*転載厳禁*
*初回版パッケージです*
魂響(たまゆら) 〜御霊送りの詩〜
 ジャンル : 恋愛アドベンチャー
 メーカー : イエティ
 対応機種 : プレイステーション2
 発売日 : 2006/06/29
価格  初回版 : 7,560 円 (税込)
 通常版 : 6,426 円 (税込)
備 考

 CERO C (15才以上対象)

 初回版同梱物
 スペシャルアンソロジーブック




Story

舞台は現代日本。
夜に紛れて怨霊や妖怪が徘徊し、
それを駆除するために暗躍する霊能力者の物語。

特殊な道具を使って様々な魔法を起こす霊能力者
”霊狩人(たまかりうど)”の家系に生まれた主人公・秋月冬馬は、
しっかりとした義妹「かすみ」と、
甘えん坊の実妹「那美」の兄妹三人で、忙しない日々を送っていた。
ある日、「鬼」という種の妖魔の除霊を依頼された
冬馬たちは、いつものように月夜の狩に出る。

そうして始まる激闘。

対峙してはじめてわかる危険すぎる敵。
冬馬とかすみが傷を負い、那美だけが家族を守るために敵に挑む。
逃げることも倒すことも叶わない中、
那美を助けるために放ったかすみの起死回生の一撃は
逆に那美の動きを止めてしまい、

鬼の剣は、無慈悲に那美の胸を貫いた





PCソフトメーカー”あかべぇそふとつぅ”が、2005年5月に
発売した同名作品の移植作。移植に際し、シナリオ一新・CG大幅追加
新OPソングの採用など、多岐に渡り強化を図っている。
移植担当は”イエティ”。果たしてその出来ばえは如何に??





【 プレイしてみての感想 】

骨肉の争い(誰と?)

主人公である”秋月 冬馬(あきづき とうま)”は、
東真大学に通う学生であり、義妹の”かすみ”と実妹の”那美”と共に、
”表向き”ごく普通の生活を送っていた。
彼らには裏の顔があった。それは”魂狩人(たまかりうど)”としての顔。
先祖代々退魔を行う希代の退魔家”秋月”として、
闇に潜み、人に害をなす妖魔を討つ事を生業としてきた秋月家。

秋月家は数ある魂狩人を生業とする者たちの中でも
特に名を馳せた名門である。彼ら魂狩人たちは”龍駆石(りょうくせき)”と
呼ばれる、魂狩人が霊力を媒介にして
具現化させる武器を駆使して、古くから妖魔を討ち続けてきた。
その暗闘は今尚果てる事無く続いていた。

名門秋月の当主は”かすみ”が勤めていた。
本来長男である冬馬が当主を務めるべき家業であるが、
霊力の低い冬馬は実力不足とされ、3人の中で一番霊力が高く、
実力的にも申し分ない”かすみ”が当主を務め、
3人は夜な夜な闇夜に紛れる妖魔を討ち続けていた。
もっとも、一番霊力の弱い冬馬は主に留守番が多く、もっぱら”かすみ”と
”那美”の2人が行っていたのだが(笑)

そんなある日、何かしらの霊的能力を持つ者たちが
何者かに惨殺される事件が立て続けに起こった。命からがら生還した者の
証言によると、犯人は妖魔の中でも別格とされる
突出した力を持つ”鬼”の仕業であり、秋月家も正式に
鬼討ちの依頼を受け討伐に向かうものの、あと一息のところで取り逃してしまう。
(とは言っても、冬馬が独断で動いた結果の戦いではあったが)

翌日、再び挑んだ鬼との戦い。秋月の名にかけて、
冬馬・かすみ・那美の3人での総力戦を行うものの、更に霊能力者を殺し、
力を得た鬼の強大な力になす術もない3人。
戦力の柱であるかすみは戦闘不能に追い込まれ、冬馬の攻撃も通用しない。
那美は家族を守るために無謀な戦いを仕掛ける。
かすみは最後の力を振り絞り、鬼に一撃を見舞うものの、それは結果的に
鬼の那美への攻撃の手助けとなってしまう。
そして那美は鬼の持つ剣に胸を貫かれてしまう・・・というプロローグ。

鬼との激闘、絶望的なまでの戦力の差、そして那美の死。
衝撃的な出来事に意識が遠のく冬馬。そして気づいた時には、冬馬自身が
鬼を倒していた。自分でもどうやって倒したのか解らない。
しかしその手には、今まで具現化する事が出来なかった冬馬自身の龍駆石の
武器、”古拙針槍(ディアボルグ)”が握り締められていた。
そして、那美の死から一年の月日が流れた・・・。
物語は秋月としての血に縛られし主人公・冬馬を軸に、
彼を取り巻く人たちに重く圧し掛かる運命を描いていく事になります。


