「ふたりっ子」を読んで

くーみん 様

独特の流れに乗って、あっと言う間に読んでしまった。
しかし、この一冊の中に、本当にたくさん、考えさせてもらえる人生の中の課題が ぎっしり詰まっているように思う。
思春期の体の成長や心のとまどい、老人問題、障害を持っている人との関わりや、母親が家を出た子供の心の葛藤…。
男の子と女の子と…それぞれの見方・考え方が描かれていて、とても興味深かった。
さりげなく出てくる登場人物の背景が、事細かく説明されているわけでは無いのに、すんなり理解できて、実にいろいろだと思った。
私はとくに、おばあちゃんの話が胸に迫った。現在のおばあちゃんの状況も、過去のおばあちゃんの悲しい記憶も…。
いろいろな人生を垣間見ながら…最後にはこれからも、このふたりは、それぞれの成長を遂げていくのだろうな…と思える締めくくりが救われる気がした。
「羊水の成分が海水に近くて、人は海からくるのだ」…というふたりっ子のお父さんの発想や、「女の体の中に宇宙がある」というなぎさの発想…すごく素敵だな…素敵な言葉だなって思った。これは…いずれ思春期を迎える子ども達に、使えるな…と…。
娘や息子がこのなぎさと洋太と同じくらいの年齢になったら、子ども達にもぜひ読ませたいと思う。

2001.5.15


井出 裕子 様

6年生になった新学期から、バレンタインデーになるまでの双子ちゃんのお話。この男と女に成長していく二人が、別々に思いを書いているのが特徴かな。同じ日(本当は二日またがっているけど)に生まれて、同じ家庭で育っているのにいろいろ感じ方が違う。予防注射のあとの高熱で障害がでてしまった舞ちゃんへの対し方も母親のそれと父親のそれによく似ている。男って卑怯だと思うときがある。女は自分の中から産まれてきた子だからどんな障害があっても愛おしいのに。不憫だとは思うんだけど、一度も抱いたことがないって父親がいる。壊れそうでどうしていいか分からないって。舞ちゃんを預かったとき、スクールバスまで迎えに行って、3人で歩いているとき。舞ちゃんが歌っているけど、もしかしたら、それは私だったかもしれない、洋太だったかもしれない、と思って悲しくなるなぎさ。…でてくる人がみんな優しいので、深刻にならないで読めました。

2001.3.8




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