オーランドに戻ってきてからも、ター助たちの珍道中は続いていた。

滞在4日目。
 「アニマル・キングダム」に出かけた二人は、
メーコのお勧め通りまず最初に「キリマンジャロ・サファリ」に乗り、
続いてダーリンお勧めのアトラクション、
「カリ・リバー・ラピッズ」に向かったところまでは順調だったらしいのだが、
乗った瞬間、大人も子供も何でか知らんが濡れると大はしゃぎする「アメリカ人仕様」の仕掛けに
パンツまでびっしょりになり、その後の一日を、湿ったパンツと思いっきりブルーな気分で過ごしたそうな。 
そしてその後、一通り遊び終わって「ダウンタウンディズニー」へ向かおうとした際、
「“ダウンタウンディズニー行き”のバスに乗ればいいからね」、と案内したメーコの言葉を信じて
バス乗り場へ向かったら、そんなバスは存在しておらず(←これはメーコにも理由が分からない)、
運転手のオバちゃんに「ダウンタウンディズニーに行きたいんだ」と言っているにもかかわらず、
「アナタたちはどこのホテルなの??」としつこいまでに聞かれ、
必死になって「シスターがここに住んでるから僕たちはホテルに泊まっていない。 
僕たちはダウンタウンディズニーに行きたいんだー」と、
涙まじりで訴え(←メーコはその場にいなかったが、絶対にそうだったと思う)、
そんなター助の思いが通じたのか、そのオバちゃんがダウンタウンディズニー行きの
バスが出ているホテルまで乗っけてってくれ、
何とかダウンタウンディズニーまで辿り着くことができたそーだ。

5日目は、アウトレットに買い物に出かけ、「みんなへの土産が大変なんだよねー」、
とか何とか言っていたわりには、到着早々二人とも「自分の土産」を買うことに熱中し、
「大変な」みんなへの土産は、帰り際のわずか10分で終了させていた。 
中でも際立っていたのが、「ポロ」のバスタオルを5つもまとめて買ったサーちゃん。 
確かに日本で買うのとは比べ物にならないくらい安いし、
消耗品だからもらった方も嬉しいであろうことは認めるが、
何の迷いも見せずに5枚のタオルを選んでいたサーちゃんの姿を見て、
「カバンの容量」というものを全く考えず、安さにつられてABCストアーのチョコレートを買いまくり、
「お土産がスーツケースに入りきらないんだけどどうしたらいいかしらぁ?」と、
電話をかけてくる格安ハワイツアーのオバ様たちを思い出し、メーコは一瞬不安になってしまった。 
今はお人形のように可愛いサーちゃんではあるが、
実は30年後にはそうなってしまう可能性を十分に秘めており、
「大丈夫よぉ、おねーさん。イザとなったら体に巻きつけて帰るからさー、あははははー」、などと
大口開けて笑う豪傑オバさんになってしまうのではないか。 
そんな不安を覚え、もうこれ以上キョーレツな身内を増やしたくないメーコが、
すがるような気持ちでアウトレットを後にしたことは誰の想像にも難くないであろう・・・。

最終日に二人が出かけた「ユニバーサル・スタジオ」では、
途中から合流したメーコがズブ濡れになって超ブルーになった。 
さらにその後、ダーリンの店で最後の夕食を取ろうということになり「ベニハナ」へ向かう途中、
高速道路の入り口を間違えて道に迷い、しかもガソリンも底を尽き始めて真っ青になり、
せっかく乾いたパンツを、チビってまた湿らせてしまいそうになった・・・。 
が、言い訳をするワケではないが、アメリカの道路標示は照明が暗くてヒジョーに見にくく、
しかも「東西南北」で方向を示しているので迷いやすいのだ。 
さらに、一度高速に入ってしまうとなかなか次の降り口が出てこない。 
そんな状態でガソリンも入っていないときたら、
安岡力也だって「大三郎ナミダ」をながして「どぼちよう」と言うに違いない。 
今だから言えるが、メーコはこの時、本当に怖かったんだぞーーー!!!

そんなこんなのター助たちの珍道中ではあったが、
いよいよ帰国の日を迎えることとなった。
サーちゃんが買い込んだバスタオルはどうにかスーツケースに収まったものの、
出発時にメーコが持たせた山ほどの本よりも大量のお土産を詰め込んだ二人の荷物は、
それはそれは重かった。 
そして、そんな重たいスーツケースを2つも抱えて3階から下まで運び始めたダーリンを、
笑顔で見つめる二人の姿は正に「悪魔」だった・・・。

空港に着き、手続きを済ませた二人を出発口まで見送り、ター助たちの珍道中は終了した。 
・・・ハズだったのだが・・・。 
メーコとダーリンが家に戻って2時間後、ター助から泣きそうな声で電話がかかってきた。
「えっとー、良くわかんないんだけどともかく僕たちはまだオーランドの空港にいるんですよー」。

乗り継ぎ地ヒューストンの天候不良のためオーランドの出発が大幅に遅れたター助たちは、
国際線に乗り継ぐため、往きと同様「係員併走」でヒューストンの空港を大ダッシュしたそうな。 
二人の珍道中は、やっぱり終わりまで珍道中だったのである。 まる。



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