3バックは末期症状 (9/17スロバキア戦 キャンベラ)
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 現五輪代表の3バックは完全な末期症状です。日本の攻撃のために最終ラインをずたずたにされ、中盤を支配されているへろへろのスロバキアは、勝たないと決勝トーナメントに進めないため、捨て身で攻めてくるしかなかった。するとその攻撃を支えきれず、圧倒的に攻めているにもかかわらず、最終ラインをずるずる下げる日本3バック。そのため、ボランチとの間か空いて、更に攻められる。

 中盤が間延びして、特に左サイドの中村が下がり気味になるため、攻撃力が低下して、単純に攻め手が減り得点が入らなくなる攻撃陣。

 優勢な相手に対してこれなのですから、相手が圧倒的に強い場合は、いったい、どうなるのでしょう。私が見た限りでは、各国五輪代表が前評判ほど強くないので、ある程度は何とかなりそうですが。

 森岡3バック(これも、ドイツ、ノルウェー女子を見た後じゃF3とはいえんな〜。単に攻められていないときはラインに並んでいるだけのスイーパーシステムというのが正確な表現だろう。)の問題点をいくつか指摘したいと思います。

 1.ラインが低すぎること。
 試合開始早々は、高く保っていましたが、相手に1,2回チャンスがあると全く押し上げできません。これは、3人が3人ともお互いの守備力をどうやらまったく信用していないたのようです。たしかに、中澤、森岡が1対1にしばしば負けドリブル突破されていました。これが、中田こが真ん中をによりすぎること。勝手にコーチングしていることの最大の原因らしい。

 2.ラインが保てない。
 もともと、森岡は細かい上下動ができない選手ですが、一人があたりに行き、他の二人がカバーする動きをして、ラインをフラットに保てない、若しくは、保たないため相手FWに日本DFの間を斜めに走りこむスペースを作ってしまい、再三中央突破のピンチを作っていました。

 3.全体に右に寄りすぎる。
 TVでは、よく分かりませんが、スタンドで見ると、中田浩二の守備位置はほぼ、ゴール正面になっています。3バックがピッチ全幅をカバーできない(しない)ため、南アフリカ戦などは中村の守備での貢献が目に付きましたが、これは、中村が最終ラインに入り4バック気味の時間帯が長かったからです。そのために、日本は左サイドをあまりつかえず、1,2点は得点を損したでしょう。

 4.中澤がディレイをかけず、あたりに行ってしまう。
 これは、本当にひどかった。中澤は相手が、サイドを突破してくると体を寄せていって守備をしていました。そのため、スロバキア戦はさほど目に付かなかったのですが、南アフリカ戦は4,5回体を入れ替えられてドリブル突破を許していました。
 そのうしろで、森岡が有効にカバーできるポジションを取っていないので、大ピンチを再三招いていました。

 5.中澤の体の向きが逆。
 これも、中澤が一発で抜かれる原因です。中澤はガンバの鈴木や柳本と同じく、コーナーの方を向いて守るため、いともあっさりと抜かれていました。ノルウェーの女子5番がキチンと3メートルを保ち、正しいからだの向きで、きっちりとディレイをかけたのとは、好対照です。
 体の向き、ディレイについては中田浩二は、比較的キチンとできていました。

 6.中田浩二の勝手なコーチング
 中田浩二は左をあけて、ゴール前に居座ってしまい、左サイドをがら空きにして、俊輔を自分で呼び戻して左サイドをカバーさせていました。なぜ、彼がこんな事をするのか不可解なのですが、おそらくは、中田こは森岡、松田の守備力をほとんど評価していないのではないかと思います。これは私の想像ですが、試合中の態度を見ていると、そう思えてなりません。

 7.森岡がゴール前でカバーリングできない
 これは、中澤が相手にあたりに行ってしまう原因ではないでしょうか。森岡は、シュートコースの限定、パスコースの限定という明確な方向性を持たず、松田と同じくボールがこぼれたときのケアを目的にポジショニングをしているようで、中澤が抜かれたときに、相手の選手のシュートコース、パスコースにいくつかの選択肢が残されたままです。幸い未だこの形では失点していませんが、いつ失点してもおかしくない。

 8.3人がボールホルダー若しくはボールしか見ていないため、常に相手にフリーの選手がいる。
 これは、信じられないぐらいしょっちゅう起こっています。スロバキア戦では17番の選手がしばしば、フリーになっていました。ビデオを見ているとよく分かりますが、日本がボールしか見ていないこと。スロバキアの走り込みがしょっちゅう行われていることは、よく1失点ですんだなあという感想を持たせてくれます。
 17番に1点取られたのは偶然ではありません。日本が17番のポジショニングを無効にしてしまう位置にポジションを取っておらず、17番がシュートしやすくしていたからだと思います。

 9.セットプレイでファーにフリーの選手を作ってしまう。
 これは、どうにもならないようです。宮本いないモードの持病のようなもので、もっと若い世代の台頭を期待しましょう。
 それと、スロバキアが後半日本のセットプレーで自軍のファーが空いていることに気づき、自軍の守備を崩すことなく前線から選手を1人呼び戻し、枚数を増やしてケアさせていることに注目したいと思います。壮行試合モロッコ戦で松田がセットプレイで既に守備位置に着いている中田英のポジションを変えさせ、いったんできあがった守備陣形を壊してしまったために失点していることと比べると、明らかな差があり暗澹たる気持ちになってしまいます。

 私は、トルシエがグループリーグを駒落ちで戦って、決勝トーナメントに備えたのだと思っていましたが、こうして考えると、宮本を使っていなかったため1試合3点は損したと思います。トルシエの采配ミスでしょう。
 ブラジル戦で宮本を使わないのであれば、ブラジルが予想外に弱いのか、トルシエに選手を見る目がないのか。どっちなのかなあ〜。
 ああ、弱気だねえ。 

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