PC18禁 と〜

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○ 「to…」
○ 「闘神都市III」
○ 「ToHeart」
○ 「ToHeart2 XRATED」
○ 「塔ノ沢魔術研究会」
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○ 「とびでばいん」
○ 「友達以上恋人未満」
○ 「とらぶる@ヴァンパイア! 〜あの娘は俺のご主人さま〜」
○ 「ドリル少女 スパイラル・なみ」
○ 「トロピカルKISS」



「to…」

(ブランド) あんく
(ジャンル) 夏の海恋愛ADV
(発売日) 2003年10月31日
(スタッフ) OP歌=榊原ゆい。ED歌=安藤夏。原画=榊MAKI。シナリオ=武田勝信、烏童マリヤ、河東アングル。音楽=あるるかん(drops tone)、古口眞弓。
(声優) 榊原ゆい(雛野まよ)、一色ヒカル(田中涼子)、桜川美央、歌織、長崎みなみ。
(システム) 対応OS=Windows98/2000/Me/XP。ディスクレスプレイ不可。目パチあり。マウスホイール対応。マップ画面でのセーブ付加。CD-ROM2枚組。
(ランク) Cクラス
(付記) SEの出来はなかなかのもの。目パチありで、イベントCGでもする。そのイベントCGは良いタイミングで出てくれて、美麗かつ差分も多い。OPムービーがやたらと粗いのが気になったのが残念。テキスト読みはマウスホイール対応で既読スキップも速くて快適。が、マップ画面でセーブが出来ないのはかなりのストレスだった。
 美点が多い作品なのだが、印象に残らないキャラ&ストーリーのお陰であまりにも凡作になってしまった。タイトルの意味も分からずじまい。純愛にもほどがあり、エロゲーとしては失格だ。選択肢が少なく、ゲームとしても駄作。ダウンロード販売、DVD-PG版あり。ブランドはすでに解散している。



