った天狗之助は、娘の体に絡み付く帯を引き抜くと、衣を毟り取り、みるみる生まれたままの姿にしてしまう。

「ほぉ…やはり女子か?」

 娘の股を押し開くと、男の一物など姿無く、代わりにまだ恥毛の生える気配すらない恥丘を経て、綻びる手前の可愛らしい花弁が息衝いていた。

「おお…何と可愛らしい」

 天狗之助、娘の花弁をまじまじ見詰めたかと思うと、堪らず舌を伸ばして舐め始める。

「ああっ!そのようなご不浄を…ゆ、許して下さいまし!堪忍して下さいましぃっ!?」

 娘の悲鳴を他所に天狗之助、口を大きく開いて娘の股間に喰らい付く様にじゅるじゅる舌で舐り回す。

 泣き叫ぼうと喚こうと、此処は人里離れた無人の山野…聞くものは一人として居らぬ。

 赦しを求めても、娘の哀れな願いは暴漢と化した獣(けだもの)の耳に届く事は無い。

 そして、何と女子の肉体の弱く、浅ましき事…

 肉芽を剥き出しにされた女陰を執拗に嬲られる内、幼くとも女性の体は、番いを求めて徐々に熱くなり、とろとろ潤み始める。

「ふふ、潤っておるわ…淫らな娘じゃ」

「はひぃっ、左様な事…ありませぬ!あふぅ…ありませぬぅっ!?み、淫らなど…あぁん…」

 首を激しく振り、息も絶え絶えに淫らを否定する娘。

 然し、息荒く、首筋から頬に掛けて紅潮した面、全身はほんのり桜色に染まり、肉芽を嬲られる度にびくびくと若鮎の様に跳ねる。

 哀れ小娘…

 善がっている事は明らかであった。

「あっ、あっ、あん、あはぁ…ん」

 喘ぎは止め処なく愛らしい薄桃色の唇から溢れ出し、股座に潜り込んだ暴漢の頭を押し退ける為に力を込めた腕は、次第にその力を失い、逆により深い快楽を得る為に知らず知らず男を押し付け、腰を迫り上げる形になる。

「ああっ…いけませぬ!いけませぬうぅっ!?」

「何を言うか…身をくねらせて善がりおる。いやらしい娘じゃ。おお、御主の蜜の甘き事…美味いぞぉ…」

 天狗之助、しととに溢れ出る娘の愛蜜を啜り上げ、何とも美味そうに飲み下す。 

 じゅるるるるっ!

