続編UPですっ!SOS第1弾タイトル

〜ドラマは終わってしまいましたが、
あのステキなシーンをもう一度思い出してみませんか?〜
あなたにもきっと、彼らの、そして佐伯哲也君の声が蘇ってくると思うんです。
TBS系ドラマ:野島伸司 作品 2001年冬

※セリフはビデオに撮ったものをもとにメモ、耳こぴしています。
この作品は、ビデオやDVDも発売されています。
永久保存されたい方はぜひ手に入れてくださいね。レンタルも開始されています。
見逃してしまった方は、ぜひレンタルなどもご利用下さい。(鉛筆画ゆまの広報メモ)

出演者
入江まなと(18歳)…滝沢秀明  三沢 唯(17歳)…深沢恭子
佐伯哲也(20歳)…
窪塚洋介  沢村 遥(18歳)…内山理奈
浅見真理子(28歳)…石田ゆり子  その他
製作/著作… TBS公式サイト

※ここでは佐伯哲也君登場シーンに絞っています。
放送日 タイトル 演 出
  1月12日    1.  永遠の片思い 土井 裕康 
  1月19日   2.  苺のキッス 土井 裕康
  1月26日   3.  セックスのフシギ 土井 裕康
  2月 2日   4.  好きな人は誰ですか?        松原 浩
  2月 9日   5.  彼が妹を抱いた朝 松原 浩
  2月16日   6.  雨のバレンタイン 土井 裕康
  2月23日   7. 嘘とジェラシー 土井 裕康
  3月 2日   8.  壊れていくふたり 松原 浩
  3月 9日   9.  助けてください、妹を 松原 浩
  3月15日  10. 雪の国のSOS 土井 裕康


1.永遠の片思い  トップへTOPへ


哲也 真理子を殺して、僕も死ぬために。            
真理子  どうして死ななくちゃいけないの?
哲也 報われない恋に生きてる二人だから。ジョークだよ、ごめんね。   
真理子 謝るぐらいだったら今年は卒業してくれる? 
哲也 彼を忘れてくれたら。亡くなった人をいつまでも想っても仕方ないぞ。     
真理子 私の心の中には生きてるわ。
哲也 それで淋しくないの?
真理子 そりゃあ時々は。
哲也 だから卒業しなーい。
真理子が時々でも淋しくならないように、
僕がいつまでもそばにいますからー。何年でも留年しちゃーう。       
真理子 私おばあちゃんになっちゃうよ。
哲也 いいよー。
真理子 君のことずっと愛さないかも…。それで淋しくないの?
哲也 …時々、僕の電池を充電してくれれば。


2.苺のキッス  トップへTOPへ


真理子  私が電話したの。
哲也 どうして?
真理子 淋しくなったから。彼がいなくなって3年経って…。        
あぁ…またその季節が来たって思って。
哲也 分かってるよそんなことは。その為に僕がいるんじゃない。
その為に僕が真理子のそばに…。
真理子 あなたには感謝してるわ。
哲也 だって僕は…
真理子 哀しみを埋めてくれた。
哲也 YES!だったら何で?
真理子 淋しさは埋められない。あなたじゃ…無理なの。
哲也 僕が子供だからでちゅか?
真理子 ごめんなさい。
哲也 何で今さらそんなこと言うの?今さら…どうすりゃいいんだ。


3.セックスのフシギ トップへTOPへ


哲也  まぁ悪いけど僕はそう思わない。むしろ無神経だなコイツって思う。      
唯    無神経?
哲也 自分さえ良ければいいって感情だろ?
それともよっぽど自分に自信があるのか。
自信がないから傍に居たいんだよ。
だって唯きっと自信があったら先輩がアフリカ行っちゃってても平気だもん。
哲也 じゃあやっぱ無神経なんだ。僕が今一人になりたいっすって感情が分から ない訳だから。
唯のこと嫌い?
哲也 嫌いでも好きでもない。
好きじゃなくてもいいから嫌いにならないで。
唯、きっとどっかおバカさんなのかもしれない。
先輩の言うように、無神経だったりするのかも。
あんまり一度に色々なこと考えられないんだ。
今はとにかく先輩のこと好きだから、先輩と一緒に居たいって気持ち、その気持ちが色んなこと考えさせてくれないんだよ。
…だって唯は先輩のこと好きだから。
先輩が他の人好きでも、この気持ちは無くならないもん。
哲也 どうしたら無くなってくれる?
分かんない。先輩は?もしその人が他の人好きって分かったら、自分の気持ち無くすことできる?
哲也 う〜ん、できる。
ホント?
哲也 超ウソ。
ほら、急には無理だよ。
哲也 ま〜ね。