「闘神都市III」

(ブランド) アリスソフト
(ジャンル) ファンタジーRPG
(発売日) 2008年11月28日
(スタッフ) 原画=MIN-NARAKEN、むつみまさと、織音。シナリオ=ふみゃ、イマーム。音楽=Shade。主題歌=片霧烈火。
(声優) 彩世ゆう、楠鈴音、ヒマリ、榊原ゆい、上田朱音、青葉りんご、成瀬未亜、桃井いちご(大久保藍子)、和葉、倉田まりや、カンザキカナリ、水純なな歩(中家菜穂)、桜川未央(小林眞紀)、香澄りょう、東かりん、咲ゆたか(坂田有希)、KOHIRO、草柳順子、奥山歩、いちごみるく(白石稔)、跳馬永遠、検見川浜男、一ツ橋快音、ルネッサンス山田(前田剛)、朧、犀乃丞魂ノ介、馬並硬太、永倉仁八、妹尾雄大。
(システム) 対応OS=WindowsXP/Vista。画面解像度=800×600。マウスホイールテキスト読み対応。ディスクレスプレイ対応。バックグラウンド動作可能。定価=8925円。
(ランク) Bクラス
(付記) なんと14年ぶりのシリーズ新作。発売前から過剰な期待が集まり過ぎ、それゆえに「期待外れ」と言う意見が続出した。が、「アリスならもっとできたはず」や懐古趣味ファンの過去作美化などの論調が多く、特に思い入れのない人や新規のファンにとっては実にどうでもいい批判である。購入を迷っている人は、ゲームついての純粋な評価をこそ拾うべきだ。
 レベル神でのクミコの登場、名前だけではあるがランスやレオやタイガージョーの参戦を始め、従来のアリスファンには所々嬉しいお楽しみが散りばめられている。理不尽を通り越してシュール過ぎるキャラやアイテムの数々、お遣いにもほどがあるイベントラッシュなどなど、「懐かしい」と思える人ならばいいが、これが新規のファンに果たして受け入れられるのかは大いに疑問がある。
 この作品の最もダメな所はザコ戦闘である。やたらとエンカウント率が高く(一応率を下げるアイテムがあるが)、もっさりとした中途半端なオート戦闘で、なぜか1対1のタイマン勝負。そのザコ敵にも魅力がなく、色違いの使い回しが多い。今回の売りの1つであった3D化もスタッフの自己満足としか言えない代物で、終始ストレスが溜まりっぱなしだった。他には短いダンジョンの連続だったのもウンザリさせられたし、敵がこちらの攻撃を避け過ぎるのもマイナス。RPGの肝であるこの部分が大コケしている事で、クリアを目指さず途中で投げたプレイヤーが多く出たのは、納得できるが残念でならない。
 もう1つの大きな難点は、主人公の性格である。開始わずか数クリックで「ああこいつクソだ」と判明するひどさで、ストーリーの進行とともに成長する事を期待したが、最後までそれは叶わなかった。さらにはメインヒロインである羽純の魅力のなさ(個性がなさ過ぎる)もあり、キャラクターに期待して購入すると肩透かしに遭う可能性が高い。次から次へとサブヒロインが出て来てHイベントをこなしていく、飽きさせない手法はさすがだったが。私としてはアザミというヒロインの存在だけで救われた作品。
 ストーリーが予想の範囲内を出る事がなかったのは大した問題ではないが、各イベントが非常に淡白であり、特にンディングのブツ切り感がひどい。まさかデモムービーが流れただけで終了とは。あれでは結局誰がどうなったのかすら不明瞭であり、後日談すらない事に深く失望させられた。とてもプレイ時間に見合った満足感は得られるものではない。
 エロゲーとしては、キャラ数が多い分イベントは多いが、どれも薄っぺらく浅いので、とても実用性があるとは言えない。「アリスゲーは抜けない」の法則は今回も当てはまる。いくら伏せ字やピー音がなくても、エロいと感じさせる作りにはなっていない。個人的にはアンダーヘアこんもりのヒロインばかりで萎えた。メインクラスでもHイベントが2つくらいのもので、CGの差分も少なく、使い捨ての印象が強い。
 総合評価としては、細かいストレスや不満点こそ目立つものの、この価格でこのボリュームで佳作RPG楽しめるのであれば、クソゲーと言う評価は下しようがない。アリスソフトという業界を牽引するブランドであるからこその酷評には同情を禁じえない。アリス以外のメーカーが出していれば名作と呼ばれた事だろう。



「ToHeart」

(ブランド) Leaf
(ジャンル) 学園恋愛ビジュアルノベル
(発売日) 1997年5月23日
(スタッフ) 原画=水無月徹、カワタヒサシ(ら〜・YOU)。シナリオ=高橋龍也、竹林明秀(青紫、青村早紀、BLUE-PURPLE)。音楽=石川真也、中上和英、下川直哉。
(システム) CD-ROM1枚。ボイスなし。主人公の名前を変更可能。フォント変更可能。ディスクレスプレイ可能。セーブポイントは少ない。オートプレイなし。シーン回想なし。
(ランク) Aクラス
(付記) Leafのビジュアルノベルシリーズの第3弾。アニメ化もされたが、それは置いといて……可能ならばぜひ、PS版と両方をプレイしてもらいたい。かなり違いますので。私はPC版を後にプレイして、嫌いだった琴音がすっかり好きになってしまった。幼馴染み属性を世に広めたあかりの一番は不動ですが。コンシューマーからの逆移植版も発売された。
 「Brand-New Heart」「新しい予感」など、歌の評価も高い名作(システム以外は)。バッドエンドもあるが、それにすら必要性を感じた素晴らしいテキスト&シナリオ。今とはなってはさすがに古臭くてチープだが、やっておかない事にはエロゲを語れないかもしれない、金字塔の1つ。



