1996年 学生時代体験談【聴覚障害児を持つ親の会にて】
1997年 7月 要約筆記体験談【要約筆記サークル定例会にて】
2002年 7月12日 「自分のパソコンを守るセキュリティの基本」見る立場からの要約筆記【パソコン要約筆記指導者養成講座にて】
1996年
学生時代体験談
【聴覚障害児を持つ親の会にて】
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みなさんこんにちは。渡辺貴史と申します。
このように人前で話すのは、今までは大学の卒業研究発表や職場での仮配属・本配属の挨拶ぐらいしかなく、若輩者ながら頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。何かと不便をおかけしますが、ご多忙のところをお集まりいただいた方々にほんのちょっとでもお役に立てれば大変うれしく思います。
私は昭和46年5月に富山県富山市で生まれ、先日25歳になったばかりです。生まれつき耳が不自由(先天性)で、聴力は両耳とも100dbを超えており、等級は2級です。これまでの経歴を簡単に述べておきます。
1歳〜 3歳 富山県立富山ろう学校にある教育相談室通い&自宅学習
4歳〜 5歳 富山県立富山ろう学校幼稚部
6歳 富山市立蜷川(にながわ)保育所(このときから普通学校への通学が始まる)
7歳〜12歳 富山市立蜷川小学校
13歳〜15歳 富山市立堀川中学校
16歳〜18歳 富山県立富山東高等学校
20歳〜23歳 金沢大学工学部電気・情報工学科
24歳〜 NECソフトウェア北陸
幼いときの思い出はほとんど覚えてなく、普通の保育所に入ったときまでのことを以下に母に書いてもらいました。
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1歳の頃までは、近くの子供たちや2つ違いの兄(健聴者)と仲良く遊んでいました。おもちゃ遊びはミニカー、ゲーム、積み木など、どの家庭にも置いてあるようなものがあり、特に動きのあるおもちゃには興味を示していました。また、ピアノをたたいて楽しくしているので、みんな「上手、上手。」と言って褒めていました。変な仕草として、ガラス戸をバンバンたたいていたので、ケガ防止のため、戦争中よく見かけた目張りを付けたり、対角線上にテープを張ったりしていました。
しばらくして、兄に比べてなかなか言葉を話さず、名前を呼んでも気づく素振りを見せないのに変に思いました。「もしかして?」と思い、背後から鍋のふたをシンバルのように打ったり、大声、小声で呼んでみたり、自動車のクラクションを鳴らしてみたりと、いろいろ反応を見てみました。遊んでいるときの様子も観察しました。実家は富山空港の近くにあり、飛行機の発着音にはさすがによく反応し、じっと見ていたのが思い出されます。
反応が少なかったので本人が1歳2ヶ月のころ、私たちは覚悟を決めました。検査に出向いたところは富山市民病院、富山県立中央病院、金沢大学医学部附属病院、長野県松本市にある信州大学医学部附属病院などです。どこでも聴力損失が90db以上との検査結果が出ました。
最後に出向いた信州大学医学部附属病院の耳鼻咽喉科の先生の次の言葉で、病院通いをやめて、つらい現実を受け入れることを決心しました。「早期教育が大切です。この子なら必ず普通児と同じようになりますよ。お母さん頑張ってください。」と。
早期教育と言われても私たち親は何をどうすればいいのか分かりませんでした。難聴と完全にわかったこと、ろう学校という言葉の響きはやはり悲しかったです。家族に伝えたとき、涙が止めどもなく流れました。
私は独身時代に勤務していた製薬会社の隣にろう学校があり、通勤電車の中で手話を使って会話している学生は毎日見ておりました。補聴器を付けているという感覚はなく、話し声を出さずにいる子供たちは別にどうということなく、「ああ、あの学校に通っている生徒たち」と思っただけでした。
そのろう学校へ相談するしかないと、松本から帰った翌日に迷わずその学校へ電話し、指定された日に出向きました。2歳までの他の児童は週に1度から月に2度、教育相談に訪れていて、そのとき母子の指導にあたっておられた辻沢麗子先生にお会いしました。私は先生から多大の影響を受けました。生涯「貴史の耳」になろうと、どんなことをしても普通児と共に勉強できるようにしようと思いました。ろう学校幼稚部入学までの1年間は自宅学習でした。
