丹沢 小川谷から中ノ沢乗越→同角ノ頭1491m、テシロノ頭1491m ’5/05/29(日)

先週、檜洞丸・同角ノ頭を訪れた際、シロヤシオは標高1450m以上では未だ蕾だった。
1週間たったので1491mの同角ノ頭、テシロノ頭の開花したツツジを楽しみに上がった。

先週通過した中ノ沢乗越での小川谷側の踏み跡に興味を覚えてネットで検索すると或る程度情報があり、
地図には描かれていないが、迷わなければそう危険でもなさそう。小川谷廊下では1040件ヒット!

準備として、経路の地形図の谷筋に青鉛筆で着色すると、幾つかY字分岐が見える。
ここで間違うと時間ロスが増えるので注意。(実際には予定外に幾つかY字分岐があった。)

’5/05/29(日)
一般ルートの場合、家人に口頭でも告げ、山名をカレンダーに書き込んでおくが、
ルート外の、携帯電話の通じない谷間を行くので、登りと下りの経路を書いたメモも家に置いて出た。

6時出発。 コンビニに寄り朝食のパンとお弁当を購入。

西丹沢行きのバス(新松田7:20発)を一旦抜いたが、自販機で飲み物を買っている間に抜き返された。
バスに続く車の数が多いのに驚いたが、今日は5月最後の日曜日だから当然だ。

玄倉からユーシン方面への林道の途中、一般車禁止の立札のある分岐を左に折れて橋を渡り、
落石ゴロゴロの道を終点まで上がる。

7時40分。
県民の森の駐車場には5台ほどの乗用車が駐車していて、大きなテントも張られている。前夜泊なのかな。
若い人たち7、8人が、身支度中。これから小川谷廊下の沢登りを楽しむようである。
駐車場の手前にはトイレがある。これだと車中泊、前夜泊にも都合が良い。

こちらは彼らが沢登りで辿り着く終点の少し先まで歩いて行き、濡れない沢登りをするのだ。

駐車場より少し先のゲートの手前にスクーターを駐車する。
ゲートの脇を抜けて荒れた林道を7分ほど歩くと、橋の手前で右に降る踏み跡がある。仲ノ沢経路だ。

断崖の途中の獣道みたいな足幅の狭い 、危うげな道だ。橋も腐りかけた感じ。

暫く歩くと、少しまともな幅になるが、崩れて狭くなっている所では補助のロープが張られていたりする。

ハンディGPSは谷間では、電波を捉えないし、示す位置も大幅に狂うのであてにしない。
道は明瞭である。

1時間ほどで少し小広い涸れ沢に到達した。踏み跡が薄くなるが上の方に続いている。

少し上の方に、古びた標柱らしきものに取り付けた板に「欅平・東沢乗越方面」とある。


然し、標識の指す方向の道は、2本の檜の間に渡したロープで遮断されている。
情報では、ロープをまたいで進むらしいが、今日は時間に余裕があるので、朝食後に一応探訪しよう。

ロープの左の方から正面の尾根に乗って右に下ろうかと考えたが、ちょっと見では踏み跡は見つからない。

ロープの右手に赤テープ類があるので、此れに従って右に下がって見ると、深い涸れ沢に突き当たる。
対岸に獣道みたいな跡が見えるが、崩れていて、とても歩けない。
白ザレの沢の底に降りて、左に進んで右の左岸尾根に上がるのは、自分には険しいか。


やってみなくちゃわからないが、これが立ち木の間にロープを張った人の推奨の道なのかも知れない。

元に戻って、立ち木の間のロープを跨ぎ進む。僅か数分間だけ順調に進める。
山腹を巻いて左に曲がると、、先ほどの涸れ沢の突端で道が崩落して通れない所にさしかかる。

手前に、迂回用の虎ロープが左上の斜面から道の右手の樹にかけて道を遮断するよう張られている。
白ザレで足場が崩れやすい急斜面を虎ロープを頼りに力任せで上がり、右に進み、ロープ伝いに右に下る。

振り返って崩落部の様子を見ると、涸れ沢に一旦降りてからこちらに上がるようにロープが張られている。
無理して上から迂回しなくても良かったのかも知れないが、どちらでもリスクはありそう。

左岸の小尾根から明確な踏み跡がある。
先ほどの テープ通りに沢の底に下りて小尾根に上がって来るのだろう。 
結局、三通りの迂回経路があるのだ。

水平道を進むと僅か2分程で右手の立ち木にテープが巻いてあり、濃い踏み跡が降りている。
水平道はまだ少し続いているが、テープの所から降りて河岸に向かう。

小さな流れのある、ちょっとした広葉樹の広場のような所があり。
川岸からは樹間を通して堰堤のような所から水の流れ落ちているのが見える。 
どうやら、ここらが沢登りの人達の終点、欅平と東沢出合らしい。標識の所から10分程度だ。