「ToHeart2 XRATED」

(ブランド) Leaf
(ジャンル) 学園恋愛ビジュアルノベル
(発売日) 2005年12月9日
(スタッフ) 原画=みつみ美里、カワタヒサシ(ら〜・YOU)、甘露樹、なかむらたけし(NAK村/中村毅)。シナリオ=枕流、三宅章介、菅宗光、まるいたけし。音楽=衣笠道雄、松岡純也、中上和英、下川直哉、石川真也、DOZA。プロデューサー=下川直哉。ディレクター=鷲見努。EDロール演出=TAKEMi。プログラム=みゃくさまさかず。OPアニメ制作=タツノコプロ。OPアニメコンテ&演出&作画監督=渡辺明夫。歌=中山愛梨沙、AKKO。
(声優) 落合祐里香(生田香織)、力丸乃りこ(木葉楓)、本多知恵子、伊藤静(三咲里奈)、鳥海浩輔、生天目仁美(手塚まき)、中島沙樹、夏樹リオ、石塚さより、吉田小南美(鞠杏樹)、萩原えみこ(井村屋ほのか、さくら)、小坂あきら、太田香織、佐藤利奈(朝倉鈴音)他。
(システム) 対応OS=Windows98/2000/Me/XP。マウスホイール対応。画面解像度=800×600。セーブタイトル記入不可。ディスクレスプレイ可能。毎回OPムービーが流れる。
(ランク) Bクラス
(付記) 何とキャストはPS2版と同じ。さらには新ヒロインささらとかなり遊べるミニゲーム(縦シューティングと落ち物パズル)を追加。前者のシナリオはかなり気合が入っていて、メインヒロインレベル。後者のミニゲームは、前作PS版の物の方が面白かった気がする。
 テキスト文字は大きくて読み易かったが、キャラごとに色を変えても良かったのでは。パロディネタも面白くかったが、シナリオは冗長で変化に乏しく、数キャラで飽きる。就寝前の意味のない主人公の独白など、テキストにセンスが感じられなかった。主人公の女嫌い設定もおざなりな印象を受けた。「複数ライター作品に名作なし」を体現した結果となってしまった。前作を意識し過ぎな点も残念。重要な場面で前作の音楽を使ったりせず、新たな物で勝負して欲しかった。
 システムはそこそこ快適なのだが、不満もある。スキップは速いが、選択肢で止まり、画面上に日付が表示されないのも不親切。実は無駄に難易度が高く、理解不能な時刻限定イベントCGがあったりする。
 最大の私の不満はまーりゃんENDがない事。が、キャラ萌えゲーの最高峰である事は間違いない。シナリオでは由真、キャラではささらがお気に入り。



「塔ノ沢魔術研究会」

(ブランド) NOA
(ジャンル) 田舎学園魔法ADV
(発売日) 2003年5月23日
(スタッフ) 原画=間垣亮太。シナリオ=J・さいろー。開発=ASTRO。音楽=山本秀樹(斑尾歩・紫賀耕元)。
(声優) 北都南(ひと美)、児玉さとみ、長崎みなみ、大波こなみ、草柳順子、歌織、三島由紀
(システム) 対応OS=Windows98SE/2000/Me/XP。次の選択肢までのJUMP機能あり。CD-ROM2枚組。画面解像度=640×480。ディスクレスプレイ可能。
(ランク) Cクラス
(付記) エロい「魔法使いTai!」(嘘)。主人公以外はフルボイスで、これでもか、な豪華面子。原画は間垣亮太で、ちょっとクセのある絵だが、独特の美しさがある。立ち絵は目パチあり。時々面白い光るテキストもあるのだが、全般的に消化不良。主人公は被害者なのに邪険にされて不愉快な思いをさせられるかと思えば、ご都合主義の極みでエロへと突っ走って行く。
 導入部分の納得行かなさやラストのブツ切り感など、トータルのアンバランスさが目立つ。初見のノリの良いバカゲーかと思うイメージも裏切られる。システム以上のエロさがあるが、変態路線に行きがちなので萎える。別ウィンドウCGやハモリ音声などをもっと活用すれば少しは良い作品になったかも。次の選択肢までのJUMP機能があるにはあるが、便利さを感じるほど活用もしない。OP主題歌の「FLY」は名曲。廉価版、再販版あり。