「ひ、ひんっ、ひぎぃぃぃっ!?」

「甘露じゃ…甘露じゃのう…」

「ああ、御不浄を…舐められるなんて…」

 娘は両の手で顔を覆い、いやいやをして、羞恥で身の置き所無き様子。

 男に愛蜜を啜られる事に対する言い様の無い感覚。

 それは娘が知るには余りにも早い女肉の悦びであった。

「ふぅはぁ、ふぅはぁ…」

 娘が抵抗する意志を失ったと見るや、天狗之助は嫌らしい笑みを浮かべて自らの袴を解き始める。

「嫌ぁっ!」

 男に褌姿を晒された娘は、何とか逃れようとするのだが、快楽に蕩けた体は、娘の意志を足に伝えず、腰砕け。

「ひぃっ!ひいぃっ!」

 犬の様に四つん這いになりながらも、必死に暴漢の手から逃れようとするが、敵わず直ぐに大柄な体に背後から絡め取られてしまう。

「あっ、くぅっ!お、お許し下さい。私は国許に許婚が居ります。最初に操を捧げる御方は、夫婦になる男子と心に決めているのです。ああ…いけませぬぅっ!?」

「では、では…せめて、これを舐め清めてくれぬか?出さねば収まらぬ…」

 天狗之助、いきり立った御珍棒をでろりと褌から取り出し、娘の桜に染まった柔らかな頬肉に擦り付けた。

 亀頭を濡らす先走りが、見る見る娘の美麗な面を汚していく。

「きゃっ!さ、左様な…こと。で、出来ませぬ…」

 触るどころか、見るも初めてな男の一物。

 排泄の為の不浄な器官を舐める事など初心な小娘には出来る筈も無かった。
 
 然し、可憐な女体に正気を失った天狗之助には、分からない。

「では、御主の瑞々しい肉体を骨の隋まで味わうまでじゃのぅ?」

 娘の美貌に顔を寄せ、首筋をべろりと舐め、追い詰めて行く。 

「ひっ!そ、それは…それだけは!?」

 操を奪われる恐怖に身を竦める娘。

 だが、その怯える娘の瞳にある決意の光が宿った。

「舐めて慰めておくれ。さすれば…」

「誠で御座りますね?これをお清めすれば、赦して…頂けますね?」

 娘は意を決し、天狗之助の股間に跪いて正座する。

 目を閉じ、雄の一物におずおずと舌を伸ばした。

 …ちろ。

「おおぅ…く、口に含んでおくれ」

「は、はい…あむぅ…」

 天狗之助の肉棒をその小さな口に収めていく。

 じゅ、じゅる、じゅ、じゅ、じゅっ…

「ひっ、ひっ、ひん、ひっ…ん」

 瞼の奥に国許で待つ許婚の蔑み、冷え切った視線が、映る。

(ああ…見ないで、兄様。そんな眼で私を…見ないで)

 娘は泣いていた。

 貞操を守る為とは言え、見知らぬ漢の狼藉に屈し、摩羅を咥える己が身の情けなさに恥じ入り、涙する。

「よ、良いぞ、娘。良いぞぉっ!」

 ぐいっ!じゅっぷ、じゅっぷ… 

「むぐっ!あっ、うぶぅっ、んぶぅっ!」

 娘のたどたどしい口唇愛撫に我慢出来なくなった天狗之助は、彼女の頭を両の手で掴むと荒々しく前後に揺すり立てた。

 じゅぷじゅぷじゅぷ…

「んっ、うげ、むぐぅっ、うっ…」

 喉元まで突き込まれながら、嘔吐に耐え、健気にも肉鞘に舌を絡める娘。

 その哀れな姿には、嗜虐される者の美しさがあった。

 天狗之助は一層昂って行く。

「お…おおぉ…で、出るぞ。うぉっ!で、出る!?」

「ん!んぅっ…んむぅぅぅぅぅぅっ!?」

 喉元に突き込まれた肉棒から突然濃厚な子種が噴出す。

 娘はそれが何なのかも訳も分からず、息苦しさからその雄汁を飲み下していた。

 こくっ、こくん…

「う…げほっ!苦い…」

「おおぅ、飲んでくれたのか?良い娘じゃ…」

 猫をあやす様に娘の喉元を撫でる。

 娘は顎を持ち上げられるがまま喉を逸らし、欲望の残滓を最後の一滴まで嚥下した。 

 …こくんっ!

 それは、まるで乳に喉鳴らす子猫の様だ。

「けほ…如何で御座いましたか?よろしゅう御座いましたか?あむぅ…」
 
 ぱふっ…れろん!

 驚いた事に娘は、射精させたにも拘らず、男の足に縋り付き、摩羅ばかりか、布具里にまで舌を這わした。

 皺をなめす様に嘗め回し、睾丸を一つずつ愛おし気に口に含む。

「あんむ…ぷはっ!御赦しを…操だけは御赦し下さいませ!…んふぅ」

 何かに憑かれた様に赦しを請い、執拗に男性器を慰め、奉仕する。

 それは、純潔を守る為だけではなく、男に奉仕する悦びに目覚めた雌犬の悲しくも、浅ましい性であった。 
 
「お…おお…」

 天狗之助は娘の淫らな行為を呆然と見下ろしていた。

(しもうた…加減を間違えたか?)