相談室では、教育の方法を学びました。母子で授業を受け、次回にその日までの成果を見てもらいました。また、発音の方法としては、舌の運動の方法と発声練習、手のひらをのどに当てて声帯の響きを感じさせること、鼻の振動を感じさせることから始めました。
世の中全ての物には名前が付いていること、「音での生活」といってもよいくらい音で判断することが多いこと、話し言葉があること、文字で表現することなどなど。何よりも聞こえない音の世界である子に音を聞かせ、声を出させ、話させること、文章を書かせるようにすることなど、教えることはたくさんありすぎました。
自宅学習では、学習態度を身につけ、努力と根性、持続性のある、愛される子にしようとしました。そのなかで、相手の顔に注目させること、これが唇の動きで読み取る読唇術の基本となりました。絵カードや文字カードを使って、学習とは思わせない遊び感覚で勉強させました。買い物にも連れて行って、店にあるものを教材がわりにしていました。例えば、「これは赤いリンゴだよ。」とか、「緑色のキュウリだよ。」と大きく口を開いて、本人にゆっくり話しかけました。家に帰った後も、買ってきた物を絵カードで示させ、また実物をその絵カードの上に置かせたりしました。このようなことを続けていると、いつのまにか本人も口を同じようにして口型を真似るようになり、そして発声するようになりました。吸収が早かったので、それに励まされるように私たち親として、いろいろなことを覚えさせました。
ろう学校幼稚部のころは、初めは私だけ絵日記を書いて、それを見せていましたが、いつの間にか自分で書くようになりました。絵の横に簡単な文字を書かせてみたりしました。このころになると、自然に学習するようになりました。褒めるとうれしそうな顔を見せ、一層励むようになりました。
教育相談室通いも含めてろう学校での4年半ほどの勉強と、先生方のご協力、本人の努力で、言葉、文字、読み書きなどの表現力も豊かになりました。また、生活態度も普通児と十分交わっていけそうでしたので、できることなら小学校は地域の学校へ入学させたいと思っておりました。同学年齢児と共に入学できるようにと、6歳のときに地区の普通の保育所に入れようとしました。
しかしながらこれもなかなか許可が下りず、市役所へは何度もお願いしました。「どうして? ろう学校へ行ったほうがよい!」と、その度に言われました。やっと許可が来たときは本当にうれしかったです。
現在までの本人の努力は並大抵ではなかったでしょう。耳が不自由ということで受験という高いハードルをなかなか超えられないでいましたが、金沢大学に合格できたときは本人以上にうれしかったです。
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母の話はここまでです。ここからは私からの話になります。
<学生時代の勉強>
私の会話の読み取り能力は、大体90%が読唇術、残り10%が音に頼っています。それくらい聴力が悪く、自分の声も聞き取れない状況ですので、小学校低級学年のころに口話に限界を感じ、発声訓練よりも、国語力を身につけることに重点をおくようになりました。
授業中はもっぱらノートに書きまくり、わからないことはためらいなく先生に尋ねたり、図書館へ行って本を読んだりしていました。
中学校から始まった英語の勉強は、初めは不安を覚えずにいられませんでした。しかし、漢字を覚えるのと同じように、英単語の意味や綴り、アクセントを同時に覚えていきました。また、複雑な日本語と違って、英語の文型は基本的に5種類しかないので、文法やよく使われる構文をしっかりと自分のものにしました。その成果があって、英語の本を読むのも全然苦痛を感じませんでした。英語の授業中は、先生の英語の発音よりも、英文の説明ばかりを聞いていました。先生やクラスメートが英文を話している間は復習や予習にあてて、疑問点をなくすようにしました。今では制度が変わったのか、英検2級には英会話が入っていますが、高校のときにまだ英会話が入っていなかった英検2級に合格しました。
