牛飼い座やかんむり座と、琴座に挟まれた真ん中あたりにあるのがヘルクレス座。
三角形の頭に台形を２つ重ねた胴、それに手足を付けたような形です。
３等星と４等星が主体のため、見つけにくいのですが、全天で５番目に大きな星座です。
ヘルクレスの左の腰あたりに北半球で最も明るく華やかな球状星団Ｍ13があります。

ヘルクレスは大神ゼウスとミケーネの王女アルクメーネの間に生まれました。
嫉妬深いゼウスの妻ヘーラは、幼いヘラクレスを殺すため二匹の毒蛇を送りましたが、ヘラクレスは蛇を絞め殺してしまいます。
やがてヘラクレスも成人しテーベの王女と結婚、幸せに過ごしていました。
この様子を見ていたへーラはヘルクレスに恐ろしい呪いをかけます。
ヘルクレスは突如錯乱、妻子を殺してしまう大罪を犯してしまいます。
正気に戻ったヘラクレスは，自殺しようとしましたが、大神ゼウスはエウリステウス王に10年間仕える事で、大罪を償うよう命じました。
へーラに入れ知恵されたエウリステウス王はヘラクレスに１２の難題を与えます。
しかし彼はなんと10年でそれらを成し遂げ、英雄としてギリシャ中に、その名が知られたのです。
のちにヘルクレスは、後妻のディアネイラとともに平和に暮らしていましたが、敵に送られたヒドラの猛毒にあたり苦しみ、自ら火中に飛び込み、波乱万丈の生涯を終えました。

ゼウスは彼の死を惜しみ、天の星座にあげました。



ヘルクレスの１２の功業
　　１ ネメアの人食いライオン退治
　　２ アミモーネの沼の怪物ヒドラ退治
　　３ ケリュネイアの魔の鹿の生け捕り
　　４ エリュマントス山の巨大猪の捕獲
　　５ アウゲイアス王の牛小屋の掃除
　　６ 鉄の嘴と爪をもつスチュンパリデスの，森の鳥退治
　　７ クレタ島の狂暴な牡牛を生け捕り
　　８ アマゾンの女王ピッポリテスの帯を強奪
　　９ ディオメデスの人食い馬退治
　　10 ヘスペリスの園の，黄金の林檎の獲得
　　11 エリュティアの怪物ゲリュオン退治
　　12 地獄の番犬ケルベロスの生け捕り

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