サムディー〜いつか〜  感想集


拙著の感想を書いてくださった「メール」や
ご本人の「ブログ」に書いてくださった文章の一部を転載させていただきました。



主人公は父と二人暮し、父は教師で娘と同じ学校、
ひょんなことから娘の担任になって、という設定がおもしろいし、
主人公のしっかり者の少女と、ちょっと頼りない父親ヨサクとの関係が絶妙です。
「総合」という授業をとおして、障害者「くるみさん」と出会い、
彼女と彼女の周辺の様子がだんだん分かり、障害者の抱える現実に触れていく運びも自然です。

私は、電動の車いすやヘルパーと利用者の関係など(障害者についてはもちろんです)、
知らないことをたくさんこの作品から教わりましたが、
読者の多くもそうではないかと思います。
障害者のかかえる問題の多くが障害者だけの問題ではなく、
社会全体の問題であることも、よく分かりました。

その重い主題を、作者はごく普通の少女(けなげでちょっとお茶目でもありますが)の目を通して描きました。
明るくユーモラスな味付けにも心を配っているようです。
「ナニゲ」に読んでいくうちに(「ナニゲ」の用法は違うかもしれませんが)、
障害者やボランティアにまつわる様々なことが、
ゆっくりと読者の心にしみとおっていく、そんな感じです。
ヨサクもまりえも、それにくるみさんも、それぞれ魅力的に描かれています。

「親切な人はハンサムだ」にならって、
「心の美しい作者の描く人物は魅力的だ」というコトワザを作りたくなりました。
周りの親子も含めて、みなヒマワリのように、どんな場所にいても太陽をみようとする、
それが作品の読後感を爽やかにしています。

本のタイトルにもなった「サムデイ」など、たくさんの曲
(実在か創作、いずれとも私にはみわけがつきませんが)が登場し、
それがとてもいい雰囲気を出しています。


清水節治様からいただきました
【カメラ紀行・名作のふるさと】



作者の岡田さんとの出会いは紙芝居だ。
10年前『ともだちきねんび』の脚本家として、
私が実行委員をした「紙芝居サミット」に参加した。
『ともだちきねんび』というのは、車椅子に乗るお姉さんと少年が友だちになる物語だ。
岡田さんは「紙芝居サミット」に、たった一人電動車いすでやってきた。
私は兄が脳性麻痺者なので、岡田さんがとても身近に思え、
それ以来、彼女とは"友だち"になり、作品は全て読ませてもらっている。
ここ数年、体調の思わしくない事もあった岡田さんの新作が届くのを、とても楽しみにしてた。 
普通高校に進学した脳性麻痺の薫の青春ドラマ『薫ing』。
養護学校へ通うあきお君と近所の子どもたちを主人公にした『ぼくたちJ2スペシャル!』。
体が弱い転校生ひなこちゃんと同級生を描いた『ひなこちゃんと歩く道』。など、
どの作品も主人公はみんな「岡田なおこ」の分身ではあろうが、
今回の『サムデー』の主人公・くるみさんは、「岡田なおこ」そのものだと思った。

文を読むまで題の由来が彼女の大好きな佐野元春の歌のタイトルであることに気づかなかった。
CDをかけ、歌詞を改めて読み直し、「これが岡田さんの応援歌なんだ」と思いながら聞いた。

私はザ・イエローモンキーなどの歌、彼女の日々の様子、
俳優やテレビドラマへの批評は全て岡田さんのホームページ『なお小箱』の日記で知った。

今回の作品は 障害者に対して不思議に思うことや戸惑いを
小学生達の目を通して分かりやすく書いている。
それはまさに今、岡田さんがやっている小学校での講演や児童館での交流が作品の中に活かされている。
ヘルパーさんとのぶつかり合いも「ヘルパーに頼った『一人暮らし』は間違いだ」というトミコさんの言葉も
おそらく実体験だと思う。

車椅子の上で傾く体を立て直したりする様子が目に見えるようだ。
寄せ集めの家具に囲まれた普通のアパートに住んでいて、
カエルが苦手だったり、傘をコウモリと間違えたり
ユーモラスなところがいっぱいあって、
読者はくるみさん(=障害者)を身近に感じると思う。

まりえはくるみさんに出会ってくるみさんの明るさや希望に向かう進む姿に共感し、
知りたかった「ママのこと」が分かって成長した。

まりえの母親が体をこわしたのは自分のせいだと責めてきたくるみさんが
「はるえのおかげで、わたしは『絵本作家』になれたの。あなたのママは恩人よ。」と
言えるようになって、読者たちは胸をなで下ろしたと思う。