大学は研究も多くて結構忙しい理系学部だったので、アルバイトもサークルもせず、昼は講義、夜は図書館での勉強か、研究室での研究という毎日でした。講義では専門用語が飛び交いますので、初めから聞き取ろうとするのは無駄でした。だから講義中はノートに書くことと専門書を読むことに集中していました。金沢大学は大量留年が多いことで有名でしたが、危機感を持ってちゃんと勉強すれば、大丈夫でした。正直言って、4年間で卒業できるとは思いませんでした。卒業論文の締切りが迫っていたとき、4日間ずっと眠らなかったことがあり、このときの苦しさは昨日のことのように思い出されます。
<受験>
望んでいた富山高校では受験許可が下りなかったとき、障害者だからと思われるような措置とがっかりしました。予想もしなかった高校に入って、「富山高校に通う生徒たちに負けないよう頑張ってやるぞ」と毎日勉学に励みました。
大学受験でも、合格間違いなしと思われた大学も不合格だったときは、祖母の急逝とも重なって、今までにはないひどい落ち込みでした。大学受験のときは、受験前に大学から受験許可をもらう必要がありました。大学受験の2年目のときに、前回の失敗を生かして、金沢大学や信州大学、新潟大学、富山大学など合計6大学に受験許可を何度もお願いしました。その結果、全大学から受験許可をもらうことが出来ました。1年目のときは薬学部をメインに受験していました。しかし、薬剤師国家試験は聴覚障害者の受験を認めていません。また勉学内容は人命に関わることばかりなので、耳が不自由ならいろいろ困難だなと、1年間いろいろ考え直していました。2年目は、耳が不自由でも不利になりにくい理工学部の情報工学関係をメインに受験しました。そして、金沢大学工学部電気・情報工学科に合格することが出来ました。この日が来るのが本当にとても長く感じました。
<親からの自立>
「いつまでも親に頼っていられない。自分一人で生きていく力を身につけないといけない。」といつしか考え始めていたのですが、その機会が思ったより早く訪れました。金沢大学合格をきっかけに一人暮らしを始めたのです。はじめは来客対応の不慣れや、電話連絡ができないことなど、いろいろ困ったことがありました。しかし、食事から洗濯、掃除まで全部自分でやることによって、自然に義務感、責任感が芽生えるようになり、一人暮らしは自分にとっても大きなプラスになりました。
<いじめ>
これは、今では社会的に大きな問題となっていますが、私自身はあとあとまで心の傷に残るようないじめは受けたことがありません。しかし、小さないじめならいくつかあります。原因は、「聴こえないことはどういうことか?」、また、「聴こえないからどうするのが一番よいか?」ということをクラスメートに完全にわかってもらえなかったからだと思います。例えば、席替えのとき、たいていはクジで席を決めますが、私の場合、特別に自分の希望する席にしてもらっていました。他の人は、「聴こえないのだから、真ん中で一番前の席がいいだろう。」と自分勝手に考えてしまいます。ところが、私は聴力がかなり悪いため、耳で聴くだけで理解することはほとんど不可能です。もっぱら読唇術を併用していましたので、一番前だと先生の顔を見るために上を向いたり、ノートに書くために下を向いたりの繰り返しで結構首が疲れてしまいます。だから前から3番目あたりが一番都合がいいのです。それで先生によってその席に決まっていた人となかば強引に替わってもらったことがありました。その人はよっぽど気に入らなかったらしく、友達に私の悪口を言ったりしていました。それ以来は自分もクジを引くようにし、どうしても都合が悪い席だったら、誰かと相談して替えてもらったりすることで、嫌がらせはすぐなくなりました。
他には、先生の「耳が不自由なのに、頑張っていい成績をとっている。君たちには渡辺君の爪のアカを煎じて飲ませたいくらいだ。」という差別心を生ませる発言から、クラスメートと気まずい関係になったりもしました。しかし、私はどちらかというと自分から積極的に友達の輪に加わるような性格でしたので、大きないじめはありませんでした。これまでの自分の経験から、やはりいじめに遭いにくい人柄を形成していくこと、また特別扱いはできるだけ避けて本人一人だけで解決することによってクラスメートの反発をなくすことが、耳が不自由な子供にとっても大事だと考えています。
私からの話は以上です。
今お話したことがこれからの子育てにちょっとでも参考になれば大変うれしく思います。
