播戸竜二の背中 |
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2001年2ndの札幌戦は、札幌が後半9人になったにもかかわらず、引き分けたため、ガンバの評価の低い試合であるが、松波のフリーでのボレーシュートがあり、また、何本かセンタリングがブーレの頭にピンポイントで入っており、得点できなかったのはFWのミスや不運による部分も大きいようだ。(ラストパスが出るときに2トップがクロスして開く動きが見られなかった事は気に掛かるけれども)勝っていた可能性は十二分にあったのだから、あまり悲観する必要もないかと思う。 むしろ、反対に札幌のウィルのFKがほんのわずかずれていれば、1−0で9人になった札幌が勝利した可能性だって十分あったのだから、幸運な勝ち点1であると、現実を直視したいと思う。 私が、この試合で最も注目したのは播戸竜二の盛り上がった背中だった。私は、彼が札幌へレンタル移籍して以来の2年間、2001年1stの長居でのセレッソ戦とこの日の札幌戦の2回播戸をみている。長居で見たときは、ほとんど気にならなかったが、万博で見た播戸は(その後見た、ビデオのテロップではあいかわらず、170cm60kgと表示されていたのだが)一回り大きくなっていた。 猫背にすら見える筋肉で盛り上がった背中、太い足。99年に目の前で見たときには、細身で肩幅が狭く顔の小さいどう見ても少年の体型にしか見えなかったのに。 事実、99年の播戸はファールされるとすぐに倒れる癖が付いていて、PKを獲得したこともあったのだが、自身が得点することはほとんど無くなっていた。わたしは、播戸は壁にぶち当たっていたと思う。 ところが、01年に万博で見た播戸は、ほとんど倒れない。前半には宮本との1対1に勝利する場面もあり、極めて力強い選手になっていた。反転が素早いのは以前のままである。 反面、以前に比べると運動量がおち、一瞬のスピードでDFの裏を取るプレーは少なくなっていた。体が大きくなっただけでなく重くなって、プレースタイルが確実に変化しているのだ。重い体ではガンバ時代にしばしば見せた超人的なジャンプ力を活かした長い滞空時間の打点の高いヘッドは、もう打てないのだろうか?少なくともこの日は見ることができなかった。 また、DFを引きずって突進できる選手にはなっているのだが、ガンバのFWに特徴的なボレーシュートはむしろ下手になっているように思えるし、1対1でDFを振り切るときも、一瞬の身体の入れ替えのスピードで抜くことはできるのだが、ボールコントロールの巧さで抜くことはない。 播戸は逞しくなったと思うと同時にもう一度ガンバに戻れるだろうかとも思ってしまうのだ。 |