悼フ曲 「夕べの想い」k523
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歌曲 夕べの想い へ長調 k523
最近、モーツァルトの歌曲がとても、心にしみてきているのです。数が多いわけではないし、1曲も長くないので、聴きやすいということもあります。この曲も、次のクローエにも、この辺り。k500〜550番台は、内容がものすごく充実しているような気がします。
夕べが来た、太陽は沈んで姿を消し、
そして月が銀光をはなっている。
こうして人生のこの上なく美しい時が去っていく、
踊りの中でのように過ぎ去っていくのだ。
やがては人生の彩りあざやかな情景も去ってゆき、
そして帳が下りてくる。
私たちの芝居は終わったのだ。 友の涙が
もう私たちの墓の上に注がれている。
おそらくはやがて、ほのかな西風のように、
静かな予感が私の許に吹き寄せてくる
私はこの人生の巡礼の旅を終え、
やすらぎの国へと飛んでゆくのだ。
その時、あなた方は私の墓に涙し、
悲しみながら私の灰を見ることだろう、
その時、おお、友たちよ、私はあなた方の前に立ち
現われ、天国をあなた方へと吹き送ってあげよう。
君もまた私にひとしずくの涙を贈り、
私の墓上にすみれをひともと摘んでおくれ。
そして君の魂のこもったまなざしでもって
やさしく私を見下ろしてくれたまえ。
私にひとしずくの涙を捧げておくれ、そして、ああ
それを私に捧げてくれるのを恥ずかしがらないで
れたまえ、ああ、その涙は私の飾りの中で、
その時、いちばん綺麗な真珠となることだろう
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