「ときどきシュガー」

(ブランド) ザウス{純米}
(ジャンル) 悩み多き恋愛ADV
(発売日) 2003年1月31日
(スタッフ) 原画=まさはる。シナリオ=藤原将、座敷猫。音楽=Dr.Shrimp。
(システム) 対応OS=Windows98/2000/Me/XP。画面解像度=800×600。ディスクレスプレイ不可。
(声優) 大野まりな、北都南(ひと美)、海原エレナ(氷青、横手久美子)、カンザキカナリ、須本綾奈、鵜乃瀬朱香(東風たまこ、真宮鈴)。
(ランク) Bクラス
(付記) 主人公以外はフルボイスで、鉄壁の布陣。声に関しては文句なしだが、お楽しみ中のSEは不愉快なだけだし(カット出来るが)、各キャラの笑い方が非常に不愉快だった(意図的?)。クリア後のおまけでシステムボイスを入手出来たりする。
 視覚効果は多芸で多彩。立ち絵キャラの吹き出しのパターン数はかなりのもの。が、全てにおいて前作である名作「フローラリア」には遠く及ばない(ストーリーや設定のつながりは何もないが)。スタッフが同じだからと言って、必ずしも名作が生まれるわけではないと痛感。鬱なだけのノーマルエンドは本当に必要だったのか?キャラゲーとしては期待しても良い。



「とびでばいん」

(ブランド) アボガドパワーズ
(ジャンル) 魔女っ娘横スクロール・シューティング+ADV
(発売日) 2001年5月25日
(スタッフ) 原画=本田直樹。シナリオ=大槻涼樹。音楽=矢野雅士。
(システム) 対応OS=Windows95/98/2000/Me。画面解像度=640×480。ボイスなし。ディスクレスプレイ可能。画面をビットマップで保存可能。ADVパートにバックログなし。シーン回想なし。
(ランク) Bクラス
(付記) 「D+VINE[LUV]」の後日談的ストーリーで、前作をやっていないと登場キャラを始め、何もかもがよく分からない。古き良きPCエンジン風シューティングの香り漂う佳作。1ステージが非常に短く、繰り返しプレイが苦にならないのは嬉しい。まぁ、裏を返せばやりこみ要素もスコア稼ぎ以外になく、単調な作業という事になってしまうのだが。
 Hイベントシーンは数が多いのだが、とても淡白でイベントCGが少なく、音声もないので、それを期待しての購入は薦めない。エロゲーとしては期待しない方が良い。音楽の評価は高い。



「友達以上恋人未満」

(ブランド) スタジオメビウス
(ジャンル) 恋愛ADV
(発売日) 2004年9月24日
(スタッフ) OP&ED歌=中山マミ。挿入歌=みるくくるみ。企画&原案=ぽんきち。制作進行=あんまん。プロデューサー=ぽんきち&仁。キャラクターデザイン=平木直利。作画監督=むりりん。原画=むりりん、こぶいち。ムービー絵コンテ=橋本慎一。音楽=Famishin、Angel Note。ムービー=REMIC。監修=飛鳥ぴょん。シナリオ=JUN、博恵夏樹、玉沢円、高橋直樹、まちゃ吉、ざく、望月JET。
(声優) 涼森ちさと(すずきけいこ、大島だりあ)、カンザキカナリ、成瀬未亜、茶谷やすら(梅里ミーオ、永田佳代)、中瀬ひな(村上仁美、沢野冷果)、児玉さとみ、天天、藤田夏海(岩泉まい、樋口まゆ)、一色ヒカル(田中涼子)、堀川りょう、韮井叶(乃田あす実)、理多、石井李奈、このかなみ、緒田マリ(竹間千ノ美)、他。
(システム) 対応OS=Windows98/2000/Me/XP。HDD容量=1.8GB以上。DirectX=5.0以上。主人公以外フルボイス。画面解像度=640×480。マウスホイール非対応。バックログでの音声再生不可。セーブコメント記入不可。ディスクレスプレイ不可。
(ランク) Dクラス
(付記) 事前に「スタッフのこだわりパッチ」を当てておく事は必須。インストールがクソ長いのにまずイライラさせられる。システムはほぼ壊滅的に悪い。スキップが速いのと、回想モードの充実ぐらいしか褒められる所はない。
 あの名作「SNOW」の続編とは決して認められない、名ばかりの芽依子ファンディスク。「SNOW」が好きな人ほど、鬱になる。陵辱あり、バッドエンド数々あり、寝取られあり。実はロリゲーであり、スパッツフェチゲー。ヒロインは数いれど、個別エンドすら存在しない。
 序盤からHイベントが頻発し、その数とCG枚数は驚異的。しかし、個々の場面は短く、消化不良感が残る。大体が、芽依子が主人公を好きになった理由も経緯も判然としない。顔だけ主人公の典型作品。OPムービーの素晴らしさだけは印象深い。廉価版、再販版あり。



