I・W・G・P 池袋ウエストゲートパーク 〜スープの回  〔ドラマ特別編〕




〜王様ラーメン〜


サリー服姿のキングが店の前を行き過ぎては戻り、店に入って来る。


キング  ただいま〜
      究極のだしなんて言って 結局なごや(?)ねって、だ〜れもいね〜。
      客もいね〜。 びっくりさせちゃおう。


調理台の上の骨を前に 白衣姿のキングが金づちを振り回す。


キング  あ〜い〜や〜〜!


その時「お前、誰か?」と 知らない言葉が聞こえて来る。びっくりして振り向くキング。


汁男   (お前 誰か?)
キング  お前が誰じゃ?
汁男   (すいません)
キング  あ〜あ〜あ〜〜


と、雄叫びを上げ、金づちを振り下ろそうとするキングの耳に「タカシちゃ〜ん」と救いを求めるジェシーの声が。
捕らわれているジェシーの元へ 駆けつけるキング。
ドアを開けると、・・・そこには柔道着姿のジェシーがいた。


ジェシー   タカシちゃん。
キング    誰ですか?
ジェシー   ジェ・・シー・・・


キングが、何も言わずに部屋から飛び出して行く。
椅子に縛りつけられたまま、後を追うジェシー。


 
〜雷図のコンサート会場〜


スライに捕まったマコトを探して リツコ達がやって来る。
マコトは頭に電極をまかれて 控え室に軟禁(?)されていた。
スライに協力しようとしているジェシー(雷図)を必死に説得しようとする雷図のメンバー達。スライは マコトの頭に金づちを振り下ろそうとするが、
そこへリツコ達が乗り込んで来て 間一髪マコトを助ける。
自分の追求する音のためなら人をも殺してしまうスライに、マコトは今度は逆に金づちを振り上げて、「オレの街には いらねえ人間なんて一人もいねえんだよ〜!」と叫ぶ。


会場では、待ちきれなくなった観客達が一触即発の状態になっていた。
マコトはそんなに、「人間の骨の折れる音が聞きたいのか」と言ってステージ上で自らの腕の骨を折ろうとする。
そこへキングが登場して来て。


 
キング   マ〜コちゃ〜ん(と言いながら、ステージに飛び乗る)
        ひっさしブリブリ!
マコト    タカシ・・・。
キング    はい、毎度キングラーメンなり〜。
        相変わらずだせー事、やってんな、マコちゃ〜ん。


そう言って、タッチで挨拶を交わすマコトとキング。


キング    あ〜会いたかった、会いたかった、会いたかった〜。
        (マコトと握手を交わしながら、手に金づちを持って)
         やっぱ、決めるときはブクロスタイルで決めるっしょ!
        ・・・・・とか出来ないよ。
マコト     いいから早くやれ。
キング     (小さく)はい。
         (客席の方に向かって)じゃあ、三つ数えたら、行きま〜す。
         (マコトの腕に金づちを振り下ろしながら)は〜い、イチ!


マコトの腕に金づちが命中し、鈍い音が聞こえる。
悲鳴を上げる観客達。


キング     折ったぞ〜、ピース。
         雷〜図(そう言って、ステージから飛び降り、出て行く)
マコト     (呆然とする観客達に向かって両手を広げ)ブクロ最高〜ブクロ最高〜!


湧き上がる観客達。呆然とする雷図に向かってマコトは、「最後は自分らでケリつけろ」と言って立ち去る。ステージでは雷図のメンバー達が観客達と一体となって演奏をしていた。


翌日(?) 仲間達に見送られながらブクロを去ったマコトだったが、
リツコが運転したトラックが着いたさきは 東口のバレエラーメンの前だった。
自分の腕が折れてない事に気付いた仲間達に、マコトはタカシがしてくれたからくりを教えるのだった。タカシは、マコトの骨を折る代わりに隠しいれた骨を
折っていたのだ。
 
   
   
 

(文:アリス ・2003 5
OnlyOne! yosuke fan's Web

Copyright © 2001.6 ゆま All rights reserved. *“Only One!yosuke's fan” is a private web site managed by yuma.