 先程盛った薬にこれほど女子を淫乱に変える効果は無い筈…

 この淫蕩さは娘の生まれ持った物に他ならない。

 これでは抜いても静まるどころか、猛りを増すばかりだ。

「これで…満足して頂けましたか?」

 物言わず見下ろす天狗之助に娘は満足したものと思い、口元を花紙で拭う。

「あっ…」

 今更ながら、娘は自らが素裸である事に気付くと、背を丸め、恥じ入る様に布団を胸元に手繰り寄せた。

 赤面した顔を隠し、体を竦める可愛らしい仕草…

 天狗之助の僅かに残っていた理性は千里の彼方に弾け飛んだ。

「ならぬ!今度は…今度は、儂が御主を慰めてやる!」

 裸身を被う布団を剥ぎ取ると荒々しく娘に挑み掛かる。

「そ、そんな!それでは、御約束が…」

「何が約束じゃ!男が此処までされて、そのままで置くと思うか!?」

 病に弱った体、か弱い女の身で天狗之助の力に敵うべくも無い。

 娘は暴漢の欲望のなすがまま嬲られ続ける他に道は無かった。

「いやっ、やめて!いやあぁぁぁぁぁぁっ!?」

 天狗之助、容赦なし…

 娘の小さな体に圧し掛かり、唇を奪うと、娘の体の至る所を隅々舐め始める。

「いや、いやぁ…あっ、あはぁ…きゅうん!」

 娘の感じる場所は元より足指、尻穴まで嘗め回した。

 拒み続けても、抗い続けても娘の青い肉体は性感を切り開かれ、禁断の肉欲を教え込まれていく。

「おお…愛らしい胸乳じゃ。こんなに乳首を勃たせて、さぞや切なかったであろう?桜色に染まりおる。くちゅっ…ぴちゃっ」

 なだらかな胸乳の丘の登頂を舐り回し、吸い付く内に娘の乳首は痛々しいほど朱を帯びて硬く勃起し、無理矢理な快楽の様を暴漢に伝える。

 膨らみ掛けた青い果実は、荒々しく揉まれると軽い痛みを娘に与えた。

「くうぅっ!」

 眉間に皺寄せ、必死で快楽に抗う姿は、男を悦ばせる事はあっても、制止を促す物ではない。

 そして、娘の最も抗い得ぬ場所に天狗之助の手がするすると伸びていく。

 じゅぷ… 

「あっ!?」

 天狗之助の手により淫らに開花した花弁は、その指を濡らし、難なく飲み込むかと思われた。だが、指半ば、折り重なる乙女の肉膜に押し止められる。

 天狗之助は固く閉ざされた奥底に尚も潜り込ませようとするが如く、膝立ちさせた娘の陰を執拗に嬲リ始めた。

「ほりゃ、ほりゃあ…」

「あっ!あっ!駄目っ!あっ!」

 女陰に浅く潜り込んだ指が、ぐりぐりと指を動かす度に娘の瑞々しい身体が、規則正しく上に跳ねる。

「どうじゃ?どうじゃ、娘?堪らぬであろう…ふふ、此処はどうかの?」

「あっ!そ、其処は、お尻の…其処は、なりませ…あひぃっ!」

 じゅぷ…

 暴漢は深く…深く少女の尻穴に指を潜り込ませ、掻き混ぜる。

 娘は嘔吐感と快楽という相反する感覚を同時に感じ、びくびくと痙攣した。

 舐られ、嬲られ、暴漢の欲望のままに悶え続ける娘…

 娘の体で男の触れぬ場所は既に無く、また僅かに残っていた抵抗する意思もまた殺がれて行く。

 全て嘗め尽くされた頃、娘の体は身も心も蕩かされ、全てを投げ出すかの様に大の字に横臥していた。

 意識は朦朧とし、目は空ろ。

 男の愛撫が止んでも、快楽を求め腰を蠢かす。

「あっ、あっ、天狗之助様、見てぇ…雪乃はこんなに淫らに濡れておりますぅ…」

 それどころか、自らの指で女陰を弄り回して手淫を始め、それを見せびらかし、淫らに男を誘っていた。

 既に自分が何をしているかも分かるまい。

 娘は暴漢の手により色道の奈落に堕ちていた。
 
「あ…あ…てんぐのすけさまぁ…ゆ、雪乃は、雪乃は、貴方様にもっとして欲しゅう御座います…」

 この淫らは亡くなった母の血筋か?
  
