入浜塩田の構造と採鹹さいかん鹹水かんすいをとること)のしくみ



1.入浜塩田の構造

 入浜塩田は、潮の干満が利用される。満潮時に海水が塩田内の浜溝に入れられ、干潮時に雨水などが排水される。
 徳島県鳴門市の入浜塩田は、干潮と満潮の中間位より低い位置にある。塩田の回りには堤防が巡らされ、撫養川むやがわ・小鳴門海峡・内の海うちのうみに面する堤防は「外堤防」、水尾川におに面する堤防は「内堤防」といわれる。
 堤防は、高さ2bほどの石垣の上に1bほどの盛り土があり、堤防の中には、「刃金はがね」と称する粘土が入っており、外から海水が進入しないようになっている。
 塩田を囲む堤防の一か所(水尾川におに面する堤防)に、干潮水位よりやや高い位置に穴のあいた樋門(通称「ゆるば」)があり、普段は栓(通称「ゆるくさ」又は「さしくさ」)が入っている。
 満潮近くになると、栓をあけ、塩田内の浜溝に海水を入れる。また、降雨後、干潮時に栓をあけ、塩田内にたまった雨水を排水した後、さらに浜溝に残った雨水を、昔は「踏み車」により排出した。
 しかし、昭和初期以降、ポンプが普及してからは、干潮時以外でも雨水の排水がおこなわれるようになり、以前よりも早く採鹹さいかん作業がおこなわれるようになった。
 鳴門市の塩田地盤は、自然地場の砂を平らにならした上に、敷砂を適度に張り、最上部に上土うわつち(粘土40%・砂60%程度に混じり合った粗悪な海粘土)を5〜10cmほど張り固めた構造になっている。この塩田構造により、塩田の毛細管現象がうまく調節されるようになっていた。






 徳島県鳴門市の入浜塩田 1946年撮影
 左の人は、塩の結晶が付着した撒砂(鹹砂かんしゃ)を沼井ぬいに入れ、右の人は、先に沼井でろ過し乾かしておいた砂を塩田にまいているところ  午後3時ごろ



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