プレイしてみての感想ですが、個人的には惹き込まれる作品でした。

物語的には妖魔や神話などをベースにした異世界的なものを
前面に出した伝奇色の強い物語に仕上がっており、恋愛モノというよりも、
純粋に物語を重視した真っ当なADVとしての色が強く、
若干後半部分に間延びした部分を感じるものの、物語的には最初から
最後まで上手くまとめ上げた内容に仕上がっており、
思っていたよりも中弛みを感じる事無く、
物語を締めている部分は好感を持ちました。

特に物語的に肝となる部分、各人の心理的な
描写部分も上手くまとめ上げており、詳しい内容は控えたいと思いますが、
その妄愛的なまでの心理描写は、ある意味背筋が
寒くなるほどのインパクトを叩きつけてくれますし、物語的なシチュエーションとして
この部分を効果的に描いており、確かにヒロインにより
待遇の差はあるものの、身内のあらゆる意味での骨肉の争いは、この作品の
世界観を活かしつつ、見事に表現していると思います。
悪く言えば、前述したシチュエーションの部分のみが突出しており、
その他のシチュエーションが食われてますけどね(笑)


個人的にはこの作品の原作となるPC版をプレイした事は
ないのですが、実はこのPS2版は移植の際に物語をいちから書き下ろしたそうで、
PC版の選択肢というのはひとつも存在しません。
よってPC版の攻略法は全然役に立ちません。個人的にはこの手の作品を
プレイする際には時間節約の意味もあり、
よく攻略サイト様の記事を参考にさせてもらう事が多いのですが、
まさか選択肢のひとつめから全然違い、
結局最後の最後まで同じ選択肢は出てこない部分に思わず呆然(笑)

まぁ物語の幹となる部分はPC版と変わらないと思いますが、
PC版と比較した場合の結末数の増加や、イベントCG数の増加、選択肢の
作り直し等の意気込みは相当なものであり、
PC版をプレイしてない人間が言うのもなんですが、PS2版の内容を見る限り、
この部分は見事にプラスに働いていると思いますね。
ある意味作品のキモのひとつとなる戦闘描写のシーンなども、高揚感を煽る
音楽や魅せ方の妙味が上手く噛み合っており、
なかなか良かったと思うのですが、いかんせんCGの枚数が少なく、
すぐに飽きてしまうのは勿体無い。というか、
演出に太刀筋の表現が多く、次第にダレてしまうんですね(笑)
この部分のCGはもっと欲しかったな・・・と思いますね。

  
こういう表現は良い感じ

選択肢自体は誰を優先しているのか解り易く
なっていますし、ちゃんと最初から意中のヒロイン寄りの
選択肢を選んでおけば大丈夫だとは思いますが、中にはどっちつかずの
結果が招く結末もありますし、結末によっては
未確認ではありますが、どれかの結末を見ていないと到達できない
結末などもあるかもしれませんので、注意は必要ですね。
もっとも、EDリストがある訳ではないので、個人的にも到達していないEDが
あるかもしれませんしね。いや、どうしてもCG1枚取れないのよ(笑)

そういう意味において、決して全てにおいて惹きつけられる
作品ではありませんが、個人的には結構好みの作品内容でありましたね。





【 キャラ 】

日陰者の双子の妹&オカマの妹

原画は
”有葉”氏。極々標準的。
個々のヒロインの描き分けも上手いですし、萌え的な部分も
悪くはないですが、突出した部分がないのもまた事実。
それ故に多くの作品に埋もれてしまって目立たない部分もある様な気がします。
口の悪い言い方をすれば地味ですね。俺的には問題ないですが(笑)

さて、実は今回、物語の展開上、どの様にヒロインを
紹介するのが良いか迷っているのですが、一応無難に”主要な登場人物紹介”という
スタイルでいこうと思います。あえて誰が攻略出来るか言わないよ(笑)



秋月 かすみ(あきづき かすみ)
冬馬の義妹。幼い頃に両親を亡くし秋月家に引き取られる。
その類稀な霊力の高さ、冷静な分析力から現在秋月家の当主を務める。
非常にクールな性格、時に冷徹とも取れる行動から
冷たい印象を受けるが、意外とお茶目であり、からかわれたりすると秘めた
可愛らしさを暴露する。もっともその後が怖いが(笑)
龍駆石は自分の身の丈を越す赤い大刀、”重鋏刀(リッパー)”。



