Gの唄

 

けだるい日差しを浴びながら

将来の行く末も見つからないまま

六畳の部屋でいつまでも

僕は寝転んでいたっけ

そのころ僕はしょうもないプー太郎

金も無いし彼女もいなかった

流行のフォークソングを聴きながら

白い雲ばかり眺めていた

あの時の風はさわやかだった

あの日の空はまぶしかった

けだるい日差しだけが

確かな自由を伝えてくれる気がしたものさ

六畳一間の暗い部屋

ボブ・ディランの声が流れていた

 

けだるい日差しを浴びながら

将来の行く末も決まらないまま

僕は小説家になろうと

読み慣れない書物など開いてたっけ

そのころ僕はしょうもないプー太郎

取り柄もないし才能もなかった

六畳一間の軍払い下げ畳ベッドで

ゴロゴロ過ごす暮らしが好きだった

あの時の空はさわやかだった

あの時の僕は純粋そのもの

けだるい日差しだけが

確かな自由を教えてくれる気がしたものさ

六畳の部屋を僕はうろつき

これからどうしようかと悩んでいた

 

あの時の空はさわやかだった

あの時の僕は純粋そのもの

けだるい日差しだけが

確かな自由を教えてくれる気がしたものさ

六畳一間の暗い部屋

けだるいGのハープが流れていた


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