分かりにくかった部分も多かったと思いますが、最後まで耳を傾けて聞いていただきましてありがとうございました。
1997年 7月
要約筆記体験談
【要約筆記サークル定例会にて】
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皆さん、こんにちは。
渡辺です。
私は生まれつき聞こえません。原因は母も分からないそうです。
この補聴器をはめることにより、完全ではありませんが音が聞こえるようになります。補聴器がないと、ほとんど何にも聞こえません。
保育所から大学まで普通の学校に通ってきました。学校や職場でのコミュニケーション方法はもっぱら口話です。職場での会議は英語もよく入りますので、話についていくのにとても苦労します。どうしても分からないときは、会議が終わった後、上司にインターネットメールで聞いたりしています。
小学2年生の頃までは、「先生の話を聞いて理解」しようと努力していましたが、聴力が悪すぎたため限界を感じ、「先生の唇を読み取って理解」するという方法に変わりました。
学生時代は、座席は一番前の方にしてもらって、先生の口をじっと見ていました。中学の頃までは、先生は
できるだけ黒板に書いてくれましたが、高校、大学に入ると、ほとんど黒板に書いてくれませんでした。
特に大学の講義では、一般人にも理解しにくい専門用語がどんどん出てきます。まわりの友達に聞いてみても友達もよく分からないと言います。これでは聞くだけ無駄だと思い、後で先生に直接質問したり、または、授業が終わった後、図書館に行って、夜遅くまで勉強したりしていました。
要約筆記との初めての出会いは、今でも忘れることが出来ません。
2年前に社会人になって、何か趣味ひとつでも持とうと、手話の勉強を始めました。まず手始めに、手話サークル「あての会」に行ってみました。まわりの人は手話ばかりで全く理解できず、隣にいた人に筆談してもらってやっと理解できるという状況でした。
その後活動が終わって、最後に連絡があるのですが、そのときに前の方にOHPが置いてあるのに気付きました。手話で話している人の横で、何人かの人が順番にせっせとOHPにその手話の通訳を書いていました。
これを見て、「なるほどこれはすごく便利だ」と、とても感心したのをよく覚えています。耳が不自由だと手話の勉強はかなり大変です。だから、手話で話す人とOHPを交互に見ることによって、手話を覚えられるというメリットがある要約筆記は私にとって大変魅力的でした。今でもまだ手話は下手ですが、ここまで手話ができるようになったのは、要約筆記のおかげでもあります。
手話の勉強だけでなく、手話が早くて読みとれなかったときも、すっかり要約筆記のお世話になっています。
これからも要約筆記を積極的に利用して、もっとたくさんの手話を覚えたいと思っています。
2002年 7月12日
「自分のパソコンを守るセキュリティの基本」「見る立場からの要約筆記」
【パソコン要約筆記指導者養成講座にて】
★「パソコンサポートボランティア 赤いハート」のHPにも紹介されました。
http://www21.ann.co.jp/hokuriku/psvh/bbs.cgi?num=185&ope=v&page=&id=
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●あいさつ
名前:渡辺貴史(わたなべたかし)
生まれつき耳が不自由。
コミュニケーション方法:口話と筆談を少し、それにちょっとだけ手話
仕事:ソフトウェア企業で勤務(8年目)。内容は主にインターネット関連企業の課金システムの設計・開発。
パソコン歴:12年ぐらい。
パソコン講師歴:本格的な講義形式では初めて。
どうぞ、よろしくお願い致します。
●自分のパソコンを守るセキュリティの基本
○セキュリティ
1.はじめに
Windows95で「パソコン文化」が一気に開花。
インターネット、ホームページ、Eメールなど個人の日常生活でも当たり前のアイテム。
IT(Information Technology:情報技術)時代
特別なことを覚えたりしなくても簡単にネットワークにつなげたり、情報を手に入れたり送ったりできる。
ITの便利さの影に潜む罠にいつの間にか引っかかる可能性あり。
2.セキュリティとは?