 毎夜、夜鷹に成りすまし、男を取っていた淫らな女性。

 夫の留守中に何人もの男を連れ込んで、狂い死んだ母の淫らな血が彼女にも流れている。

 まことの父親も、葉桜ではなく、たまたま福狸領に来た若い武芸者だと存命中、母の口から漏れ聞いていた。

 不実の娘…

 今、その淫売な雌犬の血が雪乃の中でひどく疼く。

 雪乃は淫らの虜であった。

「ふははは、盛ってきおったな?良かろう。もっと良い物をくれてやろう…」

 天狗之助は己が一物を擦り立て、好色な顔で雪之丞…雪乃の肉体に体を重ねていく。

「あ…ん…」

 雪乃は天狗之助が顔を寄せただけで自ら唇を重ね、舌を忍ばせる。

 舌を絡め、ねっとりとした口吸いを繰り返し、互いに熱情を高めていった。

「あぁん、きてぇ…天狗之助様ぁ」

 何と先に耐えられなくなったのは、雪乃であった。

 天狗之助の下からうら若き乙女にあるまじく、遊女の様に肉柱に両の手を絡め、扱き立てる。

「これこれ…その様に摩羅を扱かれては挿れられぬであろう?」

 天狗之助は雪乃の手を払うと己が巨摩羅を娘の陰に宛がった。

「ああ…」

 雪乃は熱い吐息を吐き、その時を待つ。

 純潔を失う今その時、雪乃の脳裏を過ぎったのは、幼き頃より兄と慕い、将来を言い交わした恋しい許婚との淡い思い出であった。

(兄様、雪乃は…雪乃は、貴方様以外の御方に女にされます…)

 感傷に耽る間もなく、漲った物が雪乃の姫貝へ乱暴に押し入って来る。

 それは、娘の淡い思い出を踏み躙る肉欲の獣だった。
 
 ずっ!

「ひっ!」

 固く閉ざされていた乙女の蕾は淫らな蜜に溢れ、亀頭部を飲み込んでいく。

 折り重なった肉襞を薙ぎ倒し、一気に天狗之助の固い肉棒が処女膜を突き破った。

 ずぶぅっ!?

「あぁぁぁぁぁぁっ!?い、痛ぁぁぁぁぁぁい!」

 喪失の時…

 枯れていた筈の涙が、破瓜の絶叫と共に頬を伝う。 

「ひぐ、ひっく、ひっく、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

 雪乃はとうとう破瓜の痛み、そして、守るべき物全てを失った悲しみから泣き出した。

 これに驚いた天狗之助。

 漸く正気に戻り、おろおろと娘の小さな頭を撫で、宥めに掛かる。 

「おお…痛かったか?少しこのままで居ような?よしよし…」

 雪乃の悲しみなど知る由も無い。

 ただ破瓜の痛みから泣き出したものと思い、動きを止め、痛みを与えぬよう優しく体を摩り、泣き震える体を抱き締める。

 然し…

(辛い…)

 天狗之助は諸般の事情で脱藩してから久しく女を抱いていない。

 女を買う金が無い訳でもなかったが、久し振りに味わう女肉は死ぬほど心地良かった。しかも、処女など離縁した妻以来…

 雪乃の陰は狭く、動かずとも、ぎゅうぎゅう締め付けてくる。

 動きたい…

 だが、動きたくても、痛みを訴える少女を前にして今更ながら罪悪感やら良心の呵責等々ぶり返し、動く事が出来ぬ。
 
 ここに来て天狗之助は全く進退窮まった。

「ううっ…」

「て、天狗之助様、雪乃は…雪乃は大丈夫で御座います。お気になさらず、雪乃の体を存分にお楽しみ下さりませ…」

 眉間に皺寄せて苦悶の表情の天狗之助を見て、雪乃は痛みを堪え、健気に言う。

「然し、それでは其方が…」

「男子は…動かねば、辛いものと聞き及びます。さあ…存分に…」

 雪乃は布団を握り締めていた手を天狗之助の背中にしっかり回し、胸板に頬を摺り寄せてくる。

 何処までもいじらしい雪乃に天狗之助、堪らず腰を突き上げた。

「す、済まぬ…雪乃!済まぬぅっ!?」

 ずっ、ずんっ、どずんっ!

