オーランド−最終回−

フロリダ州政府観光局のガイドブックによると、
フロリダ半島の中東部、大西洋に面した海岸線一帯の魅力は、「3つのS」にあるそうな。 
3つの「S」とは、「SPACE(宇宙)」「SPEED(スピード)」「SUN(太陽)」のこと。 
「SPACE」は、言うまでもなく「ケネディ・スペースセンター」を指し、
「SPEED」は、ナスカーの本部も置かれている「デイトナ国際スピードウェイ」、
そして「SUN」は、「カナベラル国立海岸」を含む様々な美しいビーチのことを指している。
帰国まで「あと一日」と迫った今日、マイアミ・キーウエストから帰ってきたばかりだし、
「最後の一日」でもあるからして、「今日はのんびりしよう。」
・・・などとはぜぇ〜ったいに言うハズもないパパとママは、案の定、
散歩から帰ってくるなり「3つのS」のうちの一つ、「ケネディ・スペースセンター」に行きたいと言い出した。
・・・ケネディに連れて行くことは構わない。 
でもね、パパ、お願いだから散歩に行く度にメーコのことを起こすのはやめてくれ・・・。 
最後の一日までも安眠を妨げられ、ムッっとしながら朝ご飯を作るメーコ。 
そんなメーコの様子を察してか、
「本当に悪いなぁ!メーちゃん! でも、今日でおしまいだからあと一日ガマンして付き合ってくれよ! 
さしずめアレだな! メーちゃんはすっかり二人の“専属ガイド”になっちゃったな!!」、と叫ぶパパの声を聞きながら、
メーコはこのパパにも「3つのS」が備わっていることに気が付いた。 
・・・言うまでもない。「さんぽ」に「さしずめ」に「さけびごえ」だよ〜ん!!

「ケネディ・スペースセンター」は、オーランドから東に進むこと約45マイル(約70km)、
カナベラル岬の北、「メリット島国立動植物保護区」の中にある。 
40平方キロメートルにも及ぶ広大な敷地の中で、見学可能な施設は3箇所。 
センター内で運行されている専用のツアーバスに乗り、約2時間かけて一回りできるようになっている。 
総合案内所に行くと、5ドルで各国語のテープ案内が聞けるヘッドホンも借りることができ、
モチロン「日本語版」だってあるのだけれど、
「耳の悪い二人には無用の長物」との独断で今回はムシ。 
・・・でも、やっぱり借りてあげるべきだったのかなぁ・・・って、
ちょっぴり反省していたメーコだったんだけど、
「アポロ・サターン・センター」で展示物の説明を一生懸命していた時に、
振り返ったら二人が売店に向かって歩いているのを見つけ、自分の判断が正しかったことを確信したよ。 
・・・このまま、「サターンロケット」にくくりつけて宇宙まで飛ばしてしまおうか・・・? 
パパとママが子供の頃は、「人が話をしている時はちゃんと聞きなさい」って教えられなかったのかなぁ?

故ケネディ大統領が「アメリカの未来と希望」を託して創り上げたケネディ・スペースセンターでの「買い物」を終え、
ロゴ入りのTシャツと帽子を大事そうに抱えるパパとママを車に乗せたメーコは、
「フロリダ旅行最後の夕食」をダーリンの勤めるレストランで食べるため、再びオーランド市内へと向かう。 
ダーリンが勤めるレストランは、ホテルの中にあるせいか、平日だというのに大混雑。 
40分近く待たされてようやくテーブルに付き、
同席になったアメリカ人のお客さんたちと、ダーリンが登場するまでしばしおしゃべり。
「隣りにいるのは貴女のご両親??」と聞かれ、詳細を英語で説明するのが面倒くさかったメーコは、あっさり「うん」。 
すると彼女、パパとママたちにもにっこり微笑み、一言、「とっても良く似てるわ」。
・・・・・メーコ、気絶。 
この後、ダーリンが目の前で作ってくれたフライドライスもチキンヌードルも、
大好きなヒレステーキすらもメーコの喉を通らなかったことは言うまでもない・・・。  

翌朝、まだショックから立ち直れないメーコは、「最後の散歩」に出かけるパパたちに起こされても怒る気力すらなかった・・・。  
そんなメーコとは裏腹に、「最後の日」までも足を踏んづけて起こされたダーリンはおかんむり。 
さらにママが、「ドルが結構余ったから、次は“ユーロ”を持ってこなくちゃねー」などと
ワケの分からない話を始めてますますイライラ。 
「笑顔のお見送り」には程遠い表情で空港へ向かう。
搭乗の手続きも終わり、ゲートに向かうにはまだいくらか時間があったので、
コーヒーを飲みながら帰りの乗り継ぎの説明をするメーコとダーリン。 
でも、何度説明してもまったく要領を得ないパパたちに、ダーリンまたまたブッち切れ。 
パパたちも、「ま、行きゃー何とかなるだろ」と諦め、いよいよゲートへと向かう。 
・・・ハズだったのに、最後の最後でパパ、「そうだ! マサル! 水買っといてくれ、水!!」って叫んじゃった・・・。 
あのさぁ、パパ。水だったら家にいくらでもあったでしょーに。 
空港で買うと、一本2ドル50セントもするんだよ・・・。 
どーして家を出る時に言わなかったのさ。 
んでもってママ、一緒になって「私にもー」なんて言っちゃダメだよ〜!!  
もう、知ら〜ん!!

搭乗口に向かうパパたちに手も振らずに空港を後にしたダーリンを横目に見ながら、
「もしかして、30年後のダーリンはパパとママのようになってしまうのではないか」と、
ベリー不安になってしまったメーコは、この日、会社に連絡して次の仕事をもらってしまった・・・。

メーコとダーリンに、「未来と希望」はあるのだろうか・・・?? ・・・う〜む・・・。 





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