イオン交換膜透析装置こうかんまくとうせきそうちのしくみ



 イオン交換膜透析装置(イオン交換膜法)は、イオン交換膜を利用して、塩田と同様に海水の塩分濃度を濃くして鹹水かんすいをとるもので、そのしくみは、次のとおりである。


@ 海水の中では、塩はプラスとマイナスの電気を帯びたイオンの状態に分かれている。
たとえば、塩化ナトリウムの場合、ナトリウムイオン(陽イオン・Na)と塩素イオン(陰イオン・Cl)、塩化マグネシウムはマグネシウムイオン(Mg2+)と塩素イオン(陰イオン・Cl)、塩化カリウムはカリウムイオン(K)と塩素イオン(陰イオン・Cl)などである。
 なお、次のBおよびCは塩化ナトリウムを事例として説明しているが、塩化マグネシウムや塩化カリウムなど他の塩類でも同様の現象が起きている。

A 海水を入れた透析槽の中にプラスイオンだけを通す陽イオン交換膜と、マイナスイオンだけを通す陰イオン交換膜を交互に並べて直流電流を流す。透析槽の両端には、陽極と陰極が設置されている。

B ナトリウムイオンは、陰極に向かって移動しながら最初の陽イオン交換膜を通り抜け、次の陰イオン交換膜ではね返される。いっぽう、塩素イオンは、反対に陽極に向かって移動しながら最初の陰イオン交換膜を通り抜け、次の陽イオン膜ではね返される。

C 時間が経過してBが繰り返されると、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜の間にナトリウムイオンと塩素イオンが集まる。ナトリウムイオンと塩素イオンが集まったものが鹹水かんすいで、図のように鹹水が集まる部屋が一つおきにできる。

 このようにして、イオン交換膜透析装置により鹹水かんすいをとることができる。海水の塩分濃度は約3%であるが、イオン交換膜透析装置によってとれる鹹水かんすいの塩分濃度(全塩分濃度)は、イオン交換膜の性能や季節などによって変動するが、平均すると約17%である。

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