「セキュリティ」=「自分のパソコンを外敵から守る」
外敵…面白半分でウイルスをばら撒く人、パソコンに入っている個人データなどを盗んだり消したりする人
「インターネットにつながっている」=「家の窓を開けっ放しにしているようなもの」
3.セキュリティ侵害の脅威
(1)不正アクセス/侵入
セキュリティの弱いところを突いて不正侵入し、本来は許可されていない情報にアクセスする。
⇒ プロの泥棒なら簡単に開けられるような鍵を破って家の中に入り、いろいろ盗むようなもの。
(2)盗聴
ネットワーク上を流れている情報を不正利用目的で取り出す。
⇒ 郵便受けに入っている郵便物の中身を勝手に覗くようなもの。
(3)改ざん
(1)の不正アクセス/侵入を行い、情報の改ざんを行う。
⇒ タンスの引き出しに入っているものを部屋中あちこちにばら撒いたり、家の壁に落書きをしたりするようなもの。
(4)成りすまし
盗聴や盗んできた他人のユーザ/パスワード情報などを使用し、他人に成りすまして情報にアクセスする。
⇒ 盗んだ他人の銀行のキャッシュカードで本人に成りすましてお金を引き落としたりするようなもの。
(5)否認
いつもやっているのと同じようにアクセスしたにもかかわらず、それが拒否されて情報やシステムを利用できず何もできない。
⇒ 何者かに紛失届けを出されてしまい、いつも使っているクレジットカードがいつの間にか使えなくなってしまっているようなもの。
(6)踏み台
不正アクセスを行うときに、任意のネットワーク上のコンピュータから別のコンピュータに入って、そしてそこからまた別のコンピュータに入るということをやるが、これらの経由してきたコンピュータが踏み台。踏み台を利用することで不正アクセス元を隠蔽することができる。
⇒ 銀行強盗は自分の車を犯行に使わない。
(7)ウイルス感染
「ウイルス」=「データ破壊や異常動作を行うプログラム」
ウイルスをEメールなどで送り、それを受け取ったり誤って実行することによって被害を受ける。
⇒ 悪質なダイレクトメールを受け取って、注文した覚えがない高価なものを買わされたりするようなもの。
セキュリティが破られると、パソコンの中に泥棒が入られた如く、パソコンの動きがおかしくなったり使えなくなったりする。
4.具体的なセキュリティ対策
(1)パスワードの定期変更、または推測が困難なパスワード設定
インターネット接続やメール送受信時のパスワードを定期的に変える。
誕生日や電話番号でなくて、推測が困難なパスワードを設定する。
⇒ 銀行のキャッシュカードが盗まれても、暗証番号が分からなければお金が引き落とされることはない。
(2)Windowsアップデート
「アップデート」=「更新、つまりプログラムを置き換える」
Windowsに不具合が出て、それに対する修正プログラムが出たら直ちに適用する。
(3)メールソフトとしてOutlookやNetScapeを使わない
Outlook Express…ウイルスに本当に弱い!
世の中に立派なフリーソフトが他にいろいろある。
(4)ブラウザのパッチ
「ブラウザ」=「ホームページを見るためのソフト」
そのブラウザのメーカーからパッチが出たら直ちに適用する。 「パッチ」=「修正プログラム」
(5)ウイルス対策ソフトの導入と定期的なウイルスパターンの更新
ウイルスを退治するためのソフトを組み込む。
ウイルス定義ファイル、またはウイルスパターンファイルを定期的に更新する。
ウイルス定義ファイル、ウイルスパターンファイル…ウイルス対策ソフトの会社が定期的に作るもの。
これまで出てきたウイルスに関する情報が入っている。
ウイルス定義ファイルが古いと、比較的新しいウイルスを退治することができない。
(6)不審なメールは開かない
知らない人からのメール、または本文が不自然な英語になっているものは開かない。
(7)不審なファイルはダウンロードしない。また開かない
「ダウンロード」=「インターネット上にあるファイルを自分のパソコンに持ってくること」
○バックアップ
1.バックアップとは?
ウイルスにより個人ファイルなどのデータが消えてしまう。
パソコンが壊れてすべての個人データがパーになる。
誤って消してしまう。
地震、落雷などの災害でデータが壊れる。
↓
「バックアップ」=「こういうときに備えて、パソコンの中に入っている個人ファイル、WordやExcel、メールなどのコピーを別の記憶媒体に入れる。
媒体…FD(フロッピィディスク)、MD、ZIP、CD-R、CD-RW、DVD
その他のバックアップ方法:
・LAN上にある別のPCにデータをコピーする
・インターネットのどこかに一時的に置く
「Windowsの使い方とかマウスの使い方を本を読んで勉強」=<大事さとしては同じ!!>=「バックアップ」
初めからバックアップのやり方を知っていれば怖いものなし!!
2.様々な記憶媒体(FD、CD-R、CD-RW、MO、DVD-RAM、DVD-R、DVD-RW、…)
@何回も書き込みができるか出来ないか。
Aどれだけのデータが入るか。
私はCD-RとCD-RWを使用。
CD…フロッピィの約450枚分のデータを格納可能。価格も安い(1枚100円前後)
3.バックアップのやり方
(1)ファイル単位の取り方
外付の記憶媒体(MOドライブ、ハードディスク)へファイルをドラッグ&ドロップするだけ。
メリット:自分の重要なデータだけをMOドライブや、ハードディスクにバックアップが取れる。
デメリット:Windowsをもう一回入れ直したときにバックアップしておいたファイルをコピーしなければならない。
(2)パソコンの中に入っているファイルまるごとの取り方
パソコン内まるごとコピー。
メリット:Windowsを入れ直さなくてもいい。
デメリット:バックアップに時間がかかる。不安定な状態をそのままバックアップした場合、書き戻した後もやはり不安定なまま。
バックアップ用のソフトを使うのが簡単。
○ウイルス
1.ウイルスとは?