4.好きな人は誰ですか? トップへTOPへ


哲也 変に妄想して執着する前で良かったよ。                   
まなと 執着?
哲也 うん、彼女の身体にさ。快楽とはぬくもりの副産物と考えるのが健全。



まなと 彼女には好きな人がいるみたいで。応援してくれとか言われちゃって。
哲也 辛いね。
まなと それが、そうとも言い切れないんですよね。あまりに無邪気に言うから。
なんかすがすがしいくらい。
僕に向けられるベクトルの無さを見せられると…
哲也 諦めもつく?
まなと えぇ、まあ…受験もあるし。
哲也 でもそうするとあれなのかな…彼女、沢村さん?
ちょっと浮上してきちゃったりする訳?
まなと どうして分かるんですか。
哲也 いや、そういうもんでしょ。受験と一緒で第二志望って。
まなと そういうつもりはないですよ。僕には沢村はもったいないぐらいで。


5.彼が妹を抱いた朝 トップへTOPへ


哲也    興信所に?
白井 彼女とは見合いで知り合ったわけだしね。もちろん、聖職者であるわけだから、私生活には信用してるわけだけど、一応…。
哲也 一応…
白井 まあ、気を悪くしないでほしいんだけど、彼女と君は生徒と先生だから、彼女のアパートに出入りすることは別に不思議はない。ただ…、そう、さっきも言ったように、一応、結婚前にいろいろ出てくると困るから。借金とか、男関係とか…。
哲也 何も聞いてないんですか?
ウン。それで?。僕に直接あって確かめようってことですよね。僕と先生に肉体関係はあるのかっ。
白井 ははは・・・いやぁ、そう、まっぶっちゃけた話いっちゃえばそうなんだけど、あれだけきれいな人だから、過去にはいろいろな付き合いがあったかもしれない。ただ…。教え子となると…モラルって言うかな、妻にするには最低そういう…。
哲也 ありません。
白井 えっ?
哲也 何もありません。
白井 はは・・・そうだよね。そりゃそうだ。
哲也 実は僕、体が弱くて、なかなか単位が取れないでいるんです。それで、補修っていうか、先生のアパートまで…。
白井 大丈夫?
哲也 そんな迷惑をかけている上に、こんなあらぬ疑いまで…。
白井 いやぁ、だと思ったの。ぜんぜん疑ってなんか…。
哲也 じゃっ。
白井 もうとう彼女には…。
哲也 もちろん、内緒にします。ご馳走さまでした。
白井 ありがとうね。
哲也 お幸せに。