それにしても、8つの章の表題が全部曲のタイトルで話の中に歌詞が活かされているだなんて 
音楽好きの彼女らしい作品だと思った。

井出裕子様からいただきました 





なおこねーちゃんとネットでやり取りをし、そして、作品を拝見し……
今回の「サムディ」では特に、障害を持っている方との接し方がわかるような気がしてきました。
気がする…というのは、悲しいかな、まだなおこねーちゃんとは直接お目にかかっていないので、
果たして、本当に会ったときに、私はどんなふうになおこねーちゃんと挨拶をし、
会話が出来るのか…想像の域を超えないからですが……。

きっと、どういうふうに接していいかの距離感がわからないだけで、
お互いを知り合いたいと思っている人は障害がある人も無い人も…かなりの割合でいるのだと思います。

そういうことに「サムデイ」を読んで改めて思ったし…散りばめられた数々の音楽の中に、
なおこねーちゃんの好みだとか、聞いてる音楽の範囲の広さも感じます。

息子が、「サムデイ」を読んだ後…「B’zのオーシャン…聞いてみたいな」と言いましたよ。
素敵な作品をありがとうございます。
小学校の開放図書館に持って行って、たくさんの小学生に読んでもらおうかな…って思いました。

くーみん
様からいただきました
【くーみんのつぶやき】


岡田なおこさんとの付き合いは、もう何年になるでしょう。
なおこさんのホームページ「なお小箱」に
「アンの小箱」の素材を使ってくださったのが、
お付き合いの始まりでした。

身体障害者である岡田なおこさんの本は、
「薫ing」
「なおこになる日」
「真夏のSCENE」
「ひなこちゃんと歩く道」を、読ませてもらいましたが、
いずれも、わかりやすい言葉で、押し付けがましくなく、身障者の立場を語りかけてくれる本です。

久々に出た新刊も、ほのぼのとした笑いもあって、読み終わった後に、
とてもやさしい気持ちにさせてもらいました。
ちょっと涙も出ちゃったりして。。(T_T)

身体障害者の気持ち、
介護する人の気持ち、
すれ違いがちな親子の気持ち。
いろいろなことを、小学生にもわかるように、さりげなくつづっている本です。
                         
                                     アン様からいただきました 
「アンの小箱」


クルミさんもなおこさんですし、
そこに登場するママもなおこさんの心の中にいるもう一人のなおこさんの思い出のような感じがしました。 
ストローで飲む麦茶は、実は、焼酎ではないかと思っています。

someday→one fine day→will be good dya→best dayは、
誰でも思うことですね。

この小説は、現代の時代感覚がしっかりと捉えられていると思います。

北村晋一様からいただきました
障害を持つ子どもと大人の身体の相談・療育相談】

 


小学校の先生であるパパとの二人暮らしをしているまりえが主人公です。
ママはまりえが保育園の年中組のとき亡くなりました。
作家の岡田さんはパパとまりえが同じ学校の先生と生徒という楽しい設定をしています。
でも楽しいと思うのは読者のほうだけでまりえもパパもなかなか大変。
しかも、あろうことか、五年生になったまりえのクラスをパパが受け持つことになったのです。
勉強が出来ても出来なくても友達に何か言われるまりえ、他の生徒ならほめてやれるのに、
自分の娘であるがためにほめるのをぐっと我慢しなければならないパパ先生。

家庭では、お互い言いたいことの言える友達のような親子、
リズミカルな会話もとても心地よく読めます。
さらにサカイノビーさんの挿絵がこの本の暖かさを補強しています。
どの登場人物も実にいい顔をしています。

普段は冗談ばかり言うパパですが、
ママのことには触れようとせず、ママの写真を見るときに見せるパパの寂しい横顔。
何でもぽんぽん言うまりえですが、パパの心の中までは踏み込めません。

6年生になって総合の時間に「障害者」について勉強し、
アイマスクをして町を歩いてみたり、車いすに乗ったりして、
障害者がどんな思いで生活をしているかを考えているうちに、
誰も障害者にあったことがないことに気づきます。
そこでパパ先生は古い知り合いの童話や絵本を書いていて、
車椅子で生活している『本物の障害者』の森山くるみをクラスに連れてきました。


くるみを迎える子供たちの屈託なさ、
障害を乗り越えて、足でパソコンを使って本を書くと、
明るく応答するくるみ、なんとさわやかなやり取りでしょう。

障害者の話は沢山読んだけど、
ここまでさわやかで明るい扱い方をしているものは初めてです。
主人公のまりえは、障害を持っていても明るくひたむきに生きているくるみと出会って、
「いつかは願いがかなう。」という歌『サムデイ』を聴きます。
その歌は、くるみにとっての応援歌だけでなく、
まりえにとっても、
長いことママを胸のうちにとどめたままにして触れようとしていなかったパパにとっても
応援歌となったのでした。

児童文学は読むといつも心に響くものがあります。
児童文学書は決して子供だけのものではないと改めて気づきました。
よい作品は読者にその年齢なりのものを響かせてくれるのだと。嬉しい発見でした。

fuji様からいただきました
【セカンドリーク・のんびる】



2008年2月更新





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