In Summertime


初めてHIV抗体検査を受けた時 それは夏だった

天気の良くない日が続いていた ジメジメと蒸し暑い日々だった

結果は「陰性(非感染)」と知らされた

それは自分にとって 何だか奇妙な感じがした

曇り空の下を 長い間歩いていた

家に戻ってシャワーを浴びた時 腕がヒリヒリと痛んだのを覚えている

太陽の光も見えない 曇りの日なのに

腕が灼けるほど 長い時間歩いていたのだった

嬉しいと言うより とても奇妙な感じがした

負わねばならない荷物を 急に背中から外されたような感覚だった

何故、自分は?と思った

自分がここに こうしているのは どんな意味があるんだろうと思った

今も 同じ思いで歩いているのかもしれない

自分と同じような誰かに会うために 歩いているのかもしれない

これまでの自分とは変わった時 それは夏だった

天気の良くない日が続いていた ジメジメと蒸し暑い日々だった

そして その雲の奥で 太陽が輝いていた