「とらぶる@ヴァンパイア! 〜あの娘は俺のご主人さま〜」

(ブランド) タクティクス・ラグジュアリー
(ジャンル) ワガママお嬢様吸血鬼の下僕教師、熱血更生ラブコメADV
(発売日) 2009年10月30日
(スタッフ) 原画=かんたか。シナリオ=尾之上咲太、大熊猫頭鳥、田中一郎。音楽=せいうち。歌=ave;new feat. 白沢理恵。
(声優) 海原エレナ(氷青、横手久美子)、かわしまりの、計名さや香、桃井いちご(大久保藍子)、鈴田美夜子(若林直美)、一色ヒカル(田中涼子)、有栖川みや美、手塚りょうこ、みる(青川ナガレ、壱智村小真、澄白キヨカ)、金田まひる、芹園みや(西沢広香)、富樫ケイ、小倉結衣。
(システム) 対応OS=Windows2000/XP/Vista。HDD容量=3GB以上。ディスクレスプレイ可能。マウスホイールテキスト読み進め可能。バックグラウンド動作可能。キャラ別音声カット可能(男性ボイスなし)。セーブコメント記入不可。スキップが選択肢後に解除される。
(ランク) Bクラス
(付記) タイトルに「ヴァンパイア」とあり、実際吸血鬼ヒロインが数人いるのだが、その設定はほとんど活かされていない。お約束の吸血イベントなども少なく、これなら無理に吸血鬼設定にしなくとも、別の超人的な設定を新たに与えた方が良かったのではないか。ひいては、タイトルセンスがないとも言える。
 攻略可能ヒロインは5人で、クーデレ・「拙者」武士娘・メガネ魔女+ロリ2人。メインヒロインである獅音は基本クール系のツンデレで、恋人になってからの落差の萌え破壊力はなかなか。ただし、トゥルールートではすっかり元通りの立ち位置に戻ってしまっているのが残念。こういう二面性のあるキャラはデレの割り合い配分が難しいと思われるが、海原エレナの好演もあり、メインヒロインとしての存在感のあるキャラに仕上がっている。Hイベントはあったものの、エンディングがなかった神楽は不遇。他にはトゥルールートから派生する樹里ルートがぜひとも欲しかった。
 シナリオ展開は速く、本題に入るまでにダレる、という心配は無用。一見キャラゲーだが、実は戦闘シーンが多く、「恋姫†無双」からエフェクトやSEを使い回したバトル描写が意外にも熱かったりする。第一印象を良い意味で裏切るので、「人外設定足しただけの学園恋愛ADVでしょ?」とスルーしている人にもプレイしてもらいたい。共通ルートは長いが、個別ルートの差別化はちゃんとできているので飽きは来ないだろう。伏線の張り方で興味を続かせる手法なのだが、ラスボスのキャラが弱かったのが拍子抜けした。
 主人公は熱血国語教師で、舞台は食傷気味の学園物ではあるが、他作品との差別化はできている。性格や言動に好感が持てるが、「更生」というニュアンスはちょっと違うと思う。主人公は下手にでしゃばり過ぎず、獅音の成長物語として筋が通っている作品。基本的にヒロインに好きになられてから惚れ返す展開なのだが、その動機がちょっと弱く感じられたのがラブコメ物として残念。
 立ち絵に被さる感じで感情を表すマークが表示されるのだが、視覚効果としては良いが、ゲームテンポを悪くしてしまっている。全体的にシーン転換を含めて演出が重めなので、コンフィグで演出カットしてのプレイを推奨する。立ち上がりや終了はせっかく軽いのに、これはもったいない。テキスト表示は3行で、3行目がテキストウインドウギリギリの位置で下過ぎたのがやや気になった。夜の場面ではちゃんと立ち絵も暗くなるなどの配慮は嬉しい。
 Hイベントの内容はシチュエーションにバラつきがあるのが難点だが、描写が丁寧で、「らめぇ」などに走る事なくしっかりと読ませてくれる。イベント数は全部で14で、攻略可能ヒロインにそれぞれ3つずつ+神楽+夢オチでの中途半端なハーレムHが1つ。伏せ字やピー音はないが、そもそも卑語自体が少ない。かんたか絵独特のクセ(特に横顔)にさえ慣れれば、感情移入も可能だろう。主人公が早漏気味であっさりテイストであるので、実用性はやや低い。
 パッと見は色物に見えるだろうが、綺麗にまとまった佳作。欠点はあまりないが、突出した美点もない小粒作品。あざとい萌えがないのは評価するが、笑いの成分がほとんどないのはいただけない。萌えやドタバタラブコメを期待している人には不向き。私としては、応援バナーを貼った事を後悔しない程度には満足している。



