ドイツ

メーコは今、ドイツにいる。 今回は、「園芸福祉療法」とやらを視察するツアーで、ドイツ・オランダを周る7日間の旅なのだけど、何を隠そう、メーコは「園芸」も「ドイツ」もと〜っても苦手。 まずは「園芸」。 言うまでもなくメーコは「花より団子」派だから、食べられない花は興味ないんだよねー。「絶対に間違えない」って自信を持って言えるのは、菜の花とヒマワリとチューリップだけだもんねー。よく、観光中に「添乗員さん、あのお花は何ですか??」って聞くお客さんがいるんだけれど、分かっていたらこっちっから案内する、っちゅーの。 分かんないから黙ってやり過ごしてるんだから、その辺ちったー気ぃ効かせろよなー、って言いたいわ。仕方がないから「チューリップとは違う種類ですねー」だの、「紛れもなくヒマワリではありません」とか言ってごまかしてるけどさ、花の名前が知りたいんだったら海外旅行じゃなくて植物園に行ってくれ!って言いたいねー。 でもね、そんなメーコでも「実のなる木」だったら少しは分かるんだよ。「栗」「リンゴ」「オレンジ」「レモン」。 でも、実がついてる時でないと分かんないから、「期間限定」なんだけどね。(←誰でも、実がなっていれば分かるっちゅーの??)

そして、「ドイツ」。 なぜだか知らないけれど、メーコはドイツにとぉ〜っても縁がないのだ。その昔、お姉と一緒にブレーメンに行ったことはあるけれど、添乗員になってからの足掛け10年の間に、ドイツ国内に泊まったことはわずかの3回しかないのだぁ。しかも、そのうち1回は7年前の研修が含まれているのだから、いかにメーコがドイツに縁がないかお分かりいただけるであろう。 ドイツと言えばビール。ビールと言えばメーコ。 こーんな理想的な組み合わせはないと思うのに、どーしてここまで縁がなかったのかフシギである。 が、一説によると、その7年前の研修の時、ミュンヘンのビアホールで研修だということも忘れて飲みまくり、誰よりも先にドイツ人の輪の中に加わって踊り始めていた姿を当時の課長に見られてしまっていたのが、ドイツをメーコから遠ざける原因になったらしい。 ・・・くっそ〜。

そんなワケで、今回の仕事は「苦手なもの」づくし。 それなのに、ツアーの団長さんは成田でメーコを見た途端に「トシだけはくってるな」と直感したらしく、参加者18人の目の前で「今回の添乗員さんは大ベテランですから」などと紹介してくれちゃって、メーコ、早くも大ピンチ! 最後に泊まるアムステルダムはまだいいけれど、最初に泊まるフランクフルトは通り抜けたことしかないし、その次に泊まる「ボン」なんて、宮内淳の顔しか出てこないもんね〜。(←チョット古すぎ??) でもま、「視察」のツアーだから通常の観光はほとんど無いし、視察の場所ではちゃ〜んと通訳の人がついてくれるから、後は移動の時間だけテキトーにごまかせば何とかなるでしょ。 丁度ドイツは今、ホワイトアスパラが旬だし、オランダではニシンの初漁が解禁になったばかりだから食べ物の話でつなげばいーや。 えへへへへ、ホワイトアスパラ、楽しみだな〜。

な〜んて、呑気に構えていたメーコは、ドイツに到着するなり奈落の底へ落とされた。 何と、参加者18人のうちドイツ語がペラペラなお客さんが3人。しかも、そのうち2人はドイツ駐在経験ありのバリバリの「ドイツ通」だったことが判明したのだ!! そして、その他のお客さんもほとんどが英語を理解し、メーコ同様「堪能なのは日本語」というお客さんはわずかの3人。 う〜む、ヤバイ。 これでは、移動の最中にドライバーに「あれ何?」「これ何?」って聞いていたら、メーコがドイツに弱いということがバレバレになってしまうではないか。 ・・・とは言え、聞かなければ右も左も分からんし・・・。 う〜む、困ったぞー。 
と、思っていた瞬間に、早くもピンチは訪れた。 その、「ドイツ通」のお客さんがつかつかとメーコに近寄り、「ねーねー添乗員さん、今日泊まるホテルはザクセンハウゼンのホテルでしょ?? グローセ・リッターまでは歩けるかしら??」と聞いてきたのだ。 「へ??」 何じゃい、そりゃ?? ザクロとグリースなら分かるぞ。 それに、何だってメーコも知らないホテルの場所をこの人が知ってるんじゃい?? 「上げ膳据え膳」??「ハリー・ポッター」?? いや〜ん、もう。 メーコが分かること聞いてよ〜!!

メーコの願いも虚しく、ドイツに滞在した3日の間、18人のお客さんは誰〜もメーコの「分かること」を聞いてはくれなかった・・・。 そして、フランクフルトからデュッセルドルフ、デュッセルドルフからボンへと移動するバスの中、メーコが「貝」になっていたことは言うまでもない・・・。

この日、メーコは仕事を辞める決意を固めた。 ・・・しょぼん。
つづく



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