『アソシエーション革命へ』について
評者:清木健二
2004年6月
タイトル:「過渡的時代とアソシエーション」にふれて


 20世紀の戦争と革命の歴史認識について共通するところがおおく感動しました。中でも共産主義国家の崩壊の原因についてです。共産主義国家崩壊の原因が暴力革命とプロレタリアート独裁にあったとみる点です。

 30数年前に私は中国系の共産党に入ったことがあります。このときに「革命は暴力であり、歴史上の革命は暴力によってなされた」と数え込まれ、また「階級のない社会を作るためには前衛(共産党)による階級的な独裁が必要だ」とも教えられました。しかし、民主主義の大切さを信じていた自分には納得できず、組織の独裁的運営に逆らったことで追放処分されました。

 そして共産党独裁の共産主義国家は現実にも階級のない社会に向かわず、独裁に進み、崩壊しています。この変化を貴著では「目的と手段の転倒」だと指摘していますが、そのとおりだと考えます。私はこの転倒の原因はレーニンの革命方法にあったと考えます。レーニンの革命方法は暴力で権力を奪取した後に共産党が資本家の反抗を押さえるための独裁を行う、と言うものです。

 このプロ(共産党)独裁の考えがソ連を支配していたことがスターリンによる大虐殺を可能にした原因と考えます。しかし今でもレーニンを信じる人が多くいます。それは世界で最初に社会主義国家を建設したとの実績を信じるからです。

 「過渡的時代とアソシエーション」にふれて、第一に何の連絡もない私と大薮氏が同じ認識に到達していた事実について感動しました。人類が20世紀を総括して21世紀に新たな花を咲かせるだろうとの確信になったからです。そして第二の発見は何度か読むうちに自分自身が完全に洗脳されていた事実に気づいたことです。

 自分は「暴力」を否定しながらも「やはり暴力(権力)は強い」と言う暴力肯定の思考にいたことです。だが貴著を何度か読むうちに、ソ連の革命はレーニンが言うように本当に暴力革命だったのか、と言う疑問が生じたのです。ソ連の革命には労働者、市民だけでなく、軍隊(ポチョムキン)までも参加しています。権力(武力)を持つ政府を倒すには軍隊まで反対できない世論が必要です。

 過去のどんな革命も国民の多数の支持なくしてはおきていません。ソ連で暴力の悲劇が生じたのは革命がおきた後のことです。スターリンによって、社会主義ソ連を守るという名目の下に大量虐殺が起きたのです。民主主義の力で生まれた国がレーニンの「プロ独裁の理論」によって血塗られる結果になったのだと思います。

 だが20世紀の後半には共産党独裁の国家は次々に崩壊しました。独裁社会があっけなく民主主義(情報が生み出した世論)に破れたのです。強いのは民主主義です。国民が支配者の「独裁理論」に騙されなければ勝てると言うことです。

 21世紀の人類は「独裁との闘い」を更に発展させると思います。共産主義の独裁だけでなく、封建主義(王国)の独裁とも帝国主義(米英など)の独裁とも闘い、民主主義を勝利させると思います。今後の民主主義のための闘いは他国の侵略を正当化する帝国主義の独裁理論(自由競争と代議制)を破ることが中心になると思います。何故なら、世界の独裁の頂点には米英などの帝国主義がいるからです。

 未来の姿として世界の「アソシエーション」の現実の動きを見ておられますが、これは視点としても、情報としても必要に思います。これらの動きが何故、爆発的な発展をしないのか、直感ですが組織の内的要因(民主化)と外的要因(情報交換)にあるように思いました。

 組織が民主化しない原因は組合の存在だとおもいます。組合が機能しないことは組織を腐らせ(官僚化し)ます。組合が過去の経済主義から脱皮して、組織の民主化を促す役割を果たすことが大切と患います。また情報がなく情報統制された一方的な情報が流されることも発展を阻害していると思います。

(大藪注記)
 山口県在住の清木健二さんから、本ホームページを見てメールが届けられたのを機に、交流することになり、『アソシエーション革命へ』の拙論「過渡的時代とアソシエーション」についての批評を寄せてもらった。
 清木さんは、高校卒業後、化学、建設、鉄工などの企業で働いてきていて、労働組合運動や、中国共産党系の党派での追放処分を経験されたとのことである。数冊の小著をだされているが、その論点には、ソ連などの共産主義への批判、特にレーニン主義にたいする批判的見地、個の確立に基づく民主主義の主張など、わたしなどの考えと共通するところが多い。
 清木さんのホームページは www.geocities.jp/jgkbd947/