真理子 佐伯君?まだ起きてた?
哲也 一応ね…。
あっ、写真のことなら、気を悪くしないでね。あなたの婚約者が、なんか疑ってるみたいだから、注意してってこと。…あと、それに、意外とよく撮れてるから、記念にと思って。
真理子 彼に返したわ。
哲也 じゃ、僕と会ったことも…。
真理子 私が問い詰めたの。
哲也 潔癖症だね、相変わらず。
真理子 無断で生徒と会うなんて、信じられない。
哲也 でも、怒ったら気の毒だよ。あなたを愛するあまりのフライングなんだから。
真理子 そうじゃないと思う。
哲也 どうして?
真理子 あなたもそう感じたはずよ。だから写真を私のポストに…。
哲也 違うよ〜。ホントによく撮れてたからだも〜ん。
真理子 どちらでもいいわ。もう。
哲也 まあ、そうやけにならないで。マリッジブルーってやつかな〜。
真理子 佐伯君、前あなたに言ったことを訂正する。
哲也 何?
真理子 あなたは大人だわ。私の方がずっと子ども。なのに大人ぶってバカみたい。
哲也 それが真理子のかわいらしいとこだ。
真理子 バカみたいなのが?
哲也 バカみたいなのが。
真理子 そういう言い方が憎らしいのよ。私のこと、何でも分かってるみたいな口聞いて。
哲也 何でも分かってるよ。真理子のことは。
真理子 じゃっ、今の私は何を考えている?
哲也 当ててもいいけど、なんかご褒美はあるの?
真理子 当たったらの話よ。
哲也 オーケー、いいよぉ。
まず君は婚約を解消しようと思ってる。
真理子 へえ。
哲也 口はさまないで最後まで聞いてっ。
真理子 うん。
哲也 もともとあんな奴を愛しちゃいないから。いや、正確にいうと愛そうとはしたかもしれない。反作用の法則を利用して…
反作用、すなわち本当に愛する人を忘れようとする反動。
失恋の後ツマラナイ男と結婚する女の悪しき典型だね。

同情はするよ。本当に愛する人は事故で死んでしまったんだから。
今あなたはズバリこう考えてる。
愛する人は作るものではなく作られるものだ。
故に一人でいこうと決心した。
もう誰を愛することはなくても…
真理子 ありがとう。
哲也 ご褒美?
真理子 ないわ。残念だけどはずれだから。
哲也 ずるっ。当たってても本人に言われると…。
真理子 正直に外れよ。途中までは惜しかったけど。
哲也 どこらへんまで?
真理子 本当に愛する人を忘れようとする反動、まで。
哲也 そこからが違うの?どういう風に?
真理子 愛する人は死んでしまった。
哲也 心の中に生きてるって?同じことや…。
真理子 現実に生きてるの。…・あなただから。

哲也 悪い冗談だよ。…ねぇ、ベイビー…


真理子 待って、今大事な話…それっ…あっ、叔母さん何でもないの。
え?後でまた電話するね…ウン…じゃぁ…。
哲也 なんだぁ、切っちゃったの。
真理子 もう何すんのよ。
哲也 あぁもう、こういうスリル大好きっ!声出せないのに、出ちゃうのに、やっぱ出せないっ。
真理子 変態!
哲也 どぉっちがー。
真理子 え?私はいたってノーマルです。
哲也 どうかなぁ〜。
あっ、 自分痛めつけて喜んでたマゾの方ですよね。
面倒だから、あんまり世話焼かせないでよ。
真理子 うん。
哲也 おぉ、今日はやけに素直だ。
真理子 昨日、あんなふうに電話切られたから、うちにくるとは思わなかった。
哲也 今の逆。…ちょっと取り込み中だった。
真理子 おばさんが傍にいたの?
哲也 おばさん?…いや…かりそめの天使がいた。
僕の心を癒してくれた。
真理子 …あのこ?
哲也 どの子?たくさんいてわかんな〜い。
真理子 私に会いにきた…
哲也 そう、すごくいい子。ポップだし、僕と相性もいい。
真理子 そう。
哲也 ただ…
真理子 ただ?
哲也 僕は真理子が言ったとおり、現実に生きてる人間ですから。
天使に恋はしない。