ここから河原を歩いても良いのかも知れないが、もう少し川上までと斜面を上がって林の中を進む。
先ほどの道の延長と思われる踏み跡が左からやってきたが、檜の植林の中で枯葉枯枝の為薄くなった。

道形と思わしい所を歩いて行き、岩だらけの新山沢を越える。


立ち木にテープが幾つか見られたが、これを辿ると左後ろに折り返すので山の上の方に行くようだ。
この位置の斜面は・1401にでも繋がるのだろうか。マニアの付けたものだろう。 無視して直進する。

檜の枯葉枯枝で踏み跡のない中を、うっすらとした道形と見える通りに進むと川岸に着いた。
左の小沢から押し出した岩石の土手状の盛り上がりが、丁度良い具合に谷に下りる足がかりになっている。

東沢出合から20分ほど歩いたところだ。
新山沢を越えて次の無名沢の所。 
とにかく、上流を見たところ。 9時55分。


初めは右岸の斜面に踏み跡が見えたが、それも崩落で途切れる。
大小の岩がゴロゴロと谷を埋めているので、水流はあっても全く足を濡らさずに右岸から左岸へと移動できる。
とにかく、歩きやすそうな所を選んで右岸、左岸、中央と右往左往しながら上流に進む。
水は15分ほど上流から先では見えなくなった。岩ゴロの下で伏流になっているのだろう。
不安定な岩が多いので、転ばないよう、慎重に歩く。

10時15分。 Y字分岐がある。
右の沢の左岸も右岸も取り付きやすい斜面なので、右岸すなわち分岐の真ん中の林に入ってみた。


ちょっとだけ林の中を歩いてから右の沢に降りて磁石を見ると随分東向きだ。これは長ザレ沢だ。
また林に戻って左の沢へ。15分ロス

本流。奥の左に大岩が、チラッと見える
長ザレ沢の入口

左の本流の沢に戻る途中、長ザレ沢右岸尾根の末端。

(容易に長ザレ沢の右岸に取り付けるのだから、ここから同角ノ頭に上がって行けるかも知れないな。)

左の本流を進むと大岩が右岸にあって、その左は岩の累積が台地状に盛り上がっている。
物好きにも、岩屑の台地状のところに登って先に進む。


直ぐにまた明瞭なY字分岐がある。 
左はテシロ沢なので、下に降りて右に進む。  Y字分岐などの広い所ではGPSで確認できる。 こちら



数分で、左岸の崖崩れによる褐色の大岩群の崩落地。
これは岩を直登。

岩を乗り越えた所で振り返ると、左の崖から大岩が今にも落ちそう。

少し早いがここで昼食。11:10〜11:30


歩き出すと、すぐにまた両岸の崖崩れ。


11:40 またY字分岐がある。磁石と地図で判断して右に進む。


分岐の右手に シロヤシオやミツバツツジが咲いていた。


11:50 またY字分岐がある。
右の沢からは、狭い岩の門のような所から夥しい量の岩が押し出されている。


ここは沢の真ん中の立ち木にテープがある左の沢に進む。

直ぐに、石英閃緑岩の岩ゴロが少なくなり、経路が狭くなって。


木立の斜面の底を上がって行くと、中ノ沢 乗越だ。


小川谷は、両側の大小の沢から崩れた岩が本流に大量に押し出して堤防のようになっている所も多く、、
始めてみるような激しい自然の営みを見れて良かった。大水の毎に地形が全く変るのだろう。

まだ12時だから。ゆっくり歩いて同角ノ頭のシロヤシオを確認しに往復。その間4人の人に会う。

下山は中ノ沢乗越を経てユーシン分岐から左折してテシロノ頭のツツジを楽しむ。
こちらのほうがツツジ新道よりも本数が多いのじゃないかな。こちらでは10人ほどを見かけた。




箒沢分岐からの県民の森への降りは岩ゴロの急傾斜の所が続いて、疲れた身体にはコタエル。
県民の森の領域まで下ると、ようやく傾斜が緩む。
新しく出来た鹿柵を越える階段を、2回乗り越えて紅葉コースを直進、最後は右に大正の森に降りる
標識に従わず左に尾根道を進むと突端の手前で牧柵が遮ぎっている。
柵の手前を左に進むと崩れた急傾斜の階段道で朝の林道に降り立つ。丁度仲ノ沢経路に下りた地点だ。

駐車場には沢登りの若い男性2人の車が2台残っていて、発つところだった。


丹沢県民の森7:45→8:52デッチ沢9:22→崩落地9:28→9:33東沢出合→9:41新山沢
→9:55河原に降りる→10:15長ザレ沢出合10:30→大岩10:45→11:00テシロ沢出合
→11:10大岩群の上で昼食11:30
→12:00中ノ沢乗越→12:30同角ノ頭13:00→13:58ユーシン分岐14:08
→14:19テシロの頭→14:54箒沢分岐→16:15丹沢県民の森  歩程約7時間半

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