秋月 那美(あきづき なみ)*右側*
冬馬の実妹。幼い頃に両親を亡くしているが、やはり同じく
親を亡くし、家にやってきた”かすみ”と冬馬の3人、本当の兄妹の様に育ってきた。
かすみと対極の様な明るく元気で悪戯好きの性格。
早くに両親を亡くしたせいか、兄である冬馬に甘える事が多い。
その甘えぶりはかなり過剰!?
秋月の人間として冬馬・かすみと共に日々妖魔を狩っていたが、
鬼との戦闘で胸を貫かれ亡くなっている。
龍駆石は縦横無尽に駆ける蒼い糸”支配者(シーカー)”。



九重 真咲(ここのえ まさき)
秋月と同じ魂狩人である”九重家”の娘であり、真散の双子の姉。
非常に落ち着いた”お姉さん”的性格であり、
みんなをまとめる役をする事が多いが、意外とノリが良く
お茶目な一面をみせ、冬馬などは何かとからかわれる事が多い。
ヘンに洒落にならない毒を吐き、場を凍らせる事も(笑)
龍駆石は水を自在に操る剣、”双炬剣(ふたごけん)ギルティ”。



九重 真散(ここのえ まちる)
真咲と同じく九重家の娘で、真咲の双子の妹。
姉とは正反対の明るく天然系の性格であり、その無防備さはある意味最強(笑)
冬馬の事が好き。周りの人間にはバレバレなのだが、
本人はバレていないと思っているらしく、その事を突付かれると
慌て否定するものの、持ち前の天然さで自爆する(笑)
龍駆石は風を自在に操る剣、”双炬剣(ふたごけん)イノセンス”。
因みにこのイノセンスはメンバー中最強の破壊力を誇る。



逢坂 藍(あいさか あい)
冬馬の行きつけの喫茶店アイアイ(藍の兄(オカマ)が経営者)のウエイトレス。
冬馬とは幼い頃からの知り合いのいわゆる”幼なじみ”だが、
顔を合わせれば必ず痴話喧嘩に発展する間柄。
気の強い我侭娘であり、まずはなんでも試してみる行動派。
主人公曰く、”童顔貧乳幼児体型で眼鏡を掛けたくそ生意気なチビガキ”(笑)
霊力は微弱で龍駆石は所持していないが、唇を接点に
傷を治してしまう不思議な能力を持っている。

誰が攻略対象かは公然の秘密という事で・・・バレバレか(笑)


さて、各ヒロインの物語をプレイしてみての感想ですが、
扱いの落差はあるものの、とりあえず個々のヒロインの魅力を十分
引き出したものになっていると思います。
まぁラストの方で突拍子もなく真実が展開するものもありますが(笑)

実際には前述したとおり、ヒロインとの恋愛的な物語としての
印象は薄い作品なのですが、ヒロイン個々の物語として見た場合には
上手く表現したものも多く、そこから派生する別の
結末に関しても、ソツなくまとめていると思います。ただし、繰り返しになりますが、
ヒロインによっての扱いの落差みたいなものは強く、
ある意味では”2人とその他”みたいな部分があるのは否めません。
中には引き立て役みたいな人もいますしね(笑)
まぁ物語全体で見てみれば、誰がメインになるのかは解りきったものなのですが、
その割には扱いが軽めのヒロインでも物語的に
結構引っ張って気を持たせた割には、あっさりと結末を迎えてしまう
もったいぶり感は、ちょっと間延び感を助長してますしね(笑)


さて今回のお気に入りですが、
”真散”にメロメロ。
あの天然さと好き好きオーラ垂れ流し、童顔にして巨乳な部分にドキドキです♪
目立つヒロインの影にひっそりと隠れる
”日陰者”的ヒロインとしてのポジショニングを見事に貫いています(笑)
個人的には、こんな天然娘に卑猥な言葉や妄想を
抱かせる様に誘導しつつ、”え?なに?そんな事一言も言ってないよ。
真散エッチだな〜”とか言って真っ赤になった彼女みて
ほくそ笑みたいものです←最低

まぁ同じく日陰者に近い地位に甘んじている
”藍”に関しても炉理魂(ろりこん)魂が吼えるのですが(爆)

え?なによユーレイ?











