韓国の盧武鉉大統領が衆議院本会議場で演説 2003/06/09 |
未来志向の日韓関係構築の重要性を強調 |
盧武鉉(ノムヒョン)韓国大統領が先日から来日し、本日「盧武鉉大韓民国大統領夫妻歓迎会」が衆議院の本会議場で開かれ、大統領による演説が行われました。国賓が国会で演説される場合は、普通は参議院本会議場を使用しますが、今回は私の所属する衆議院で行われました。
盧大統領は、1946年生まれの所謂「戦後世代」の大統領です。演説ではそのことにも触れながら、未来志向で両国関係を構築する重要性を強調されていました。過去の歴史問題にも少しは触れましたが、多くは語りませんでした。過去の問題を語る事は重要であるけれども、それはこれからの未来の関係を構築する上で重要なのであり、過去の戦争責任の追及自体が一番重要なのではないとの認識を示された、と私は受け止めています。 しかし、大統領は複雑な心境であったのではないかとも思います。なぜ戦後50年以上も経って、未だに過去のことに触れるか触れないかが問題になるのか。その責任が日本政府にあることはあまりにも明白です。よく言われることですが、同じ敗戦国であるドイツがヨーロッパの中でどの様に戦後処理を行ってきたのか。そして日本はアジアの中で、どうだったのか。単純な比較は無意味ですが、現状から見て日本政府の外交能力に問題があったことは否定できません。これからの両国関係構築の重要性を力説しながらも、過去についてはどこか奥歯にものの挟まった様な表現で触れた大統領の表情には、やはりすっきりしない心境が現れていたように感じました。 昨年サッカーW杯が共催され、日韓関係は急速に変化していると思います。特に若い世代にとっては、相互に理解することもあまり困難ではないようにも感じます。先日日本で行われたサッカー日韓親善試合でも、両国関係の深化は続いていると感じた方は多いのではないでしょうか。しかし振り返ってみれば、W杯が日本、もしくは韓国単独で開催されていた場合、ここまで関係が盛り上がらなかった事は容易に想定できます。つまり、昨年来の両国関係の盛り上がりは、「スポーツ外交」によるものが大きかったということでしょう。 当該地域の最大の懸念である北朝鮮問題は両国にとっても重要課題であり、それはアジア全体にとっても重要な問題です。この問題を解決するのに「スポーツ外交」はあまり有効ではなさそうです。長い日本外交の歴史の中でも特に難題であると思われます。この問題を解決させて日本を含むアジアの平和と安定を実現するには、特に若い世代の関与が不可欠であると考えます。私も若い世代の一員として、新しい外交を展開すべく全力を尽くしていく覚悟です。 →盧武鉉(ノムヒョン)大統領演説様子(ナローバンド28.8k〜) →盧武鉉(ノムヒョン)大統領演説様子(ブロードバンド150k〜) |