「あっ、天狗之助様っ!痛っ…あぅぅぅっ…お、お願い…もっと、優しゅう。優しゅうにぃっ…」

 ずんずん激しい抜き差しを繰り返し、攻め立てられ、雪乃は唇を噛み締めて耐えようとするが、耐えられる筈も無い。

 自然、背中に回した手に力が篭り、爪が食い込んでいく。

 雪乃に爪を立てられ、天狗之助の背に深い蚯蚓腫れが出来る。 

「むっ、むう!?」

 それは鮮烈な痛みを伴い、理性が飛びがちな天狗之助を正気に引き戻す。

 次第に腰遣いが激しい物から気遣う物に代わり、ゆっくり円を描く様に捻り上げた。
 
 ずりゅっ、ずりゅっ!

「おっ?おう…ど、如何じゃ?」

「はぁ、はぁ…い、痛いです。まだ痛くて…あっ!?で、でも…あんっ?何か体の芯が…熱く…あぁん!」

 秘肉を抉られる内に子宮の奥から痛みと違う言い様の無い感覚が沸き起こる。

 破瓜の痛みで乾いた愛蜜も再び膣奥で溢れ出し、潤い、収められた肉柱をやわやわと包み込んだ。

 挿入を繰り返す度、きつい陰はこなれ、淫らな水音を響かせ始める。

 じゅっぷ、じゅっぷ、じゅん!

「あっ、あっ、あふぅっ、あっあっあっ、あぁん!?」

「よ、良いのか、雪乃?左様に乱れて…そんなに良いのかぁっ!?」

 我を忘れ、腰を蠢かす天狗之助。

 感じ始めた女肉にもう遠慮はいらぬ。

 ごつごつと子宮を突き上げ、己が快楽を得、雪乃の肉体を思うがまま貪った。

「ああっ、良う御座います。雪乃は…雪乃はぁ…」

 雪乃は首を激しく振って女の悦びを男に伝える。

 もはや破瓜の痛みは消え、その身にあるのは、甘い女肉の悦楽のみであった。

「うおぉっ、うおぉぉぉっっ!」

 天狗之助も猛る。

 これほど昂ぶったのは、初めて女を抱いた時以来…

 若かりし頃、ある夜鷹の肉体に溺れた日々より他にない。

 あの時もこうやって寝食忘れ交合い、求められるがまま女の膣内に子種を… 

「天狗之助様…」

(黒兵衛さま…)

「…うっ!」

 一瞬、雪乃の顔があの時の夜鷹の顔と重なる。

(似ている…)

 娶る事も考え、適わなかった女子。

 忘れ得ぬ女の顔…

(まさかな…)

