FEAST
―ですから、あなたがたは、
このパンを食べ、この杯を飲むたびに、
主が来られるまで、
主の死を告げ知らせるのです。―
聖餐式の度に読み上げられる パウロの手紙の一節
長い年月の間 幾度と無く繰り返される儀式
それは 果てしない希望を繋ぐ徴なのか
この生を超えた 何ものかがあると言う事か
疲れ果てていても 身体が欲望を感じる時がある
マスターベーションの後 少し頭痛がした
カーテンの間から 外の光が漏れている
夕暮れ近くになり 薄青い色に染まっている
愛おしいような また 嫌悪を覚えるような感覚で
手に付いた 精液の匂いを嗅いでみる
舌を伸ばし ほんの少しだけそれを味わう
欲望と言う存在も 1つの祝宴には違いない
テーブルに蝋燭の灯る店で ジンジャーエールを飲む
周囲は 同性に対する想いを語る人々で満ちている
その声は 痛みなど知らないかのように響く
僕だけが 一人でこのノートに向き合っている
主よ 我々は 果てしない希望に飽いている
果てしない痛みにも飽いている
欲望が 確かに1つの祝宴である限り
我々は それを受け取り そして味わう