悼フ曲 「夕べの想い」k523

2003年08月17日

        歌曲 夕べの想い へ長調 k523                     
 最近、モーツァルトの歌曲がとても、心にしみてきているのです。数が多いわけではないし、1曲も長くないので、聴きやすいということもあります。この曲も、次のクローエにも、この辺り。k500〜550番台は、内容がものすごく充実しているような気がします。

           夕べが来た、太陽は沈んで姿を消し、
           そして月が銀光をはなっている。
           こうして人生のこの上なく美しい時が去っていく、
           踊りの中でのように過ぎ去っていくのだ。

           やがては人生の彩りあざやかな情景も去ってゆき、
           そして帳が下りてくる。
           私たちの芝居は終わったのだ。 友の涙が
           もう私たちの墓の上に注がれている。

           おそらくはやがて、ほのかな西風のように、
           静かな予感が私の許に吹き寄せてくる
           私はこの人生の巡礼の旅を終え、
           やすらぎの国へと飛んでゆくのだ。 


           その時、あなた方は私の墓に涙し、
           悲しみながら私の灰を見ることだろう、
           その時、おお、友たちよ、私はあなた方の前に立ち
           現われ、天国をあなた方へと吹き送ってあげよう。

           君もまた私にひとしずくの涙を贈り、
           私の墓上にすみれをひともと摘んでおくれ。
           そして君の魂のこもったまなざしでもって
           やさしく私を見下ろしてくれたまえ。

           私にひとしずくの涙を捧げておくれ、そして、ああ
           それを私に捧げてくれるのを恥ずかしがらないで
           れたまえ、ああ、その涙は私の飾りの中で、
           その時、いちばん綺麗な真珠となることだろう 

     





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