私立探偵 濱マイク


【放送】 NTV 7月29日 22:00放送 
【内容】 連続ドラマ「私立探偵 濱マイク」 第5話 “花”
【監督】 須永秀明(第5話) 【脚本】 宮城善彦 【原作】 林海象
【役柄】 <ゲスト出演>北村昭雄(偽濱マイク)
※オンエアーされたものを、チェキしています。(チェック:アリスさん)
<Cast>
濱マイク :永瀬正敏
濱 茜 :中島美嘉 丈治 :村上 淳
比留間ひる :井川 遥 サヨコ :松田美由紀
忠志 :松岡俊介 サキ :小泉今日子
:阿部サダヲ ノブ :中村達也
ノリコ :川村亜紀 ミント :酒井若菜
みるく :市川実和子
北村昭雄 窪塚洋介 美貴 佐藤葉月
hitomi・浜村 純・南部虎弾・鳥肌 実・南原清隆・ナンバーガール



イクの事務所へ、妹の茜がアパート代や高熱費を請求しにやってくる。が、仕事がほとんどないマイクには払う事が出来ない。仕方なくマイクはストリップ劇場で働き始めるが・・・。
そして、そんなマイクや茜を車の中からじっと見つめている謎の男が一人。

イクは近所の小学生“美貴”を気にかけるようになる。リストラにあった父と二人暮しの美貴が、自分たちの過去にダブるのか、同級生にいじめられている美貴になけなしのアルバイト代で人形を買ってやる。思いのほか喜び勇んで家へ帰る美貴だったが、そこで父親が部屋で首を吊った光景を目の当たりにしてしまう・・・。


方マイクは、商店街の福引で「大阪食いだおれツアー3名様」を引き当てたミントとノリコに誘われて、一路大阪へ。事務所へは「大阪に出張する」との置手紙を残して・・・。
その頃、通りを歩いていた茜が何者かに拉致される。また、父の自殺にショックを受けた美貴がマイクを頼って事務所へ来るが、マイクがいないので黙って立ち去ってしまう。


のころ、大阪で飲んで騒いでいるマイクたちのところへ、スナックのママ・サヨコから「美貴が死んじゃった。」という悲痛な叫びの携帯電話がかかってくる。美貴を救ってやる事が出来なくて後悔するマイクを慰めるミントだったが・・・。


面は変わって、とある倉庫内。茜が何者かに拉致され、監禁されている。


茜       ねえ、ここどこ?
        いい加減にしてよ。
偽マイク   茜ももう少しおりこうにしないと。
茜       茜、茜って呼び捨てに しないでよ。 
        あんた誰?
偽マイク   え〜? 誰ってマイクじゃん。
茜      (不審そうに)お兄ちゃん?
偽マイク   え〜!もう一回言ってごらん。


翌朝、ホテルにいるマイクのところに 携帯電話がかかってくる。
   メールには
   「早く来てね!  茜もまってるぞ! 場所はお日様が集まるところ!これ、ヒント!」
   とある。
それを読んで部屋を飛び出すマイク。


マイクが愛車を乗りつけたところは「大阪千里の万博記念公園」。
人ごみをかき分け、警察官をなぎ倒し、太陽の塔の横の扉から中に入って行く。


マイク    茜〜(と叫びながら 階段を駆け下りる)


するとそこには 両手両足を縛られ、猿ぐつわをかまされた茜の姿が。
周りは フェンスで四角く囲ってあり、天井からは無数のロープが。


マイク    茜・・・ 


本物のマイクと同じエンジの皮のコートを着た偽マイクが、階段の上から見下ろしている。


偽マイク   偽者登場〜ワォ〜!
マイク     てめぇ〜


両手をあげて あかんべぇをする偽マイクに殴りかかるマイク。
階段を駆け下りて 茜を助けようと駆け寄るが・・・


マイク    茜〜!


しかし 何かに足を取られて転びそうになる。
見ると マイクの右足にナイフが突き刺さっている。
カツラを取り、坊主頭の偽マイクが階段を下りながら・・・


偽マイク  ○○〜(聞き取れませんでした)
         やっぱ、あんた偽モンじゃん。
        注意力散漫過ぎ、そんなの全然本物じゃない。
        いやむしろ偽者以下。 カッカッカッ・・・
        NG、カット、カット、カット。

マイク    貴様〜、誰だ・・
偽マイク   濱マイク (ペイントがほどこされている後頭部が映る) 
        本物の・・・

マイク    ふざけてんじゃねぇ〜。
偽マイク   ふざけてなんかないさぁ〜。
        あんたの方が偽者。

マイク    なんだと。
偽マイク   だって、あんた何にもしてないじゃん。
        マイク、マイクって、いろんな奴に言われてるけど何にもしてないじゃん。
        マイクの名、語るから 僕後からフォローするの困っちゃったよ。
        ほんと、困っちゃったんだ。
(タバコに火をつける)
マイク    お前か〜(?)
偽マイク   消えてくれる?
マイク    貴っ様〜!(叫びながら 偽マイクに駆け寄る)