6.雨のバレンタイン トップへTOPへ


哲也  音楽室の窓から君が見えた。一番乗りじゃなくて悔しい? 
やっぱり怒ってる?海岸に置き去りにしたこと。発案者は唯だよ。君達を見ているとじれったいそうだ。まあ、楽しんでたけどほら、年上の保護者としてはちょっと心配になりましたよ。終電なくなる頃から携帯鳴らしてたんだけれども、でも、…君、電源切ってたでしょ。
やるなぁ。いざとなると、女の子の方が度胸あるよ、やっぱ。
ラブホテルって初めて入った。
哲也 いいねいいね!君の口からそんなセリフ!しびれちゃう。
カラオケとかも。
哲也 滑り台やブランコもあるとこあるよ。
でも、何もなかった。
哲也 何も?
何もってわけじゃないけど…
哲也 つまり、最後までいかなかった訳だ。
それは?どっちのせい?あぁ、君が突然怖くなって泣き出しました。
すると、まなと。挿入の前にいってしまった。…ごめん、下品だった。
それ以前の問題。
哲也 どういうこと?
つまり…
哲也 つまり?
つまり…役立たずね。
まあ、フォローするわけじゃないけど、なれてないと極度の緊張感でそういうこともあるよ、きっと。
あなたもそうだった?
哲也 僕?僕はほら、プレッシャーを楽しむタイプだから。あーでもなるほど、それで朝から走ってるわけだ。そうだよね。いろいろ考えちゃうよね。自分に魅力がないのかなとかなんとか。
でも、心配いらないよ。僕が保証します、君はとてもステキ。
ありがとう、お世辞でも。
哲也 素直なんだね、今日は。
一人で帰ってきちゃったんだ…。
哲也 彼をラブホにおいて?
まあ、気持ちはわかるかな。傷ついたんだもん。
それともちょっと違うの。
哲也 怒ったわけじゃない?
彼に、その、失望した自分がいて…。なんとなくね、彼に他に好きな人がいるのかなっとは思ってたんだけど。
哲也 え?そうなの?聞いてないけど。
でも、それとはまったく別の次元で…
哲也 土壇場の役立たずの男に失望した。
…おかしい、私。今日はなんであなたにこんなことまで。…あんまり惨めで開き直っちゃったのかな、私。
哲也 君って、ホントはすごく女の子なんだね。
言ってる意味わかる。本当は女の子のこと、メスって言いたいんでしょう。
哲也 悪い意味じゃないよ。
でも、私はそれに気が付いてぞっとしたの。
哲也 自分は愛人タイプかなって?
やだな。
哲也 でも、それで走ってたんだもんね。なんか可愛いな。
今度、僕とやってみるか。
え゛?
哲也 じょーだん。そういうわけにもいかないですもんね。
誰もいなかったら、お願いするかも。
哲也 (ぅいっす)


7.嘘とジェラシー トップへTOPへ


真理子  やっぱりあなたとは行けない。                        
哲也 学校に残るの?前も言ったけど、それなら僕また留年するから。
真理子 田舎に帰ろうと思うの。
哲也 婚約破棄したから、戻りづらいんじゃなかったの。
なんなの。またそんなふうに僕から離れて行こうとするのって。
唯のこと?
真理子 …あなたは、彼女が嫌い?
哲也 嫌いじゃないよ。
真理子 だったら、好き?
哲也 あの、何が言いたいのかわからないんですけど。
真理子 私、あの子よりあなたのことが好きなのかな。怖いくらい純粋なあの子より。
哲也 OKだんだん読めてきた。真理子はつまり、自身喪失したわけだ。唯の僕への気持ちに比べてどうなのかなって。一時は好きでもない男と結婚しようかと思ったくらいだし。ひょっとしたら唯の方が僕にふさわしいんじゃないかって?。年齢的にも、何ちゃって。
真理子 ちゃかさないて。
哲也 ちゃかす?違うよ。精一杯腹が立ってるのを押さえてるの。いい?あなたは肝心なことをすっかり忘れているようだ。
真理子 肝心なこと?
哲也 僕の気持ちさ。
真理子 だからそれは…
哲也 彼女のことが嫌い?それとも好き?冗談じゃないよ。僕はあなたを思って病人のふりまでして二年も留年したイカレ野郎だよ。自分の気持ちには誰がなんてったっていつも正直なんだよ。そんなに自信がないなら、なんべんでも繰り返してあげるよ、僕に必要なのは、世界であなただけなんだ。
真理子 佐伯君
哲也 たとえば仮に、あなたが僕のことを好きじゃないっていっても、これから好きじゃなくなったとしても、他の男と目の前でセックスするのを見たとしても…いや、それはちょっといやだけど、変わらない。
愛してる。
真理子 あなたって…
政治家にもなれるわ…