 雪乃が、もしあの夜鷹の娘ならば、年の頃から逆読むと夫を差し置いて睦み合った時期と一致する。

 それは…

「どうされました…動いて。ねぇ、動いてぇ…」

「お、おう…そんなに尻を振って」

 雪乃の嬌声に急かされた天狗之助は、頭を振って疑惑を消し去り、より深い結合を求めて娘の体を抱え、体位を変えようとする。

 その時…一瞬、雪乃の陰から摩羅がすぽんと抜けた。

「あっ、やぁ、いやーっ!」

 膣感覚に目覚めた雪乃は、その僅かな間すら耐えられない。

「や、やめないで!止めちゃ嫌ぁん!もっとぉ…もっとぉぉぉん!」

 雪乃は首を激しく振り、駄々を捏ねる。

 じゅぷ…

 再び抜き差しが始まると目を輝かせ、天狗之助の唇に貪り付いた。

「あぁん!あぁん!」」

 雪乃は胡座をかいた天狗之助の上で体を踊らせる。
 
 対面座位…天狗之助は勿論腰を突き上げているが、雪乃自身、男の頭を抱き抱えて髪を掻き毟り、腰に足を絡め、狂った様に尻を振る。

「あっ、天狗之助様、雪乃は…雪乃はぁ…き、気持ち良いです!あぁんっ、堪らない!もっと、もっとぉぉぉっ!」

「な、何と言う淫らな娘じゃ…初めてでこの様な…うおおおぉぉおっ!」

 天狗之助は何度雪乃の陰に白濁を噴出したか分からぬ。

 雪乃も絶頂の連続で何度気を失ったか分からぬ。

 激しく燃え盛り、求め合い、悶え狂う。

 何度も体位を変え、獣の様に求め合った。

 人ならぬ獣の交尾の姿勢…後背位に変わると天狗之助は雪乃の尻を抱え、すっかり開花した女陰をその猛々しい剛直で突き捲る。

「あっ、ああっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「おっ、おおぅ、おおおぉぉぉぉぉぉっ!」

 二人は共に快楽の頂きに登り詰めていった…

 ………

 ……

 …情事の後。

 純潔を奪った男の胸板に顔を埋めながら雪乃はさめざめと涙を流していた。

「かわいかったぞ、雪乃…」

「は、恥しゅう御座います」

 恥じ入り、胸元に顔を埋める姿がなお可愛らしい。

「ああ…私、何という淫らな事を…」

 恥じ入る雪乃は、頭を撫でてやると子猫の様に頬擦り寄せ甘えてくる。

「天狗之助様が…まだ私の中におりまする」

「うっ…」

 天狗之助の摩羅は何度も抜いたにも拘らず、漲り、未だ雪乃の中にあった。

 雪乃は愛おし気に下腹を突き上げる天狗之助の亀頭部を撫でる。

「もう一度可愛がって頂けますか?」

「い、いや…それは…うむぅ?暫し待て…」

「ふふ…」

 うろたえる天狗之助に雪乃は艶やかに微笑み掛ける。

 それは未通女にはない、女になったばかりのぞくぞくする様な色気があった。

「これから…如何するつもりじゃ…」

 暫し沈黙の後、雪乃を抱き、天狗之助は問う。

 これほど情の移った娘を放したくない。しかし、まだ仇を追うのであれば、別れも仕方ない事と思う。

 娘の言葉を暫し待つ。

「“藩士百人殺し”…追っても、斬られるのが、関の山で御座いましょう。ですが、何の取り得もない小娘で御座いますれば、この身を売り、殿方をお慰めするのも良いかと…」

「何と!遊女になると言うのか?苦界に自ら身を落とすと…」

 雪乃の自棄な言葉に天狗之助の息子は怒りに漲る。

「あっ!あっ!天狗之助様…また…あっ!」

「ならぬ!ならぬぞぉっ!それならば…それならば…」

 収めたままであった一物を猛然と抜き差しし始めた。

「あっ!ああっ!そ、そんなに激しく…あっ!雪乃は…雪乃はもう…耐えられませぬぅ…」

 怒りと悲しみの感情が不意に天狗之助の本音を漏らす。

 それはあの時、夜鷹に言えなかった言葉…

「雪乃、儂と夫婦になろう。のう?のう?」

「ああ…天狗之助様、嬉しい。雪乃を一生お傍で可愛がって下さいまし…あっ、あぁん!あぁんっ!!」

 雪乃は荒々しい男の欲望に飲まれながらも、その言葉を受け入れた。

 果てのない性交に耽る二人。

 激しい雨風は何時までも止まぬ。

 出会っては、ならぬ二人…

 交合ってはならぬ二人を娶わせた天は、この時確かに彼らを嘲笑っていた…

(終)



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