偽マイクがリモコンのスイッチを入れると、仕掛けられていたナイフが茜めがけて発射される。
身を挺してかばうマイク。


偽マイク  あ〜、ホントに単細胞。
        ありがたいくらい計画通り。
        言っとくけどね、茜も偽者だったんだよ。
        だって、あんたが本物の兄さんなら(・・・?)
        アタクシが本物なのに・・・壊れちゃってるのよ。
        壊れちゃったるから もういらな〜い(茜の頭を小突く偽マイク)



マイク     さわるな〜。


ナイフが突き刺さったままの体で 必死に起き上がろうともがきながら


マイク     壊れてるのはてめぇのほうだ。
偽マイク   あんた、何言ってるの?
        あっ、オッケー。じゃあさ、迎えに来いや〜。 
        まぁ、ちょっと痛いかもしれないけどね。



必死に立ち上がろうとするマイク


偽マイク   ホホッ〜、怖〜。出来ないくせに怖い怖い。
マイク     茜のためならな〜、こんなもん屁でもねえんだよ〜。
茜       (泣きながら)ダメ〜、来ちゃダメ。
偽マイク    ウヒャ〜、あんた本物だ、本物のバカ。


そういいながら、リモコンのスイッチを入れる偽マイク。
ナイフがまた一本、マイクの体に突き刺さる。


茜      お兄ちゃん!
マイク    茜、待ってろよ。   
偽マイク  ナンバー4、 5、 6・・・


そう叫びながら偽マイクがリモコンのスイッチを押し続けると、ナイフが次々とマイクの体に突き刺さる。悶え苦しみながらも、必死に起き上がるマイク。


茜     お兄ちゃん・・・


必死の形相で 床から起き上がり 茜を助けようとするマイク。


茜      お兄ちゃん・・・・
        やめて・・・もういい・・・・もういい・・・・
偽マイク  さよなら〜(叫びながら 再びリモコンのスイッチを押す)


茜をかばったマイクの背中にナイフが突き刺さる。


偽マイク  ねえ、ねえ、ねえ、まだまだあるの。
マイク    やれよ・・・俺をやれよ。
        でもな、茜に当ててみやがれ。お前を必ず殺す。
偽マイク  あ〜あ、つまんない。
マイク    茜はな・・・俺の大切なたった一人の家族なんだよ。
偽マイク   うぜぇんだよ。


振り向きざまに、再びリモコンのスイッチを押そうとする偽マイクが撃たれて倒れる。
3人の警察官が駆け寄ってきて、偽マイクを取り押さえようとする。

警察官   なんだこりゃあ〜
偽マイク  (警察官に引きづられながら)
        あいつがいけないんだよ。俺は本物なんだよ。 マイク〜!マイク〜!マイク〜!


マイク   (茜を縛り付けているひもをほどきながら)大丈夫か、怪我はないか?
茜      お兄ちゃん
マイク    よかった・・・よかった・・・・(そのまま気を失う)
茜       お兄ちゃん・・・お兄ちゃん〜


〜サヨコの店〜
テレビでは、レポーターによって事件の事が報じられている。偽マイクの名前は「北村昭雄」、10年前にも同じような事件を起こしていて医療少年院に入っていた事があるらしい。


〜空き地〜
廃線になった空き地のようなところを茜が歩いていると、向こうから松葉杖を付いたマイクがやって来る。


マイク   茜
茜     お兄ちゃん、もう大丈夫なの?
マイク   あ〜、こんなもん、何でもねえや。
       それより茜。
茜     何?
マイク   また何も買ってやれね。
茜     えっ?
マイク   まだ間に合うよな。誕生日おめでとう。
茜     お兄ちゃん。
マイク   毎年毎年すまねえな。
茜     もう慣れっこです。


茜に支えられながら再び歩き出すマイクの前に、突然花火の光が降りそそぐ。
マイクが、探偵代(?)の代わりに現物支給した花火だ。


茜     あ、花火だ・・・・。きれい・・・。
       お兄ちゃん。
マイク   よおし、今日はよ〜、久々にお兄ちゃんといっしょに風呂入るか?
茜     ば〜か。変態。


花火に興じるマイクの仲間達。


茜     今日は久しぶりに帰ってきなよ。
マイク   でもよ〜、おめえのちっちぇえ頃はいつもよ〜。
茜     しつこい、病人のくせに。
       もう帰って来ないでください。
マイク   そんな事、言うなよ。
茜     フフ・・・お兄ちゃん
マイク   はあ
茜     何でもない。
マイク   何だそれ。


二人の回りには、花火が滝のように降りそそいでいる。


大きな樹が一本立っている丘の上に佇むマイク。「ありがとう」と言って、マイクが買ってあげた人形を抱いて駆けて行く美貴を思い出している。現実に帰り、立ち去るマイク。その樹の根元には あの人形が置かれている。樹の幹に寄り添って永遠に眠る美貴がオーバーラップする。
・・・・



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