唯   唯ね、子どもの頃一番高くまでこげたんだよ。今は体重が思いから無理だけど。
哲也 そうやって皆、だまされるんだろうね。無邪気で、明るくて、純粋。
先輩?
哲也 僕も危なかったよ。
先輩?
哲也 もう僕にはかかわらないで。真理子にも。
どうして?
哲也 どうしても。
でも…唯、もうちょっと頑張ってもいいって…
哲也 うんざりなんだ!君にはもううんざりなの。
一度セックスしたからって彼女づらしないで。もうわかるだろ?あれは真理子への寂しさを生めるだけのプレイ。好きとか嫌いなんか関係なかったの。誰でもよかったの。
そして真理子は戻った。…こんなこと言いたくなかったけど…
ああ、君はもう用済みです。
いい?言っとくけど、また真理子に何かしたら、ただじゃすまないぞ。絶対に。
ったく、こんなこと言わすなよ。諦めて何気に引いてくれよ。
唯のこと嫌いになったの?
哲也 さっきも言ったろ?好きでも嫌いでもない…はじめから。
そうなんだ…


8.壊れていく二人 トップへTOPへ


哲也  ヤッパリ、タバコぺちゃんこだ。
利子は?
哲也 たった五分で?君、明るくなったね。まなととうまくいってるからでしょ。今朝もいっしょに登校してたじゃない。見てたよ。
そう、でもそういうことじゃないんだ。
哲也 ん?
私ね、もう無理はしないようにしようって。…たとえば、私は幸せを待ってるタイプだったと思うの。
でも、幸せを自分から探しにいったり、取りにいったりする人もいて、それがとてもうらやましかったのね。
哲也 なるほど。で?
だからやめたの。もう自分に合わないことは。
哲也 ふうん。
自分じゃないことをしていくと、全部がそうなって、いつか違う人みたくなっちゃいそうで。
哲也 それはいやなの?
だって、それじゃ生まれてから今までの自分が可愛そうだもん。でしょ?
哲也 YES、でもそう思ったのはどうして?
別に。
哲也 抱かれたんだ、駅前であったバイクの人。ごめん!ちょっと僕はデリカシーにかけるな。まあ、まなとにはもちろん内緒にするから。それでうまくいくならいいことだし。
望んでないよ私、入江君とうまくいくことなんか。
哲也 まあ、そういわずに。
言ったでしょ。私、もう望まないって。
哲也 でも、探しに行かないのと、望まないのは違うよ。君は待つ自分に戻るって言ってるんだ。
入江君のことはいいの。
哲也 セックスなんて深く考えることないよ。まなとだってよく知らない女にチェリーを捧げたわけだし。あれ?この話し知らなかったら…ごめん。
知ってる。
哲也 よかった…
でも、男と女は違うよ。
哲也 いまどきそうでもないんでない?
違う。
哲也 やっぱり君って…
古いって言いたい?でも、それが私なの。
哲也 そうか。



遥   分かってるそんなこと。ただ、あなたが知らないのがいやだったの。私も、唯ちゃんはもっと楽天的だと思ってたんだけど、当事者のあなたもそう思ってたのがいやだったの。
…ぜんぜん苦しまないのは許せない。
哲也 罪悪感はあるよ。他の男に抱かれた君も、まなとにあるように。
でもね、そんなこと言ってたら、一生恋は出来ない。
悪いけどかえるよ。スカパー見たい。ごゆっくりっ!