「ドリル少女 スパイラル・なみ」

(ブランド) エヴォリューション
(ジャンル) 育成格闘SLG
(発売日) 2000年7月21日
(スタッフ) 原画=村上水軍。シナリオ=林保成。音楽=Angel Note。
(声優) AYA(茂呂田かおる)、神無月ほのか(笹島かほる、RURU)、芹園みや(西沢広香)、空野星子(雪野五月、MOMO)、南雲涼、深井晴花。
(システム) 対応OS=Windows95/98。ディスクレスプレイ可能。
(ランク) Dクラス
(付記) 「すぱいらるどらいば〜♪」のシャウトが鮮烈な主題歌が有名な作品。「マリオネットカンパニー」ライクに考えていたが、それは大きな勘違いだったようで、攻略がえらく面倒臭くて困った。イベントはそこそこ多いのだが、敵の数も少なく、実際SLGとしてはやれる事は多くないのに作業性が高く、飽きが来るのが早い
 だが、バカゲーとしてはかなりの水準だろう。美少女+ドリル(無骨な武器)属性の走りでもある事だし。その難易度の高さにリタイア者も多かったが、未だに続編希望の声も多い両極端な作品(つまりはファンを選ぶ)。残念ながらメーカー自体が倒産してしまったが。ファンは結構多いらしく、同人誌もよく見かける。



