Tornade



                   2012, 244x340mm

 2012年は、干支で言うと辰年だから、何か竜にちなむ絵を描いてみたかった。と

は言え、結局、新年には間に合わず、最初の出展が7月末、GALLERY ART

POINTのLarotica 2012となった。


 竜とは言っても、ただ干支にちなむだけじゃなく、3.11の次の年で、原発の問題

は何も解決された訳ではないし、何か3.11にちなむ絵にしたかった。それで、赤い

牡丹は原発の炎のつもりで、地の精である竜も、危険なウランより、太陽のエネルギ

ーを望む、そんな絵にした。


 タイトルも、かなり昔の作品でDragonと言うタイトルの作品は既にあるし、被曝を表

現した「Atomic Dragon」とか、YMOの曲から「Rydeen(雷電)」とか、いろいろ考えた。

結局、あまり凝り過ぎてもと思い、単純に「Tornade(竜巻)」とした。この竜のデザイ

ンは日本の浮世絵から取ったのではあるが、あまり日本的過ぎるのも自分らしくな

いので、アメリカン・タトゥー風にカラフルにしたら、何だか、竜巻を起こしながら飛ぶ

竜に見えて来たからだ。


 そうしてがんばって描いたのではあるけど、実はこれ、あまり気に入っていない。描

かれた男性は、いつもより男っぽい感じにしたかったのだが、今一つ中途半端な感

じがする。本当は、和彫りの刺青に褌が良く似合うような、うんと男っぽい日本の男

性を描く事に憧れるのだが、どうも私には向いていないらしい。