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詳細内容

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①つつじの娘 (20分) 原作・松谷みよ子  台本畑圭之助

山を五つ越えた村の祭りにまねかれた娘は、そこで若者と知り合った。祭りが終わて、娘はその若者が忘れられず、夜、五つ山を越えて会いに行った。両手に持ったもち米は男の所に着く頃には搗き立てのもちになっていた。毎晩、それが続くと、村人は、あの女は魔性に違いないと噂するようになった。若者は次第に娘が恐ろしくなり,ある月夜の晩、険しい崖の上で待ち伏せし両手に握りしめ、髪振りみだし、風のように走る娘の足をすくった。娘はまっさかさまに崖から落ちていった。娘の血がしたたったのか、やがて、その辺りにはまっかなつつじの花が咲き乱れた。

②お月さんももいろ (20分)原作・松谷みよ子  構成 畑圭之助

昔、土佐の海辺におりのと言う美しい娘がじいやんと二人で暮していた。おりのは台風の後の海辺でお月様が半分欠けて天からこけて海に沈んでももいろ珊瑚になったと言い伝えのある宝物のももいろ珊瑚を拾った。じいやんが病気になり、高価で貴重なクマのいが効き求めていた。ある日、イノシシをしとめた若い猟師の与吉と知り合い、イノシシのいを分けてもらった。見舞いにくる、与吉を思うようになっていたおりのは、あのももいろ珊瑚を与吉に与えた。山に住む者と浦に住む者が一緒になる事が許されなかったので与吉は姿を見せないようになった。何も知らないおりのは『おつきさん ももいろ どこさこけた うみさこけた さんごになって ねんねんよ ねんねんよ』と歌い、待ち続けた。歌が浜辺を通る巡礼者に歌われ、珊瑚の事が江戸の殿様に知れたら召し上げられるので、土佐の殿様はじいやんを呼んで取り調べた。その最中にじいやんは死んでしまった。おりのも呼び出され、歌を歌う事の禁止、ももいろサンゴを差し出さないと命がないと言われちんまいおりのは泣いた。そのころ与吉は珊瑚を磨きあげ、一度おりのに会いたいと思っていた。おりのは海に潜って取ろうとするが嵐に巻き込まれてしまう。一方、与吉は珊瑚を美しく磨き上げ、おりのの家に走った。しかし、そこには位牌があるだけで、海辺に探しに行った。そこで、冷たくなって、息絶えたおりのを見つける。その時、浦奉行の侍たちが来ていて、珊瑚を置いていけと言う、与吉、耳を貸さず、おりのを抱きかかえ、おらの山に埋めるんじゃと言って帰って行く。・・・しかし、その思い果たせず、与吉は、その夜に殺された。

 ③雪女(15分) 作・小泉八雲  構成 畑圭之助

武蔵の国のある村に、茂作、巳之吉と言う老人と若い猟師が住んでいた。舟で川を越え山に入った二人は、吹雪に遭って帰る途中、船頭の姿が見えず、船頭小屋に逃げ込んだ。吹雪が吹き付ける中、寝付かれずにいると、茂作の上に白装束の女がかがみこみ白い息を吹きかけていた。女は今見た事を他言しない代わりに巳之吉を殺さないと言って消える。茂作は冷たくなって死んでいた。一年後のある日、再び、働き始めた、巳之吉は仕事帰りに、お雪と言う江戸に女中奉公に向かう若い女と知り合う。母親と二人きりの巳之吉の家により、江戸へは行かず、母親の死後も、居着いて十人の子供を生んだ。沢山の子供を生みながら、若さと、みずみずしさを失わないお雪を村人達は不思議な女だと噂していた。或晩、針仕事をしている,お雪の横顔を見て、船頭小屋で出会った、美しい女に余りにも似ているので、つい、その事を話してしまう。それを聞いた、お雪は「それは私じゃ!」と言って、豹変し、口外しない約束を破った事を詰り、本当は殺してしまいたいが子供たちがかわいそうなのでしない、といって、白くきらめく霧となり、引き窓からすーっと消えていった。       