「トロピカルKISS」

(ブランド) Twinkle
(ジャンル) リゾートADV
(発売日) 2009年9月25日
(スタッフ) 原画=こうたろ、伊藤大育(SD担当)。シナリオ=木村ころや。音楽=4-EVER。OP歌=(作詞)畑亜貴、(作曲)小池雅也、(歌手)でんぱ組.inc。ED歌=ULTRA-PRISM。OPムービー=URA。EDムービー=生野菜。プロデューサー=小田光徳。
(声優) 桃井いちご(大久保藍子)、風音(櫻井浩美、未来羽、真中海)、みる(青川ナガレ、壱智村小真、澄白キヨカ)、倉田まりや、七ヶ瀬輪、かわしまりの、青葉りんご、葉村夏緒、夏村伊介、角川竜二、野宮カヲル、三原椎名、神楽坂恋詩。
(システム) 対応OS=Windows2000/XP/Vista。HDD容量=3.5GB以上。画面解像度=800×600。バックグラウンド動作可能。ディスクレスプレイ可能。マウスホイールテキスト読み進め可能。キャラ別音声カット可能。選択肢後もスキップ継続。セーブコメント記入不可。テキストカラー変更可能。修正ファイルあり。
(ランク) Aクラス
(付記) テキスト能力はわずかに誤変換があるもののかなりの高水準で、しっかりと読ませつつも高頻度で笑わせてくれる。豊富な知識にも拍手を送りたい。あえて難点を挙げれば、台詞の最後に読点が打たれていない事ぐらい。ただ、別キャラの視点の時にはウィンドウの色を変えるなどの差別化は欲しかったところだ。が、そんな事は瑣末。特筆すべきはシナリオの構成力にある。どのルートでも各ヒロインをバランスよく、かつ設定を活かして配置し、伏線の回収も実にお見事。こんなにも起承転結のしっかりしたエロゲーをプレイしたのは一体いつ以来だろうか。ストーリーの基本ラインは同じくしながらも巧みに差別化を図り、それに成功している。立夏ルートでは「こういうのが見たかったんだよ!」と思わず快哉を叫んだものだ。ごく個人的なプレイ進行の指針としては、泉ルートを最後に残しておきましょう。力の入れ具合が違いますので。
 パチスロ「スーパーブラックジャック」で知られるこうたろの原画の魅力は素晴らしく、キャラゲーの高みへと導いている。さらにそれをInnocent Greyの珈琲貴族らが美麗に塗り上げる事により、さらに華を添えてくれた。夕方や夜の場面では立ち絵の色も暗くするなど、ツボを心得た配慮が憎い。その立ち絵も表情パターンはそこそこだがコスチュームが多く、飽きさせないように工夫がなされている。
 コンフィグや各種インターフェースは充実しているものの、システムは重い。特に起動とロードの遅さには毎回かなりイライラさせられた。既読スキップが日付変更時のアイキャッチでいちいち止まってしまうのもマイナス。しかし、メインスタッフ3人(後は外注)という過酷な開発環境の中、よくぞここまでの作品を作り上げたものだ。音声のエコーやCGの拡大&縮小など、演出面も結構がんばっている。
 攻略要素は低く、ほぼマップ画面でお目当てのヒロインを追いかけるだけ。作中に「選択肢なんて飾りですよ」とあるように、そこには期待しないでおこう。攻略可能ヒロインは5人で、その他にもほたる・風鈴・菜種と魅力的なサブヒロインがいるのだが、彼女達にエンディングは用意されていないのが残念。ちなみに私はメインでは立夏が大変気に入った。こんな佳い女、なかなかいませんよ。嫌いヒロインが1人もいない作品に出会えるのは嬉しい事だ。
 主人公は最初の内はなぜモテているのか理解不能だが(本人もそれを悩んでいるのが好感が持てる)、終盤には覚醒するので結果的にはかなりの高スペックである。性格は極度のシスコン+おっぱい星人で、気は多いものの誠実。しかし、その誠実さのおかげでハーレムも3Pすらもなかったので、エロゲー主人公としては合格点をあげたくない。せっかくあんな地球一のビッグマグナムを装備しているというのに、もったいない。
 Hイベントは各ヒロインに3つずつで、初H・シチュエーションH・ご奉仕と均等に割り振られていて不満を出させないようにしてある。序盤からハプニングイベントを散りばめつつ、終盤で一気にラッシュするパターン。中/外発射選択はあったりなかったり。CG差分は必要最低限は備えてある。Hテキストは描写が細かく、長めの前戯もダレさせない。あえぎ声はたっぷり、そしてイッた時の絶叫がすごい。絵の枚数の制限をテキストで上手くカバーしている印象。「エロが薄い」と感じる事は恐らくないだろう。
 パッと見はチャラいキャラ萌えゲーにしか見えないだろうが、じっくりとシナリオを読ませる大人の(やや)ラブコメである。「学園物にはもう飽きた」とお嘆きの陵辱は受け付けない方、ぜひともこの作品をどうぞ。ハーレムエンドさえあれば最高評価を付けていたほどの完成度、自信を持ってお薦めいたします。間違いなく「傑作」です。あとはタイトルがもう少しそそる物であったらねえ……。



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