おーぷんはあと心のミニ知識

自己チュー 2002年1月号

 「自己チュー」というのは、自己中心的で人の気持ちや立場を思いやることができない性質を言います。相手の気持ちがわからないので、人の気持ちを察して配慮した行動が取れないのです。また、人の気持ちを汲み取るのが苦手なため、人と一緒にいると居心地の悪さを感じてしまいます。考えてもよく分からないので、「どうせ自分は自己チューだから」とか、「関係ない」などますます孤立していき、どんどん人の気持ちを察するのが苦手になってしまいます。かといって、人のことが気にならないわけではないのです。「相手が何を感じているのかわからないから、どう対処していいかわからない」「自分がどう見られているかもわからない」「どうしたらうまく付き合っていけるか分からない」と不安を抱え、自分の世界にこもってしまい人と関わるのをやめてしまいます。

 「自己チュー」な部分は誰しもが持っているものです。自己中心的であることはある程度普通ですし、望ましいことでもあります。自分の利益を守り、主張することは本能のようなものであり、自分を伸ばそうとする力にもなります。自分中心ということは自分が一番重要だと感じることでもあり、健全なことです。しかし、いつもそれが好ましいというわけではありません。色々な人との出会いによって「自分は…」「その人は…」と想像を働かせ、相手がどう感じているのか、どう見ているのかを知ろうとすることが大切です。自分の思いだけではなく相手の思いにも気がつくこと、その経験の積み重ねが「自己チュー」から抜け出して、人とうまくつながっていけることになるのではないかと私は考えています。

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