「ウイルス」=「見かけは悪いことをするようには見えないが、実はファイルを消したり、勝手に多くのメールを一気に送ったりする悪いプログラム」
話題になったもの:「Nimda(ニムダ)」、「CodeRed(コードレッド)」、「Matrix(マトリックス)」、「Klez(クレズ)」
今年のウイルス感染報告の数=去年1年間合計をもう上回っている!!
要因…インターネットに常時つながることができる接続サービス、つまりブロードバンドの普及
ウイルスに感染すると…
パソコンがおかしくなるなどウイルスにやられたっていうのがすぐ分かる場合がほとんど。
最近は感染したことに気付かせない巧妙なタイプが急に増えている。
メールを悪用するウイルスの場合は、勝手に他人にウイルスメールを送って感染を広げていくため、被害者が知らぬ間に加害者になってしまう。
ウイルスの感染ルート…
かつてはFDやCD-ROMなどの外部記憶媒体がほとんどだった。
現在はネットワーク経由、とくにメールが全体の90%!
感染方法…
前は添付されたウイルスファイルを実行しなければ安全だった。
最近はメールのプレビューやオープンだけで感染する。
「BADTRANS」ウイルス…
去年の終わりごろにものすごくはやった。
Internet Explorerのセキュリティホールを利用し、メールのプレビューだけで活動を開始する。
「セキュリティホール」=「ソフトウェアの不具合などによって生まれた、システムのセキュリティ上の弱点」
⇒ 窓はあるが、鍵がない家のようなもの。
システムの破壊活動は行わないものの、自分自身のコピーをメールに添付して送り付け、ネットワークを通じてどんどん増えていく。
さらに、侵入したパソコン上でキーボードをたたいているときに、その入力情報を勝手に記録される気味悪い活動も行う。
かなり悪質!
他に…
ホームページを見るだけで感染するウイルスなどが発見されている。
今後もネットワークを利用したタイプがどんどん増えていくだろう。
2.ウイルスの被害に遭わないために
(1)怪しい添付ファイルは開かない
添付ファイルにウイルスが隠れているパターンがまだまだ多い。
怪しいと思ったら絶対に開かないのが鉄則。
(2)ソフトウェアをバージョンアップ
ハッキングを目的とするウイルスはWindowsやInternet Explorerのセキュリティホールを利用する場合が多い。修正プログラムを含んだ最新版にバージョンアップすることが不可欠。
(3)メールウイルスチェックサービスを利用
ウイルスの感染経路の90%以上はメールによるもの。
ほとんどののプロバイダでは、メールを送受信するときにウィルスのチェックをしてくれるサービスを導入している。
(4)ウィルス対策ソフトの導入
ウイルス対策ソフトを導入すると、メール以外の感染経路も防ぐことができるようになる。
このソフトを導入する前に感染してしまうと駆除できない場合もあるので、今感染していなくてもインストールすることをお勧めする。
3.もしも感染してしまったら・・・
即座にワクチンソフトで隔離&駆除
しかし、システムを破壊するウイルスに感染し、すでにプログラム内部まで破壊されている場合は直らないことも。
そんなときはパソコンを買ったときに一緒に入っているリカバリCDで購入したときの環境に戻す。
大事なデータはこまめにバックアップしておくように。
バックアップCD→NECがこうよんでいる。IBMはリカバリCDとよんでいる。
メーカーによって名前が違うが、絶対になくさないようにする。
○ハッキング
1.ハッキングとは?