人間妄想したモン勝ちなんだよ!イメージファイトだよ!←意味不明
ボクラハエロデツヨクナルだよ!←処置なし

でもプレイしててふと出てきたこの文章














何故か見た瞬間、即座に”俺の事か”と思えたよ(笑)
二次元最高!←治療法なし





【 システム&音楽 】

基本的には物語の途中で出てくる選択肢を選ぶ事で、
物語が変化するオーソドックススタイルのADVです。選択肢の数は少なめで、
前半部分に集中している感じですね。一応今回の移植に際し
選択肢を総入れ替えしたのは前述したとおりであり、ぶっちゃけPC版の攻略は
一切役に立ちませんので注意が必要です。PC版をプレイした事が
ある訳ではないので何とも言えない部分がありますが、
ED数は結構増えていると思いますし、バッドEDなども結構ありますしね。

あと今回の移植の際に、戦闘部分にリアルタイムバトルを
採用した部分があるのですが、これなども唐突に物語の中に組み込まれた
不自然さがあり、内容的な部分のバリエーションの少なさと
相まって、口が悪い言い方となりますが、存在意義は殆ど皆無であります。
まぁこれが効果的に使えたルートも確かに存在しますが、
もう一捻り欲しかったのが正直なところですね。
個人的にはひとつの選択肢で全て決定してしまうのではなく、例えば
”ナイフを投げる”→”胴体”→”投げるタイミング”
といった様な、段階的な選択肢だと、尚楽しめたのではないかな?と思いますね。

  

基本的なシステムの部分に関しては言う事なし。
まぁイエティと言いますと、個人的にはどうしても処女作となった
『Dear My Friend 〜Love like powdery snow〜』の
素敵なシステムが思い出されてしまうのですが、イエティの2作目である
『こんねこ 〜keep a memory green〜』以降劇的に
改善されていますので、そのへんは安心してお買い求めください(笑)
まぁ2作目からは開発”レジスタ”ですしね。安心(笑)

しかしまぁ・・・1作目のシステムが未だに記憶に
残るというのも、ある意味凄いよね。メーカーは下手な汚点残せないね(笑)



音楽の方は、極々標準的。全体的にこの作品の
世界観を上手く捉えた感じの、なんて言うんですかね?少し暗い感じの
曲が目立つのですが、実際にはいろんなテンポの曲が
バランス良く揃っており、悪くはありません。個人的には特に戦闘シーンなどで
多用された、高揚感を煽るようなテンポの良いBGMは
結構お気に入りであり、このBGMのためにサントラ買っても良いかな?と(笑)
”無責追動物””眩る””Don't hesitate”
”意馬心猿””Vanity fugue”
あたりがお気に入り。

ボーカル曲はOP&挿入歌&EDの計3曲。OPはPS2オリジナルです。
今回新規に製作されたOP曲はテンポも良く、どことなくアニメ的な匂いを感じる
ベタさみたいなものがあるのですが、ノリの良さなどは
個人的にはPC版のOP曲よりも好みですね。対してED曲は民謡的、民族的な
独特の世界観を感じさせる、若干クセの強いものに
仕上がっているのですが、この作品に非常にマッチした曲であると思います。
挿入歌として聞いた時には、結構クルものがありましたしね。
まぁぶっちゃけ、どの曲もインパクト面が少し弱いですけどね(笑)

OP曲
”天武の舞、暁の門”で、歌手”KAORI”
挿入歌
”魂響”で、歌手”片霧 烈火”
挿入歌&ED曲
”心ノ在リ処”で、歌手”片霧 烈火”ね。

因みに”魂響”はPC版のOP曲であり、PS2版では挿入歌で使用されています。





【 総 評 】

物語重視”気味”の作品としてお勧めしたいと思います
これが俺的最終結論ということで。

まぁぶっちゃけた話をすれば、物語的には典型的な
伝奇ものであり、その出来も正直突出した部分がありません。しかし登場する
人物を軸に上手く物語をまとめており、序盤から中盤、
そして物語を収束させるクライマックス部分までの物語の組み上げ方というのは
悪くないと思います。まぁ少し突飛な展開に行ってしまう
ルートもある訳ですが、そのへんはED数増加でカバーですかね(笑)

口の悪い言い方をすれば、ヒロインとの
恋愛重視か?と言えばそうでもないし、物語が非常に魅せ場に
溢れているか?と言えば、やはりそうでもない。
確かにインパクトを含む展開もありましたがそれも予想の範囲内であり、
”劇的”ではありませんしね(笑)
そういう意味では実に中途半端な位置にある作品であり、
どちら寄りのユーザーであろうとも、満足のいく作品ではないと思います。
でも、だから駄目!という出来でもない(笑)
結局はその世界観を好む事が出来るか?という事になるのですが、
個人的には地味なれど楽しめた作品でありましたよ。
とりあえずお勧めです(笑)


さぁ君も彼女の妄愛に身を焦がせ(笑)



(C) あかべぇそふとつぅ / イエティ / REGISTA
もどりま〜す!