 ④耳なし芳一(20分)作・小泉八雲  構成 室井三紀

800年昔、下関海峡の壇ノ浦で長い間争っていた、平家と源氏の最後の闘いが行われました。数百年前、赤間が関の平家の亡霊を霊を静める為に建てられた阿弥陀寺に芳一と言う琵琶語りの上手な、盲人が居候していました。住職が留守の夜中、芳一は言われるままに見知らぬ人の呼びかけに、尊きお方の屋敷に出かけ、壇の浦のくだりを語る。琵琶をほめられ、これより6日間、来て聞かせよといわれる。しかし、この事を口外してはいけないと。次の日、芳一の不審な行動に気付き後をつけると、阿弥陀寺の墓地の中で激しく琵琶を弾く芳一。芳一から成り行きを聞いた住職は、亡者に騙されてる事を知り、芳一の身体を裸にして体のあらゆる所に般若心経を書付、今夜も亡者の呼びかけがあっても声を出さず、静かに座っている様に言われる。そして、やってきて芳一の名を呼ぶ、亡者に芳一の姿は見えず、般若心経を書き付けなかった耳だけが見え、もぎ取っていてしまった。住職は手落ちを詫び、その後、亡者に苦しめられることなく、多くの人々に、耳なし芳一と言う名で知られるようになった     

⑤海の国、砂の国(15分) 作・寺島玲子
 (建礼門院)   
砂漠の地で負傷した兵が我が子を戦の中で亡くしたと言う幻の海の国の女と出会い、水を差し出される。そして、その女は名を平の徳子、建礼門院と名乗る。時は元暦二年弥生二十四日。壇ノ浦で源平の戦いの火ぶたは切って落とされた。戦況は平家に不利な中、二位の尼殿は幼い、御年八歳の安徳天皇に波の下にも都のさぶろうぞと、嫌がる幼帝を抱き海の中に身を投げる。幼帝の母、徳子も後を追い、海に入るが、源氏の侍の熊手に長き髪を絡められ、引き上げられてしまう。・・都に連れ戻された徳子は髪を下ろして尼になる。再び、砂漠の場に戻り、女は負傷兵の味方の足音が聞こえるといい、去って行こうとする。何処へ行くと男の問いかけに、昼は暑さに喘ぎ、夜は寒さに凍えながら眠る場所もない人々の傍らに。海の上で、私の一族が滅びてから八百有余年、それなのにまだ戦が続いている、と嘆きながらも、いつか、砂漠を知る者が海を知り、海を知る者が砂漠を知るときがくる事を願っていると言って去っていく。男はあなたの事は決して忘れないと感謝を込めて言う。    

⑥舞い、散る、華、恋(15分) 台本 畑圭之助
 (滝口入道と横笛)   
治承の春。世は平家の盛り。西八条の清盛の館で盛大な花見の宴が開かれました。そこで舞う御所、建礼門院の曹司、横笛の艶やかさに心奪われる、重盛の従者、斎藤滝口時頼。しかし、時頼の父、茂頼(もちより)ははしためとの結婚を許さない。それでも、募る横笛への恋慕。時頼、出家を決意し、京都、嵯峨の往生院に入り、読経三昧の日々の中で横笛への思い断ち切ろうとする。そんなある夕暮れ、横笛は嵯峨の庵に時頼を探し訪ねる。人違いと言い、会おうとしない時頼に横笛は「山深み思い入りぬる柴の戸のまことの道に我を導け」と石にしたため去っていく。また、横笛に会いに来られたら会わないと言う自信がないので、女人禁制の高野山清浄心院に移り滝口入道となる。横笛は髪を下ろし尼となり奈良の法華寺に入る。そして、その後、横笛の死を人づてに聞く。

⑦義経(20分)  台本 畑圭之助

 腰越に兄、頼朝によって留め置かれ鎌倉へ入る事を禁じられた義経は夢の中で、頼朝に野心の微塵もない事を告げ、誤解を解いてくれと、やるせない胸の内を訴える。しかし、頼朝は平家の捕虜の宗盛,親子を連れて京に帰る事を命令する。・・・夢から覚めると、家来の佐藤忠信が、北条時政が頼朝の使いできてると言う。そして、宗盛、親子を連れて帰京の件と確信する。平泉から、継信、忠信兄弟、弁慶、頼朝の下に馳せ参じ、屋島、壇ノ浦の戦いで、部下を失いながらも平家を蹴散らし、鎌倉に凱旋しようとしたのに兄の仕打ちを嘆く。静を好きになって、兄に知れ渡り、嫁を娶れと監視するかのように身内の河越重頼の娘、郷御前を送ってよこした。京に帰って、後白河法皇の謀のように 、義経はに任命され、その事が再度、頼朝の怒りを買い、義経討伐の命が下る。義経、都を捨て西海に下る。妻、郷御前を離縁し、静御前とは吉野山で別れる。その後、静は捕まり、母の磯の禅師とともにお腹に義経の子を宿しながら鎌倉に送られ、頼朝の前で舞うことを命令される。義経の時代が来る事を願い舞う。頼朝の怒りを買う、政子の取り成しで怒りを納める。その後、男の子が生まれ、頼朝の家来によって由比ヶ浜で殺される。傷心を抱え、母と京に帰ろうとしている。・・・「、義経がいるであろう平泉の土を一度踏みたかった・・・」と言って、義経に思いを馳せる。・・・吉野山で最後に別れた時に頂いた、鏡を手に・・歌を読む・・「見るとても・・嬉しくもなします鏡・・恋しき人の影をとめねば」・・。    