9.助けてください、妹を  トップへTOPへ


哲也  そう言えば忘れてた。
真理子 何?
哲也 恋人同士が仲むつまじく夕飯を食べている。いきなり男がちょっと照れくさそうに小さな箱を取り出した。わかるでしょ?少なくとも検便の容器じゃない。あ。失礼、食事中。
開けてみてよ。
真理子 もらえないわ。
哲也 そう言うと思った。祖父の遺産か仕送りで買ったのはいやがるかなって。ところはこいつは僕のなけなしの貯金をはたいて買ったものなのだ。小さい頃からのお年玉とか、使わなかったお小遣いの積み重ねとか。もちろん、厳密にいうと僕が汗水垂らしたとは言いがたいでちゅけど。
真理子 ありがとう。
哲也 たいした値段じゃないけど、おもちゃじゃないよ。
真理子 気持ちだけ。
哲也 え?
真理子 ごめん。
哲也 どういうんだろうな…そういうのって。じらすにも限度があると思うんですけど。
真理子 そういうふうにとったんだったら、あやまるわ。
哲也 じゃーどうとればいいの?
真理子 そのまま。
哲也 そのまま?
真理子 あなたと結婚する気はないの。
哲也 ジャスト・モーメント・プリーズ!
真理子 YES.
哲也 僕は君が好き。ここまではいいね?
真理子 もちろん好きよ。
哲也 そして、君は独身主義者ではない。蒸し返して悪いけど、愛がなくても見合いの男としようとしたくらいだ。
真理子 そうね。
哲也 これは1+1の足し算です。幼稚園児でもわかる、ね?好きな僕と結婚する。ビンゴ。
OK、高等数学に移行しよう。ここに僕がまだ若くて学生だと言う時間軸が発生する。ここに古文や日本史も入れてみよう。あなたが教師で年上だと言うくだらないモラル感も。
真理子 あなたと結婚はしない。
哲也 理由は?まさか唯のこと。
真理子 全然関係ない。
哲也 だよね。まだそんなこと言ってたらあなたを嫌いになる。
真理子 理由はすごくシンプルなの。
哲也 ぜひ聞きたいねっ!僕が発狂する前に!
真理子 あなたを愛してるから。
哲也 (ぁああああーーーーーっ。)
こんなことなら飴やガムをたくさん買うんだった。



哲也   真理子の話はもういいよ。                         
何かあったの?
哲也 いや、君やまなとと一緒。なかなか本心を出さないからイライラする。
それって…
哲也 百円のガチャガチャ。よかったらどうぞっ。
いらない。
哲也 そっ?おまえはホントに人気がないな。
ねえ。
哲也 え?
ご両親海外なんでしょ?
哲也 うん。
家ではいつも一人なの?
哲也 どうしたの急に。母性本能くすぐられてるの?
友達は?
哲也 え?
考えてみれば、学校では年も違うのもあるけど、いつも一人でいるみたいだから。
哲也 何がいいたいの。
ホントは意外と怖がりなんじゃないかなって。私や入江君よりむしろずっと。だから、いつも軽くジョークみたいにしてごまかしてる。…
すごく寂しいのに、笑って。
本心を言わないのは、あなたの方じゃないの?
哲也 そうなんだよ。君の言うとおりなんだよ。僕は誰よりも孤独で、寂しい人間なんだ。誰かが離れていくのが怖い。それならば最初から愛さなければいい。僕は、嘘の世界で生きているんだ。
佐伯く・・・
哲也 なんちゃって、ラララララ、僕、舞台役者にもなれるかな。
ちょっと!まだ全部食べてないよママ!


哲也    単純な話だよ。君がいちごを先に食べればいい。                         

哲也   そこからじゃ見えないだろ。…君の王子さまは…            
AHA〜?


10.雪の国のS.O.S トップへTOPへ


遥   私、あれからいろいろ考えたんですけど。ヤッパリどう考えても納得いかなくて。
大人になるとそう言うこともあるのカナって思うと、不安にもなって。
真理子 不安?
ただ好きなだけじゃだめなのかなって。
真理子 そのほうがいいの絶対。私もそうだと疑いもしなかった。
だったらどうして…
真理子 変わっちゃったんだろうね。…自分の人生が彼に縛られちゃう。私は、彼に染まって生きちゃう…
それって不幸なことですか?
真理子 …だってそれじゃ私の今までが可愛そうでしょ?
…ううん、違うね、ごめんね。きっとそういうことではなくて。
多分、何かの罰なのかも。
罰?
真理子 親のこととか、将来のこととか、いつからか、二人に関係ないこと頭の中に持ち出した時から、それなら一番好きな人はあげないっていう、神様の罰。
それじゃ…
真理子 お見合いした人と一度婚約までいったの。
それは…
真理子 妊娠してるの。
え?
まさかその人の…
じゃ、その人と?
真理子 それが私の罰…



