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 1号缶〜4号缶の缶内の気圧は、1号缶・2号缶・3号缶というふうに缶の数字が上がるにしたがい、真空度が大きくなり、沸騰温度(発生する蒸気温度も同じ)も下がる。
 図に示すように1号缶の缶内は1.28気圧・蒸気温度107度、2号缶は0.57気圧・85度、3号缶は0.25気圧・65度、4号缶は0.07気圧・38度となっている。
 缶内の気圧を下げるしくみは、一定の容積の中で気体を凝縮して液体にすると、中の気圧が下がるというものである。真空式蒸発缶の場合、各缶で発生する蒸気を次の缶の加熱器やコンデンサーで蒸気のもつ熱エネルギーを奪い取る(熱交換または冷却ともいう)と、蒸気は凝縮して水となり、缶内の気圧が下がる。
 すなわち、1号缶で発生した蒸気は、2号缶の加熱器で2号缶の缶内液と熱交換して水となり、1号缶の缶内の気圧が下がる。同様にして2号缶および3号缶も缶内の気圧が下がり、4号缶は、缶内で発生した蒸気がコンデンサーで冷却用海水により熱を奪われ、凝縮して水となり気圧が下がる。このようにして1号缶〜3号缶の缶内では、濃縮鹹水かんすいが煮つめられ、塩の結晶ができる。












 鳴門塩業株式会社の真空式蒸発缶上部(屋内に設置している)
 2001年撮影


 塩の結晶と濃縮鹹水かんすいの混合物を「スラリー」といい、常時、スラリーが缶内と加熱器の間を循環している。
 また、スラリーが加熱器に入る前に濃縮鹹水かんすいが供給されるようになっている。蒸発缶の下にあるバルブが定期的に開いて、スラリーを取り出し、遠心分離機にかけると、塩の結晶と液体(「母液」という)に分離される。


【引用文献(図を含む)】
 『鳴門市史・現代編1』(1999年・徳島県鳴門市発行)917頁〜1017頁収録の「第十章 塩業」(小橋 靖著)




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