⑧風の又三郎(15分) 構成 室井三紀

高田三郎と言う転校生がやって来る。彼の周りで風が吹く。彼を風の又三郎と呼ぶ。放課後、子供達は彼とさいかち淵に遊びに行く。山の草は暗く、風が吹き、夕立がやってくる。又三郎の髪の毛は赤く、唇は紫。皆なんか怖くなる。ある日の朝、子供達は学校へ行くと先生が「高田三郎くんは昨日お父さんと一緒に他へ行きました」と告げる。その時、宿直室のほうで何かごとごと音がして、風が吹き、窓ガラスは雨粒の為に曇りながらまた、がたがたなりました。

⑨おしらさま(15分)  構成 室井三紀

むかし、中国でのお話。まんのう長者に、16歳になるひとりの姫君がいた。厩に繋がれたせんだん栗毛の馬に心奪われてしまった。馬はそれから、飼葉を食わなくなった。博士に占わせると、馬も姫君を愛してしまった。毎夜毎夜、娘が馬に会いに行くのを見て、父のまんのう長者は娘があわれになり、馬をかわらに引き出し、杭につないで晒しものにした馬は舌を噛み切って死んだ。嘆き悲しんだ姫は六万弁の念仏唱え、たちまち、名馬蘇り姫乗せて、天高く上っていてしまった。まんのう長者、後悔し、七日七夜、祈祷する。天から降ってくる、白い虫、黒い虫を娘と馬の生まれ変わりとして大切にしなさいと神のお告げがある。姫の玉手箱が降りてきて、その中にいた、白い虫と黒い虫に、桑をきり与えるとやがて、まゆをかけ養蚕のみちを開いてくれた。・・遠野地方にも同じ話がかたりつたえられ、娘と馬の一対の人形オシラさまとしたしまれ、養蚕の神として信仰されていた。

⑩貧乏神(15分) 民話・遠山顕脚色

昔、貧乏な家族がいた。男は飢饉で苦しくなって、夜逃げしようとしていた時、用があって、物置の脇を通った時、その中に人の気配を感じて開けると、貧乏神だという男がいて、わらじを編んでいた。そして、付いて行くと言った。家族は自分たちが貧乏な訳を知った。貧乏神はわらじを作りながら出かけるのを待った。しかし、出てこない。わらじを作って待っているうちにわらじが村人の評判になり、それを、見た、男は、わらじを売って、商売にしようと考え、村から村へ飛ぶように売れた。しかし、商売も広がると維持費も嵩んだ。ある日、食べ物とお酒で貧乏神をもてなした。貧乏神は、お宅が裕福になったので、自分としては場違いな気がして、おいとましようと思う、といって出て行った。家族は喜んで、眠りについた。夜中、男はかわやに起きて、物置の脇を通ると耳慣れた音がするので開けると、そこに貧乏神がわらじを編んでいた。ここは住み心地がいいのでずーとここにいると言う。貧乏神のわらじを作るためにワラが必要だった。ワラを手にする為には稲がもっと必要だった。夫婦は腰を上げ稲を植え始めた。そして、子供たちが夫婦の手伝いを始めた。御客人がいるかぎり生活は楽にならないが、気がつくと、食卓の上にはいつも食べ物があり、家の中にはいつも笑いがあった。

⑪マクベス夫人(15分)作・シェイクスピア  構成台本 畑圭之助

戦のあと、褒賞に魔女達予言通り、コーダーの領主になるマクベス。その、魔女たちが国王になると予言する。その、国王が、マクベスの屋敷に来ると言う。黒い野望に満たされるマクベス夫人。手を汚す事を望まな心やさしき、マクベスは夫人にそそのかされ、遂に闇夜にまぎれて手をかけてしまう。そして、魔女どもの予言の総てを手に入れた。マクベス夫人、表には気丈夫に振舞うが、心の奥深く乱れだし、闇に向かって独り言。心身ともに狂気の渦に巻き込まれ、マクベス夫人やがて静に息絶える

⑫ひとり(2分)  谷川俊太郎
⑬金子みすずの詩(10分)    
      「星とタンポポ」   「大漁」 
⑭かしわ林の夜
⑮祭りの晩
⑯ひのきとひなげし
⑰よだかの星
⑱雨ニモ負ケズ
⑲額田王
20、竜王、天狗のために取らるる話
21、星の光の下で
22、つるのおんがえし