「ハッキング」=「不正アクセス」
大事なデータを書き換えたり、ネットワークシステムを停止させたりするなど、企業への攻撃がメインと
思われがち。実際にはセキュリティの甘い個人ユーザのコンピュータにこっそり入って、大事なデータを
盗んだり盗聴する方が一般的。
成りすまし:
パソコンに保存されているIDやパスワード、クレジット番号などを悪者が盗み出し、勝手にオンラインショッピングや有料コンテンツで使用する。
この被害に遭うと、ある日突然膨大な金額の請求書が届いたりする。しかも侵入の痕跡を残さないために犯人の特定が困難で、被害者が泣き寝入りするケースも多くある。
不正アクセスは、ほとんどがインターネットを介して行われる。
「セキュリティホール」と呼ばれる、WindowsやIE(Internet Explorer)、Word、Excelなどの不具合を利用する
ケースがほとんど。
⇒ セキュリティホールは壁に開いた穴のようなもの。
自分の足跡を残さずに、簡単に他人のコンピュータに侵入できる。
最近ではウイルスを使った侵入方法も増えてきている。
感染するとウィルス自身がセキュリティホールを作成し、進入経路を確保する。
このウィルスが作った入口を使うことで、侵入者は他人のコンピュータへ自由自在にアクセスできるようになる。
●見る立場からの要約筆記
○パソコン要約筆記との出会い
個人的に入っている育児サークルでパソコン要約筆記を3回ほど見た。
大きな驚きと感動、そして今後の大きな期待。
○私のパソコン要約筆記利用法
耳が聴こえないといっても、聴こえの程度は人それぞれ、コミュニケーション方法も全然違う。
ある人が話していて、隣に手話通訳の方、そしてそばにはパソコン要約筆記かOHP要約筆記がある場合を考える。
聴こえない人はどこを見てその人が話している内容を理解しているのか皆本当にバラバラ。
(育児サークルの座談会で話題になった)
私の場合:
@話している本人の口元を見る。
A手話通訳者を見る。
B要約筆記を見る。
要約筆記は一番最後の方で申し訳ない…。通訳として出てくるのが一番遅いため。
でも、話が理解できるための最後の砦というのが要約筆記。
要約筆記がなかったら手話通訳でも分からなかったらもう終わり。何にも分からないまんま話を聞いてしまう。私にとっては要約筆記は欠くことのできない存在。
難点:一旦要約筆記の方を見てしまうと、話している人は話がどんどん先の方に行ってしまうことがある。
→ 話す人がゆっくりと、区切りをつけて話さないと話の流れに追いついていけなくなることもある。
要約筆記の問題ではなくて、話す人の問題!!
講演会などで要約筆記をつけるときは、話す人にゆっくりと区切りをつけて話すようお願いする。
また、話す方も手話通訳や要約筆記を意識して、それらのペースに合わせて話してもらうようにする。
○パソコン要約筆記に望むこと
<実例@>ワールドカップサッカーの生字幕
アナウンサーの実況の字幕が3秒ぐらい遅れて画面に出てきた。
スポーツの実況が初めて分かり、ものすごく感動した。
ただし、展開がクルクルとよく変わるので、3秒っていうのはそれ以上に遅く感じた。
<実例A>育児サークルでの紙芝居
前ロールにもかかわらず、画が変わっても要約筆記はまだ前の画のセリフを言っていた。
セリフを早く知りたかったので、「ワンテンポ」以上に遅く感じられた。
NHKの場合、誤字や脱字があちこち目立ってて、しかも誤字の方は直す時間がないからカットされたりしていた模様。 →
意味が全然分からないところもあった。
私としては… 誤字があっても画面に出して欲しかった。
→ 誤字だというのは見て分かることなのでカットするのは何か無駄なことのように思った。
でも、聴こえる人と同じように実況を見ながらスポーツ番組を見れるのは本当に幸せなこと。
私からパソコン要約筆記に望むこと。
・できるだけリアルタイムに近く字幕を出せるように。
・リアルタイムとの戦いのため、ある程度の誤字・脱字はしかたがないと思っている。
初めからミスを恐れず、私たち耳が不自由な人のために大事な要点は逃さずに打っていただきたい。
・スクロールは画面ごとでなくて、2、3行ごとに。
話す人や手話通訳の方を見てたりして、画面を見るのが遅れたりすることがある。一番最後の行を読みきらないうちにその最後の行までスクロールアウトされてしまった、、、ということがあった。
○最後に・・・
皆さんが一日も早く一人前のパソコン要約筆記者になれるよう、心から応援しています。
頑張ってください。
また、パソコン要約筆記の今後の一層のご活躍、ご繁栄を心からお祈りしています。
分からないことか出てきましたら、お気軽に以下のアドレスまでメールを。
今まで長らく私の話を聴いていただき、ありがとうございました!
渡辺 貴史 E-mail: takakun@mvd.biglobe.ne.jp