春の琵琶湖疏水沿いを歩く
平安神宮の大鳥居をくぐり神宮道を南へさがると、とうとうと流れる琵琶湖疏水にぶつかる。疏水に沿って植えられた桜並木は、
今まさに満開で、所々に植えられた柳の新緑とも映えて、「柳桜をこきまぜて」という古歌の風情たっぷりの情景を現出している。
突き当たると、疏水記念館があり、ここにある大きな噴水も見事なものである。
階段を少し降りると、インクラインの砂利道につながっている。インクラインとは、琵琶湖疏水の水で発電した電気を使って、
疏水を往来する小船を鉄の台車に載せて滑車で引っ張ったもので、いまでも軌道(レール)はそのまま残されている。
このインクライン跡の砂利道は、北側からは一方的な上り坂になっており、砂利に足を取られるのと相俟って、結構大変だ。
距離にして500mくらいはあるだろうか。桜のトンネルみたいになっており、また坂を登りきったところから桜をすかして
みる京都市内の眺望が素晴らしい。
むかし、まだ京津線が地上を走っていた頃、この「蹴上」界隈は、春になると満開の桜をバックに路面電車を撮影するスポット
として有名だった。蹴上発電所と浄水場はそのままだけれども、名門「都ホテル」も経営者も名前も変わってしまった。
撮影日 平成19年4月8日
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