国会レポート0218


生命のメッセージ展 in 国会                2003/02/18
生命の重さを今一度噛みしめる展覧会
 「生命(いのち)のメッセージ展 in 国会」が衆議院第一議員会館で開かれ、私も見学してきました。この会は、交通事故により暴力的に、また理不尽に生命を断ち切られた方たちへのレクイエムです。亡くなられた方の等身大のパネルが置かれ、そこに事故の状況を書いた紙とご家族などからのメッセージが添えられ、足下には遺品の靴が展示してあります。

 実際にご家族などを亡くされた方々が中心となり、これまでも東京を始め大阪、浜松、横浜、札幌、千葉、秋田など全国で開催されておりますが、今回は超党派の国会議員なども協力し国会での開催となりました。毎年約1万人もの尊い命が、悲惨な交通事故で失われています。その中でも悪質な交通違反による被害も少なくありません。昨年、国会でも特に過失の大きい事故については、加害者に対する罰則を強化する法改正を行いました。

 私は、そもそも政治家を目指した動機の一つが、総合的な交通行政の見直しの必要性を感じたことにあります。公共交通機関が赤字になる中、道路の渋滞や事故が絶えない。交通安全などは運転者のマナーに頼るところが大きい。自転車に至っては、そもそも走る環境が全く出来ていない。エネルギー資源や環境のことを考えれば優位のはずの機関が十分利用されていない。必要なものが出来ずに無駄なものが出来ている。などなど、問題点は多岐に渡り、結果として起こっているのは、交通事故、環境破壊、物流コスト上昇や渋滞による経済損失など、大変深刻なものです。

 これらの諸問題は総合的に交通行政を見直さなければならないと考えますが、特に解決を急がなければならないのが、交通事故、特に死亡交通事故の問題です。個々の事故の状況により原因は様々ですが、防ぐことの出来た事故が多い事は間違いありません。もちろんドライバーの心がけが最も重要であることは言うまでもありませんが、道路などの構造的な問題や自動車自体の安全性など、単に交通安全を呼びかけるだけでは解決しない問題も多くあります。そして重要なことは、実際に死亡事故を減らさなければならないという事です。

 私は、国会議員として国の交通行政の歪みを正していかねばならないと、決意を新たにしました。また、小さな子を持つ親として、彼らの世代に安心して生きていくとこの出来る社会を贈りたいと思います。そして私自身もハンドルを握るドライバーとして、あらためて安全運転を誓います。

 ドライバーであれば誰もが加害者になる可能性があります。どんな理由であれ、他人を傷つけたり命を奪ってしまった場合、加害者も深く傷つきます。死亡事故の撲滅は、被害者だけではなく加害者もなくすことにつながります。

 私には、ご家族を失った方々の悲しみは、十分には共有出来ていないかも知れません。今日も、会場には足を運びましたが、涙を堪えるのがやっとで、なかなかじっくりと見ることができませんでした。小さな靴が並んであるのを見ては、その子の明るい声や、その靴を買ったときのご家族のお気持ちなどを考えてしまい、つい目を閉じてしまう事もありました。本当は、そういった亡くなった方の声なきメッセージを受け止め、「生命の重さ、大切さ、尊さ」を語り伝えるのが、この「生命のメッセージ展」ですから、目を閉じてはいけなかったのかも知れません。

 今後もこの会は全国で開催される予定だそうなので、機会を作って参加するつもりです。是非、多くの方に足を運んでいただければと思います。

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