おーぷんはあと心のミニ知識

心のケガ 2002年12月号

 心もケガをすることがあります。みなさんも誰かの何気ない一言に、明らかに悪意のこもった言葉に「傷ついた」「むかついた」と感じたことがあると思います。忘れたくても忘れられない、何度も繰り返し考えてしまう、思い出したくなくても思い出してしまうなどは心にケガをしている状態です。

 心にケガをするのは心が弱いからではありません。体のケガと同じように、誰にでも、どんな人にもあることです。心が傷ついたと思った時、はずかしいことのように思って隠そうとしたりすることがあるかもしれません。心が傷つくことは、別にはずかしいことでも、おかしなことでも、自分が悪いわけではありません。切り傷やすり傷のように、ちょっとしたことで心にケガをすることはあるのです。誰しもが病気になりたい、ケガをしたいと思ってそうなることがないように、心のケガや病気も自分で選んでなってしまうわけではないのです。

 心にケガをしてしまうと、今までと同じことが同じようにできなくなってしまいます。いつもは何でもないことで気がめいったり、心に痛みをかんじたりします。心を傷つける言葉ではなくても、心に痛みを感じてしまうのです。

 その時に無理に明るくしようとしたり、普通にしていようとがんばってしまうのは大変苦しいことです。自分の悩みや弱さをがまんしてしまう、人には見せないようにしようとしてしまうがんばりやさんや自分ひとりで何とかしようと一生懸命になってしまうしっかりやさんは心のケガがなかなか良くならないことがあります。心のケガも体のケガと同様にゆっくり休むこと、自分をいたわることが大切です。心が落ち着く、ゆったり、安心できるような状態が必要です。あわてないで自分を大切にしていると自然と心のケガは治っていきます。人には誰しも自分自身で治る力(自然治ゆ力)があるからです。

 ただ、どうしても自分の力だけでは良くならないときがあります。一ヶ月くらい同じような状態が続いているときには要注意です。そんな時は、ほかの人の力を借りることが必要です。安心できる、自由になれる、わかってくれそうな人に苦しさを話してみましょう。「どうせわかってくれない」とあきらめてしまわないで!きっとあなたをわかってくれる人はいますよ!

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