哲也   僕たちは、愛するために生まれました。…僕たちは、愛するために生まれました。

僕たちは苦しむために生まれたわけじゃありません。無責任な大人が作った二十一世紀は、矛盾や欺瞞に満ちていたが、僕たちは苦しむために生まれたわけじゃありません。

時々心無い人に出会うと、後ろから殴りたい衝動に駆られますが、僕たちは傷付けるためにうまれたわけじゃありません。時々心無い人に出会うと、不安になり、息苦しくなりますが、僕たちは傷つけられるためにうまれたわけじゃありません。

僕たちは、時々もう一人の自分を作り上げます。それは、苦しみや悲しみから逃れるためかもしれません。他人から見れば逃避かもしれません。家の中に引きこもり、あるいは違う場所に逃げたくなるんです。もう一人の自分という友だちと話し合うために。

だから、いかなる人も孤独になることはありません。全ての人に必ず、もう一人の自分という友だちがいます。その友だちを、僕たちは、悪い奴だと思うときがあります。臆病で、残酷だったりする奴だと。でも、真実は違う。臆病で残酷だったりするのは、友だちではなく本当の自分です。なぜなら、友だちは、本当の自分を救うために存在するからです。

だからこそ、このすばらしい友だちと僕達は別れなければいけません。そうしないと、僕達はいつまでももう一人の自分に甘えてばかりいるからです。

さて…それはいつなんでしょう。
愛する人と巡り合った時です。寂しさも悲しみも苦しみも、もう一人の自分に代わって、愛する人が共有してくれるからです。

さあ、愛する人を探しに行こう。僕達は、愛する人の前で1日のことを話し、笑い、泣いて、抱きし締め合い、キスして、セックスする。そして勇気をもらい、同時に与える。

…僕達は、ただ愛するためだけに生まれました。ただ、僕達は…・

…卒業生代表 佐伯哲也


哲也  まじですか…             
全校生徒の前で、プロポーズしたのにな…

佐伯君
哲也   …勘弁してくれよ。こんなのってあるか。まなとも唯も、僕に初めて出来た大事な友だちなんだ。どうして僕の周りからは人が去ろうとするんだよ。
そんなこといっちゃダメよ。まだ諦めたりしちゃ。
哲也 真理子もいなくなった。君から電話をもらう前に、アパートへ行ったんだ。驚いたよ。もうすっからかんのもぬけの殻だ。置手紙のひとつもありゃしなかった。田舎に帰ったのか、他の場所なのか、どの道探すつもりはないけど。
それがいいわ。先生はあなたにもう会いたくないと思うから。
哲也 君何か知ってるの?男?また僕の知らないところで見合いでもしてたんだ。…いや、そうじゃないね。
罰だと思うって…
哲也 罰?
二人に関係ないことを考えた罰…周りの風景ばかり見ていたら、いつのまにかはぐれてしまうような…
哲也 君、真理子の考えてたこと、わかるの?
私、大人になるのが怖い。
昔からいいうね、一番好きな人とは結婚できないって…。疲れちゃうのかな。だから別の人と安らぎたいとかって。そして、時々その人を思い出す。死ぬときもそうかもしれない。
哲也 大人になるって、そういうことなのかもしれないね。恋愛だけが全てじゃないって。
私はいやだ。どんなに苦しくても、辛くても、一生に一度の人とずっと生きたいよ。生きたいよ。
だって、わたし達はただ愛するためだけに生まれてきたんでしょ?
哲也 あれは…
ジョークなの?
哲也 いや、僕には珍しくおおまじめ。


哲也   僕らも病院。                                   
うん。
哲也 よかった。これで僕も来週にはニューヨークにたてる。
来週?
哲也 ああ、君の怒った顔見れないのはちょっと寂しいですけど。
私も、あなたの憎まれ口聞けなくなるのは少し寂しいけど。
哲也 あれれれ、もしかして…
(遥〜、恋の病か君も〜、   )
※最後のセリフ「死刑」か「失敬」か?どっちでしょう?
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