「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」 遥 洋子著
筑摩書房 1400円
 前から読んでみたいなと思っていた本です。ジェンダー論争での戦い方や社会学としてジェンダーをどうとらえていくのかが分かりました。多分…上野千鶴子さんのジェンダーは学問としてはもっと分かりにくいのだと思います。何よりも参考になったのは「ケンカのしかた・十箇条」でした。この本を読んでいる間やたら論争で弁がたったように感じました。

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「性差別と暴力 続・性の法律学」 角田 由紀子著
ゆうひかく選書 1700円
 女性の問題に長年取り組んできた弁護士である角田さんは、厳しさの中に人へのぬくもりが感じられる方です。理路整然とした内容ではありますが、私は女性の差別に対する怒りや悔しさを感じずにはいられません。実際の事件にまつわるエピソードには説得力があります。はっきりと言いたいけれど言えないことや、つい相手の論法にまかれてしまって言いよどんでしまうことがきっぱりと書いてあって、スッキリしました。日頃は法律に守られて生活しているように感じていますが、実は、事件事故にあった時に法律に守られていないことに出会うのではないかと思いました。

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「もしも男に言葉があったら」 サミュエル・シェム/ジャネット・サリー著
NHK出版 2000円
 「女はいつも絆を確かめていたい。男は言わなくてもわかっていると思っている。」精神科医と臨床心理学者の夫婦がカップルカウンセリングやワークショップを通して男女のコミュニケーションスタイルを提案しています。会話を求める女性と、求められれば求められるほど心の扉をぴたりと閉ざしてしまう男性。男女のコミュニケーションがうまくいかない理由には、性別による育てられ方の違いや、理想の男性・女性像を社会常識として幼い頃から押し付けられてしまうことが挙げられるとか…夫婦や恋人との行き詰まりは日常の些細な会話からだったりするように思います。分かり合える会話術のヒントが見つかるかもしれません。

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「女性学への招待」 井上 輝子著
ゆうひかく選書 1600円
 今はジェンダーと言いますが、男女の差別について疑問に感じるようになったのはいつの頃からだったのか今は思い出せません。大学時代に女性学という学問があることを知りました。書店でなつかしい大学時代の教授の著書を見つけました。最近また女性についてを自分の問題として考えていたので再勉強のつもりで読んでみました。「あー、私が漠然と感じていた違和感はコレだったんだ!」とマーカーで塗りつぶしたページがありました。男性は女性学を好まないようです。知り合いの男性達はことごとく研究者を批判してくれます。同性だからこそ共感し、うなずける学問なのでしょう。女性が女性であるがゆえの差別を訴えていくことを私は必要だと思っています。そんな気持ちを後押ししてくれる一冊です。

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